結果が返却されたみなさん、どうでしたか?
納得いく結果だった人もいれば、不本意な結果に悔しい思いをしている人もいるでしょう。
今回は、試験直後から「数学が難しかった」という声をちらほらと耳にしましたが、解説でも書いたように難しい問題はほぼありませんでした。
基礎力がある人であれば7割程度は得点できそうな内容の問題構成で、石川県総合模試にしては比較的マイルドな内容だったと思います。
実際に解いてみてみた感じでは、あまり面白い問題もなく(失礼)、問題集などで1回は触れるであろう標準的な内容の問題が多かったように思います。ただ、近年の中高生の数学力はかなり低下してきているので、このレベルでも平均は40点台になるだろうなあという予想をしていました。
が、悪い意味で予想を裏切られました。
では、今回の結果を見ておきましょう。(スクロールします)
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 5科目 |
59.1(16.86) | 43.8(18.71) | 50.6(19.21) | 43.2(19.01) | 34.5(14.48) | 230.5(76.95) |
括弧内の数字は標準偏差となります(標準偏差は値が大きいほどデータのばらつきが大きくなります)。
というわけで今回の数学の平均点は、衝撃的な34.5点という結果でした。
平均点が30点台となることは、これまでにも稀にあったのですが34点というと記憶にないです。
こういう結果には驚かなくなっていましたが、さすがにこの平均点には衝撃を受けました。
このブログでも中高生の数学力の低下については何度も指摘をしてきましたが、数学力の低下というよりも崩壊に近い感じの状況になってきています。
これまで、何年にも渡って指摘をしてきたこととして、問題集を繰り返しやって解法パターンの暗記で勝負するという非常に薄っぺらい勉強法が蔓延しているということがあります。
こうした勉強法自体は昔から存在していましたが、私の現役時代には「数学を諦めた人がとりあえず試験でそれなりの見栄えの点数にする」ための方法として認識されていたように思います。言い方は悪いですが「アホのための勉強法」であったと思うんです。それが今では、絶対的な勉強法として一部界隈でまことしやかに語られているのはかなり問題があるように感じます。
また、演習重視の塾が流行り出した時期と模試の数学の成績が加速度的に下落し始めた時期が重なるのも無関係ではない気がします。結局、演習とは名ばかりで、単にテキストの模範解答を一生懸命なぞるだけ(そして何も理解していない)という勉強になっている生徒さんが爆発的に増えたことも、数学力の低下に拍車をかけているように感じます。
と、あまり熱く語っているとだんだん愚痴っぽくなってしまうので、このあたりでやめておきましょう。
いずれにしても、まだ第1回の模試ですから、ここからしっかりと実力をつけていけばいいのです。点数が悪かったからといって絶望する必要はありません。地に足をつけて勉強していけばいいのです。分からないところまで思い切って戻って、もう一度理解を積み上げていけばいいのです。
そして、本当に数学の力をつけたいのであれば、面倒な問題や時間がかかる問題にじっくり取り組んで、あれこれと試行錯誤することが大切です。総合模試の問題はそういう勉強に打ってつけの問題が揃っています。なので、受験した人は全ての問題を理解できるまで徹底的に復習をしておきましょう。
また、最初に指摘したように「おかしな勉強法」に染まってしまっている人は、早めにそこから脱却して「理解を深めることを意識した勉強」に切り替えていきましょう。「どの問題集をやるか」とか「いつまでにやるか」とか、そういう話も気になるかもしれませんが、大事なのはそこではありません。日々の勉強で何を意識し、どういう目的で取り組んでいるかということの方がはるかに重要です。
今回の模試は、そうした勉強に対する姿勢を見直すにも良い機会であると思います。これまでのことを反省しつつ、入試に向けてじっくりと取り組んでいきましょう!