大問6は平面図形の問題だったのですが、これは非常に易しい問題でした。
与えられた条件を丁寧に辿っていくだけで解ける問題です。こういう問題が解けないというタイプの人は、数学の問題を解く上で当たり前のことができていないと言えるかもしれません。
というわけで、今回は下図のような直角二等辺三角形 $\mathrm{ABC}$ に関する問題です。点 $\mathrm{C}$ を通り辺 $\mathrm{AB}$ に平行な直線上に点 $\mathrm{D}$ が存在します。
(1)は、$\mathrm{AB=10}$、$\mathrm{CD=5}$ としたときの四角形 $\mathrm{ABCD}$ の面積を求める問題です。
これは与えられた条件の一つ、$\mathrm{AB//CD}$ から四角形 $\mathrm{ABCD}$ が台形であることから考えていきましょう。
$\mathrm{AB=10}$、$\mathrm{CD=5}$ が上底と下底になるため、高さは $\mathrm{AC}$ となります。$\triangle\mathrm{ABC}$ は直角二等辺三角形なので、当然 $\mathrm{AC=10}$ となります。よって求める面積は
$$\frac{1}{2}\times (10+5)\times 10=75$$
となります。
(2)は $\mathrm{AC}$ 上に $\mathrm{AE=CD}$ となるように点 $\mathrm{E}$ をとった場合、$\triangle\mathrm{ABE}\equiv\triangle\mathrm{CAD}$ を証明する問題でした。
まず、最初に与えられた条件から、$\mathrm{AB=AC}$ となります。また、$\mathrm{AB//CD}$ より、$\angle\mathrm{BAE}=\angle\mathrm{ACD}$(ともに直角となります)が分かります。あとは、ここで与えられる $\mathrm{AE=CD}$ から、$\triangle\mathrm{ABE}\equiv\triangle\mathrm{CAD}$ がすぐに言えます。
何かを考えるというよりは、条件を整理して分かることを書き出していくだけで証明ができてしまう問題でした。
(3)は(2)の設定にさらに $\mathrm{AB:CD=5:2}$ が加わります。このとき、(2)で証明した $\triangle\mathrm{ABE}\equiv\triangle\mathrm{CAD}$ も成り立っているため、同じ長さの線分を考えると
$$\mathrm{AC:AE=5:2}$$
となることが分かります。ということは、$\mathrm{AE:EC=2:3}$ となるということです。これが分かると、高さの等しい三角形を利用した面積比を考えていくことができます。
まずは、$\triangle\mathrm{ADE}$ についてですが、これは上図から分かるように、$\triangle\mathrm{CAD}$ の $\displaystyle \frac{2}{5}$ 倍となります。
つまり
$$\triangle\mathrm{ADE}=\frac{2}{5}\triangle\mathrm{CAD}$$
となります。さらに、下図を考えます。
$\mathrm{AE:EC=2:3}$ であることから、$\triangle\mathrm{BCE}$ は $\triangle\mathrm{ABE}$ の $\displaystyle \frac{3}{2}$ 倍となります。
したがって
$$\triangle\mathrm{BCE}=\frac{3}{2}\triangle\mathrm{ABE}$$
となります。また、$\triangle\mathrm{ABE}\equiv\triangle\mathrm{CAD}$(同じ面積となります) なので、結局
$$\triangle\mathrm{ADE}:\triangle\mathrm{BCE}=\frac{2}{5}:\frac{3}{2}$$
となります。これを簡単にして $4:15$ となります。