総合模試の関数をちょっとかじってみた

塾長
先日、第3回石川県総合模試が実施されましたが、至誠塾では第3回は任意での受験となっていることもあって解説記事は作りませんでした。が、解説記事はないのか?というメッセージをいただきましたので(笑)、ちょっとだけ作っておこうかなと思います。ちょっとだけよ!

というわけで、第1弾は大問3の関数の問題を取り上げてみようと思います。

題材は1次関数と図形の融合問題で、難易度はそれほど高くはなくいわゆる標準的な問題ですが、理解度の差がはっきりと表れる問題でした。

上図のように、2つの関数 $\displaystyle y=\frac{1}{3}x$ と $\displaystyle y=-\frac{2}{3}x+6$ のグラフが与えられており、点 $\mathrm{A}$ は2つのグラフの交点となります。そして、点 $\mathrm{P}$ は $x$ 座標が点 $\mathrm{A}$ の $x$ 座標より小さい部分を動く点となります。さらに、点 $\mathrm{P}$ を通り $x$ 軸に垂直な直線と関数 $\displaystyle y=\frac{1}{3}x$ のグラフとの交点が $\mathrm{Q}$ となります。また $\mathrm{PQRS}$ は長方形であり、$\mathrm{PQ=2PS}$ という条件が与えらています。

(1)は、点 $\mathrm{A}$ の座標を求めよという問題です。

交点というのは、両方の直線上に存在する点です。すなわち、$\displaystyle y=\frac{1}{3}x$ と $\displaystyle y=-\frac{2}{3}x+6$ という関係を同時に満たすような $x$、$y$ の値ということになります。これは言い換えれば、連立方程式

$$\begin{cases}\displaystyle y=\frac{1}{3}x\\\displaystyle y=-\frac{2}{3}x+6\end{cases}$$

の解に等しいことが分かります。したがって、この連立方程式を解いて、$(6,\ 2)$ となります。

塾長
まずは、こうした基本となる考え方を理解しておきましょう。

でも、連立方程式をわざわざ解くのは面倒だなあという人もいると思います(ここにいます)。

そういう場合には、直線の傾きに着目してみると少し違った考え方ができます。2つの直線の傾きは $\displaystyle \frac{1}{3}$ と $\displaystyle -\frac{2}{3}$ です。したがって、下図のような比が成り立ちます。

このことが理解できている人は、

数学が得意な生徒
$\displaystyle 6\times \frac{1}{3}=2$ で $y$ 座標が $2$ だから、$x$ 座標は $6$ だな!

とサクッと計算するはずです。

もちろん、最初のような連立方程式を解く方法でやっても問題はありませんが、いつまでもそこから話が深まらないようでは困ります。特に上位校を狙っているという人であれば、解けたからOKで終わらせるのではなく、もう少し違う角度から考えてみたり、なぜそう解くのかを考えてみてもらいたいなあと思います。

(2)は、$\mathrm{P}$ の $x$ 座標が $3$ のとき、2点 $\mathrm{Q}$、$\mathrm{S}$ を通る直線の式を求めよという問題です。

ますは、$\mathrm{P}$ の $x$ 座標が $3$ のとき $\mathrm{P}(3,\ 4)$ となります。また、$\mathrm{Q}$ の $x$ 座標も $3$ となるため $\mathrm{Q}(3,\ 1)$ となります。したがって、$\mathrm{PQ}=3$ となり($\mathrm{P}$ の $x$ 座標と等しくなります)、$\mathrm{PQ=2PS}$ より、$\mathrm{S}$ の $x$ 座標は $\displaystyle \frac{3}{2}$ と求まります。ということは $\displaystyle\mathrm{S}\left(\frac{3}{2},\ 4\right)$ となります。

以上から、2点 $\mathrm{Q}(3,\ 1)$、$\displaystyle\mathrm{S}\left(\frac{3}{2},\ 4\right)$ を通る直線の式を求めると

$$y=-2x+7$$

となります。おそらくこの方法が最も単純な解法かもしれませんが、非常に面倒です。

ここでも(1)と同様に傾きに着目すると、あっさりと解けてしまいます。実は $\mathrm{PQ=2PS}$ という条件から、すぐに $\mathrm{SQ}$ の傾きは $-2$ であると分かります。したがって、$\mathrm{Q}(3,\ 1)$ を通る傾き $-2$ の直線は $y=-2x+7$ と求められます。

塾長
なお、$\mathrm{Q}(3,\ 1)$ を通る傾き $-2$ の直線を求めるときに、$y=-2x+b$ として求める人がいますが、これもかなりダサいです。「本当に理解してる?」と疑いたくなります。本番では、暗算でサクッと求めましょう!

(3)は点 $\mathrm{S}$ が $y$ 軸上にあるときの長方形 $\mathrm{PQRS}$ の面積を求める問題です。

図に表すとこんな感じになります。すでに書き込んでありますが、線分 $\mathrm{PQ}$ の長さは、$\mathrm{P}$ の $y$ 座標から、$\mathrm{Q}$ の $y$ 座標を引いたもので、これは

$$-\frac{2}{3}x+6-\frac{1}{3}x=6-x$$

となります。したがって、$\mathrm{PQ=2PS}$ より $2x=6-x$ となり、これを解くと $x=2$ となります。したがって、求める面積は

$$2\times (6-2)=8$$

となります。

塾長
というわけで、今回は大問3の1次関数の問題を取り上げてみました!
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