現在、高校1年生は2次関数や三角比の話が終わって、確率のあたりを進んでいます。
確率はいろいろと面白い話があるのですが、記事にするのが大変(図が面倒)なのでなかなか取り上げる機会がありません。
そのうち気合いを入れて書こうかなと思いつつ5年ほど過ぎてしまっています笑
まあ、確率については気の向いたときに書くことにして、今日は2次関数の話をネタに少し大切な話をします。
夏の間に進研模試の結果が返ってきたよ〜という生徒が多かったようで、結果表や答案を見せてもらっていますが、評価できる点もあれば改善の必要な点もあり、まだまだ意識の改革が足りていないなと感じることが多かったです。
もっともっとしつこく伝えていかないといけませんね。
2次関数については、グラフを用いた2次方程式や不等式の問題が1つの分岐的になっているように感じますが、実際にはもっと根本的な部分で改善が必要なケースが多くみられます。
例えば「2次関数 $y=2x^2-4x+1$ の頂点の座標を求めよ」というごく基本的な問題について考えてみます。
ほとんどの人は、$y=2(x-1)^2-1$ と平方完成して、頂点の座標は $(1,\ -1)$ と考えるでしょう。
そこまでは、ある程度の勉強をしている人であれば到達できるラインです。
しかし、そこから1歩進んで「なぜ平方完成したら頂点の座標が求まるのか」と聞いてみると、正しく答えられる人はかなり減ってしまいます。
そして平行移動について突っ込んだ質問をすると、答えられる人はさらに減ってしまいます。
高校生の数学を指導していて問題に感じる部分の1つがこういうところです。
「なぜ平方完成したら頂点の座標が求まるのか」ということがよく分かっていなくても、頂点の求め方に従って操作を進めていけば頂点を正しく求めることが可能です。
そして、その操作を覚えることが数学の勉強だと勘違いしている人がかなりいるのです。
もちろん、頂点は求められているので一定の理解はあると言えますが、それは非常に浅い理解で終わっています。
表面的に問題を解くことができていても、それを支えている理論や体系の部分がまったく頭に入っていないという人がかなり増えています。
しかし、答えは出せているしテストの点数も取れているので、本人としては問題がないと勘違いしたまま勉強を進めていくことになります。
そして、少しずつ問題のレベルが上がっていき、あるラインを超えたところ(操作を辿るだけでは解けない問題)で突然数学ができなくなります。正しくは「数学の問題が全然解けない状態」になってしまいます。
実際には、最初から数学がほとんど理解できていない状態であったわけですが、それが遅れて表面化してきたという感じです。
どのあたりで表面化するかは人によるのですが、よく見られるのは高校2年生の夏あたりでしょうか。
こうなると、かなり最初に戻ってやり直す必要が出てきます。
ある程度問題を解くことができていた人の場合は、「なぜそれで求まるのか」「なぜそうするのか」といったことを1つ1つ点検していくことが大切です。
これをするにはかなりの時間がかかりますが、やらなければ最後まで誤魔化し続ける道しかありません(そして大抵はうまくいきません)。
そう思う気持ちは分かりますが、頑張ってきたものを無駄にしないためにもここは思い切ってやり直して欲しいと思います。
同じような状況に陥っている人はたくさんいます。とくに進学校ほどこうした生徒が多く潜在しているように感じます。
数年前から状況がどんどん酷くなってきていますが、数学を学ぶためにどういう勉強をするべきか、もう一度しっかりと考える必要があるのではないかと思います。
とうわけで、久しぶりに高校の数学について書いてみました。
どうも高校数学については愚痴っぽくなりがちです笑