定期テスト期間が終わると毎年のことですが問い合わせが増えます。
テスト結果を見て「これはそろそろマズいかもしれない」と感じて塾を探す人が多いようです。
しかし、この「そろそろマズいかも」が結構問題ありまして・・・
大抵の場合、
ということです。
ちょっと理解が曖昧だなあという部分が出てくると、その部分だけを何とかすればOKという話では済まないことがほとんどです。
実は、かなり前まで戻って勉強し直すことが必要になるのですが、そういう話がなかなか通じないことが増えてきました。
なんて返答が返って来たりもしますが、実際に本人が理解していると主張するところに戻ってもらうと、実は何も分かっていなかったなんていうことが頻繁に起こります。
こういうギャップの一因となっているのが高校入試での問題演習中心の勉強スタイルです。
以前、新高校1年生準備講座で数学の勉強に関するアンケートをとったことがありますが、学校の授業以外で教科書を読んでいる生徒はほぼゼロである一方で、ワークや市販の問題集、塾教材などのいわゆる「問題集」を中心に勉強するという人が9割以上にもなりました。
問題集をやること自体は問題ありませんが、気になったのはその進め方です。
まず最初に解き方を教わってから、それを用いて問題演習をするというスタイルで勉強している人が思った以上に多いなと感じました。
問題集なんかでも、まず例題の解き方を見たりポイントを確認してから、演習問題でそれを繰り返し練習するという人が多くいます。
そして、テストではどのパターンの問題かを考えて、解き方を選択するといった感じの勉強になっているようです。
こうした方法は、問題の分類には強くなるのですが、根本的なところを聞かれると非常に脆いという面があります。
実際に、ものすごく高度な解法を知っているのに基本的な証明問題が全然できないなんていう生徒がかなりいます。
そして、共通する傾向として知らない問題に対してフリーズするということが挙げられます。
知っている問題には滅法強いのですが、そうでにない問題に対しては何もできないという、0か100かみたいな状態に陥りがちです。
本人は考えているつもりなのでしょうが、その思考は「知っているかどうか」という浅いレベルで終わっており、知らないものに対してどうアプローチするかといった大事な部分の思考がごっそりと抜けてしまっています。
本来、知らない問題に対して「ああでもない、こうでもない」と色々と書き出してみたりしながら考えるものですが、そういういちばん大事なところを、知らず知らずのうちに捨ててしまっている人がいます。
さらには、こうした考えることそのものを面倒くさいと感じる人もいるようで「とにかく手っ取り早く何とかしたい」という要求がとても増えてきたなあと感じます。
そんなわけで、おかしな癖が染み付いてしまう前に、まずは地道に考えることを大切にして欲しいなと思います。