というわけで、2024年度石川県公立高校入試が終了しました。難しかったとか簡単だったとかいろんな情報が飛び交いますが、そんなものは気にせずに、まずは心と体を休めてください。お前も言ってるやんけ!とツッコミを入れられそうですが笑
まあ、こんなものを一応作っているので、興味がある人は見ておいてくださいね(宣伝)
とはいえ、終わったものはもう覆らないので、次に向けた準備をやっていく方が賢明ですね!
で、「入試が終わったらすぐに高校の勉強を始めましょう!」なんてけしかける塾が多いのですが、断言しておくとこの時期の勉強でつく差などは後でいくらでもひっくり返ります。
この時期に焦って先取りするよりももっと大事なことは、これまでやってきたことを反省しつつ高校進学後を見据えた勉強に切り替えていくことです。
ここからは数学の話に絞りますが、高校入試において問題集を中心に勉強を進めてきた人は要注意です。
100問解いて100通りの解き方を覚えるといった感じの勉強を進めてきたという人が最近はとても多いように思いますが、その方法はあるタイミングで崩壊します。
このタイミングは人それぞれですが、高1の冬あたりというのがかなり多いように思います。
問題は、ちょっとできる生徒であれば(これがもっとも厄介なケースなのですが)そのタイミングがもう少し遅くなり、高2の秋〜冬あたりに発現するというケースです。こうなると、そのタイミングからやり直すのは困難を極め、本来のその生徒の実力からは数ランク下の大学にしか進学できないという悲劇が起こることになります。
もちろん、圧倒的な記憶力を持っている人であれば、そのままの方法でも大学入試までクリアしてしまうのですが、そのようなタイプの人は上位の数パーセントしか存在しません。
しかし、この数パーセントの成功例はとても輝かしく見えるものです。
部活をしながら塾にも通わずに〇〇大学に合格した
そんな話ばかりが紹介され、部活を真面目にやっている生徒は受験に強いとか、学校の課題だけで十分で塾は必要ないなどという話が出回ることになります。実際にはそんな生徒は少数しか存在しないにもかかわらずです。他人の話がそのまま自分に当てはまるなどということはない、という当たり前のことを再確認しておきましょうね。
少し話が逸れましたが、問題集中心の勉強になっている生徒のその先についての話をしておきます。
附属や泉丘といった最上位校に受かった生徒であっても、高校1年生の終わり頃には1/3くらいの生徒がすでに落ちこぼれ状態になります。これは点数や順位という目に見える部分だけの話ではなく、数学の理解度といったもう少し深い部分の話も含めてです。もちろん、そうした生徒の中には、先取りして問題集はすでに$n$周終わらせてます!みたいな生徒もたくさんいます。
とくに上位校の生徒であれば、これまで何の問題もなくやってこれていたものが急にできなくなるという感覚になるのではないかと想像します。こんなハズじゃないという焦りがさらに悪循環を生み出してしまっている生徒さんも結構多いと思います。
そうやって、最終的に当塾に漂着する生徒さんが多いのですが、話を聞く生徒がことごとく間違った勉強を繰り返しているのです。しかも、その悪癖が体の芯まで染み付いてしまっており、取り除くのが非常に難しいのです。
そんなこともあって、この時期にやるべきことは闇雲に先取りして進むのではなく、これまでの勉強の問題点を点検し、1つ上のステージでもきちんと学んでいける姿勢を作ることだと考えるようになりました。高校1年生の準備講座を始めたきっかけも、こうした転塾生がものすごく増えたことでした。
よく高校入学までに高1内容を終わらせるなどという無茶な勉強を推奨している人もいますが、これは雑な勉強に拍車をかけるだけであり、理解を深めるという大切な姿勢を阻害する危険性が非常に高いものです。
いま、やる気満々で高校の問題集をやっている人もいるでしょう。それが悪いことだと言っているわけではありません。むしろ素晴らしいチャレンジです。ただ、その問題集を一体何のためにやっているのか、いったん立ち止まって考えてみて欲しいなあと思います。
そうすれば、きっと意味のある先取り学習になってくれるハズですよ!