数学については昨年同様やさしい問題が多かったのですが、やはり今年度は数学で苦戦している生徒さんが多いようです。
平均点は46点ということで、過去5年で見ても最低の平均点となっています。分布を見ても平均より上の層がかなり薄くなっています。
5年ほど前から数学力の低下の傾向はありましたが、今年度は総合模試などの結果を見てもかなり低調な成績となっています。
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 合計 |
47 | 54 | 45 | 51 | 46 | 245 |
また、数学よりもさらに状況が悪いのが英語です。
英語に関しては数年前に比べて明らかに変化が起こっています。苦手とかではなくはっきりと「英語が嫌い」という生徒が急増しました。
文法もままならない状態で複雑な英文を読まされる状況は、学習者からしたらたまったもんではないと思います。
話を数学に戻します。
※解説記事も書きました。たくさんの人に読んでいただき感謝しています。
塾長11月6日(水)に2024年度第1回金沢市統一テストが実施されました。金沢市統一テストは基礎を重視した良問で構成されることが多く、昨年度もかなり好みの問題が揃っていました。問題数が多いため時間が足りないと感じた人が多いか[…]
数学に関しては何年も前から指摘をしていますが、やはり小手先の勉強法というのが蔓延していることが学力低下に拍車をかけているように思います。定期テスト前にワークを繰り返しやって解き方を覚えるというような安直な勉強から脱却できない人があまりにも多いように思います。
入試に向けての勉強においても、入試対策用の問題集を繰り返しやって「解き方や公式を覚える」「知っている問題を増やす」という非常に幼稚な勉強に終始してしまっている人が増えています。
最近は面談をしていても「数学は解き方や公式を覚えてそれに当てはめるもの」と考えている方が想像以上に多くて、「一体、この国の数学教育はどうなってんのさ?」と思うことが増えました。
覚ええることは確かに必要なのですが、なぜそれが成り立つのか、なぜそのように考えられるのかといったところを全く触れずに、結果のみを覚えようという人が非常に多くいます。初歩の段階ではそれでも有効かもしれませんが、そのような表面的な理解では、問題が難しくなると、途端に何もできなくなってします。正直、そんな勉強をやっていってはいつまで経っても数学ができるようにはなりません。
こういうタイプの人は、そもそも数学の勉強ではない何かをやっている可能性が高いので、一度自分の勉強法を見直さなければなりません。結果についてあれこれ考える前に、まずはきちんとした「数学の勉強」をやってもらいたいなと思っています。
そして、毎年のことですが、統一テストの後に、合格ラインがどうしたこうしたという話が出回ります。そういう話が気になるのは理解できますが、合格した後のこともきちんと考えてください。高校受験におけるいい加減な指導や勉強は、高校進学後に取り返しがつかないレベルで悪影響を与えます。合格すれば何でもOKという考えの人もいるのかもしれませんが、高校生活を満喫するためにも、まずは正しい学習観を持つことが大切ではないかと考えます。
いずれにしても、最近の中学生を指導していて感じるのは「ちゃんとした勉強に矯正することができればまだまだ伸びる」可能性が高いということです。
入試本番まではまだまだ時間があります。本当に志望校合格を目指すのであれば、誤魔化さずに自分の勉強について突き詰めて考えて欲しいなあと思います。志望校の変更などを考えるのは現時点では時期尚早です。
中学3年生は、むしろこれから伸びていきます。周囲の声に惑わされず、自分はどうしたいのか、よく考えてみてくださいね!