現在、高校2年生は数列を扱っているところです。
高校数学で扱う数列はとても単純なもので、非常に簡単な単元だと思うのですが、苦手だという人が結構います。
そういう人の多くが、公式や記号に惑わされて難しく考えすぎているなあという印象です。
以前もシグマ記号についてしつこく記事を書いていました(笑)
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今回も、3つの数が「等差数列をなす」とか「等比数列をなす」という問題を扱いました。
たとえば、「$a$、$b$、$c$ の $3$ 数がこの順で等差数列をなす」といった感じの問題です。
この問題について、$2b=a+c$ という関係を覚えて使っているという人がいて「あ〜ど忘れした!」なんて言ってることがありました。
そもそも、$2b=a+c$ なんていう関係は覚えるものではなく、等差数列であることから直ちに導ける当たり前の関係です。
等差数列とは、読んで字の如く「隣り合う項の差が一定」な数列です。
$a$、$b$、$c$ の $3$ 数がこの順で等差数列になっているということは、$b$ と $a$、$c$ と $b$ の差が等しいということです。
つまり、$b-a=c-b$ が成り立つわけです。
これを変形すれば、先ほどの $2b=a+c$ が得られることになります。
等比数列の場合もそのまま考えることができます。
$a$、$b$、$c$ の $3$ 数がこの順で等比数列になっているということは、$b$ と $a$、$c$ と b$ の比が等しいということです。
つまり、$\displaystyle \frac{b}{a}=\frac{c}{b}$ が成り立ちます。
したがって、$b^2=ac$ という関係が得られます。
こんな当たり前の話にわざわざ名前をつけて、特別なもののように紹介している問題集が結構あります。
きちんとした説明を受けていなかったり、問題集中心で取り組んでいる人は、こうしたものを「覚えるもの」として認識しがちです。「○○のまとめ」なども同様ですね。
「結果的に覚えてしまうもの」というのはたくさんありますが、最初から暗記しなくてはいけない公式というものはほぼありません。
むしろ、その公式の成り立ちや背景をよく理解することが数学の勉強の骨となります。
中学生などによく見られる「解法や公式を覚えて使う」という勉強はほとんど何の勉強にもなりません。その証拠に、少しでも問題が難しくなると手も足も出ないという人が途端に増えてしまいます。こういう傾向は中学生の模試の結果を追いかけているとよく分かります。
「目の前のテストをとにかく乗り切りたい」というレベルの人にはそうした方法でもいいのかもしれませんが、貴重な時間を使って何をしているのかなあとおじさんは思ってしまいます。老害ですかね笑
もう少しだけじっくりと取り組んでみると、もっと広大な世界が見えてくると思うのですが、そこに触れることさえできない生徒が増えているという状況はちょっと悲しいなあと思っています。理解できないんだから覚えておけ!なんていうのはとんでもない指導だということに、指導者側が気が付かないと、この状況は改善されないのではないかと思います。
そんなわけで、至誠塾では数学と真摯に向き合いたい生徒さんを募集しております。分かるまでとことん考えてみるという経験が大切ですよ!