金沢市統一テストとの実施期間が近いことや、地震こともあり、今回は解説記事を作りませんでした。一応、問題には目を通しましたが、前回同様に難しく感じる問題が多かったかもしれません。決して難問というわけではありませんが、現状の中学生の数学力を考えると、手が出しにくい問題が多かったように思います。
それでは今回の結果を見てみましょう。(スクロールします)
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 5科目 |
52.8(14.37) | 53.5(21.24) | 50.1(20.39) | 45.7(18.24) | 44.0(17.09) | 246.0(81.66) |
※括弧内の数字は標準偏差となります。
数学の平均点は44.0点という結果となりました。前回は42.7点だったので少し易しくなりましたが、同程度の問題レベルと考えていいでしょう。
数学が5科目の中でも最も低い平均点となっております。一方で、標準偏差は17.09となっているため、平均点の前後(35点〜55点)に集中して分布しています。
上位校を狙っている人は70点を1つの目安にしておきましょう。このラインを超えていれば、十分に学力が備わっていると考えてOKです。一方、このラインに到達していない人は、弱点部分について少し注意をしておくことが大切です。とくに後半の図形で得点が伸び悩んでいる人は、本番でもなかなか得点できない可能性があるので、そこをどうするか考える必要があります。
最後まで諦めずに取り組むという人もいるでしょうし、他の教科でカバーしようという人もいるかもしれません。いずれにしても、入試は数学だけではないので、あまりにも1つの教科に拘りすぎて全体を見失うことのないように気をつけましょう。
正答率が低かった問題は以下のとおりです。
再チェック 大問1 (3)、(4)、(5)
(4)、(5)の正答率が50%ほどで、(3)に至っては3%となっています。大問1の後半でここまで正答率が低くなるということは、数学の理解度に関してかなり危機的な状況です。書き出しながら考察するといった数学で必要な能力の問題以前に、そもそもの基礎的な知識自体が入っていないということかもしれません。なお、(3)については単位を間違えてしまった人が多かったのではないかと思います。(3)のような問題は個人的に嫌いなんですが、うっかりミスをしてしまった人は、これを教訓として本番では慎重にやるようにしましょう。
再チェック 大問3 (3)
大問3は(3)が壊滅的な状況でした。関数の問題としては非常に基本的な事柄を聞かれている問題なのですが、正答率が非常に低くなっています。問題集などで例題として取り上げられる典型的な問題には対応できても、少し変化をつけられると全く対応できないという昨今の中学生の状況を反映しています。こうした問題に対応できない人は、おそらく普段やっている勉強が全く数学の勉強になっていない可能性が高いので、1度見直してみる必要があります。
再チェック 大問5〜7
作図以降の図形の問題は(1)を除いていずれの問題も壊滅的な得点状況です。大問6(3)、大問7(3)については、データを見る限り解けた人はいなかったようです(いても数人レベルでしょう)。図形の問題は昔から苦手とする人が多いのですが、観察力であったり結論から逆を辿って考えたりといった、数学の基本的な考え方がたくさん詰まっています。確かに、配点を考えれば、図形の問題に時間をかけるより他の問題をミスなく丁寧にやる方が得点は取りやすでしょう。だからといって、図形を捨ててしまうと、今度は高校に進学した後でキツくなります。テスト云々は置いておいて、少しでいいので、取り組む時間を作って欲しいなあと個人的に思います。
というわけで、前回に引き続き難易度が高めの問題が多かったわけですが、結果は惨憺たるものでした。決して受験生が勉強をしていないというわけではないと思います。むしろ、一昔前に比べると真面目に取り組んでいる人が増えたように思います。しかし、それに逆行するように数学力が落ち込んできています。その原因は、やはり間違った数学の勉強方法が広がってしまっているということに尽きると思います。ただ闇雲に問題集を繰り返している人は、側から見ると真面目にやっているように見えますが、実際には何の中身もない勉強になってしまっていることがよくあります。量をこなすだけの勉強になっていないかよく考えてみてくださいね。