年度末が近づくにつれて模試やテストが連続します。
結果に一喜一憂していてはいけないと分かっていても、偏差値や得点、志望校の判定が気になってしまうものです。
しかし、そうした数値をどれだけ気にしたところで、成績が上がるかどうかには全く関係がないのも事実です。
気にするべきは、普段やっている勉強の中身であることは疑いようがありません。
長年、指導をしてきて実感していることは、地道に基礎を積み重ねて理解を深めてきた人が、直前期に集中的に演習に取り組むと一気に成績が上がるということです。
逆に演習一辺倒で基礎がスカスカな人は、じわじわと成績が下がり続け、苦しくなってくる人が多いように感じます。
もちろん、中には圧倒的な量の力で乗り切る人もいますが、それは例外的なケースです。
そうしたことを避けるためには、日頃から量をこなすことを意識するのではなく、理解しているかどうかを意識することが大切です。
だからと言って、数をこなす必要がないという話ではありませんよ。理解を深めるためには相当量の学習が必要となるのは言うまでもありません。目的も持たずにただこなすことをだけをやるような勉強をしないで欲しいという話です。
そして、基礎的な理解を固めることが勉強においてはもっとも大切なこととなります。
ただし、このように基礎とか基礎的という単語を持ち出すと、勝手に「基礎=簡単」と読み替えてしまう人がいるのが困ったものです。
「もっと基礎をやる必要がありますか?」ということは、面談などでもよく聞かれますが、これに正直に答えると「基礎だけで十分です」となります。
しかし、その「基礎」は私が思っているものと保護者の方や生徒本人が思っているものと随分と異なります。
そうした齟齬をなくすために、取り組んで欲しい問題を厳選したり作ったりしてテキストにしてあります。
この時期は受験学年の生徒が気になる時期ですが、そうでない学年の生徒たちにこそ、日頃の勉強の積み重ねの大切さを伝えなくてはいけませんね。