「分からない」と言えること

気がつけばゴールデンウィークも終わり、カレンダーも5枚目に突入しました。
連休明けはいろいろとリズムが乱れてしまうことが多いので、規則正しい生活を心がけたいところです。とくに新高校1年生や新中学1年生は、環境が大きく変わって1ヶ月ちょっと、そろそろ疲れなども出てくる時期でしょう。
進学校の生徒の中には予習・復習・宿題をしっかりやるために、睡眠時間を削っている人もいるかもしれません。今はそれでも上手く回っているかもしれませんが、睡眠不足はやがて全てを破壊することになります。心当たりがある人は、連休明けから1日のスケジュールを見直してみることをオススメします。
塾でも、やはり高校1年生たちの様子が気になります。中学とは桁違いに要求される勉強量が増え、授業スピードについていけないという生徒も出てくる時期でしょう。
授業についていけなくなった生徒が絶対にやってはいけないことが1つあります。
分からないことをごまかす
何かよく分からないけど、この公式を使えばいいのか・・・
こんなことを考え始めたら終わりの始まりです。
また、問題集をやって解き方をなぞるといったような行為も危険な兆候です。
数学の勉強において「分からない」という状態は非常に大切な状態です。そこには理解を深めるための様々なヒントが隠されているのです。
そこを無視して「これはこうしておけばいい」というような表面的な操作の習得で終わらせてしまうのは非常にもったいないと言えます。
そもそもそれでは数学の勉強になっていません!
新しい概念の習得には時間がかかるものですし、たくさんの具体例に触れながら、抽象化されたものを自分の手で再構築するといったことも必要となってきます。
そんなことをのんびりやっていたらどんどん先に進んでしまう!
そんなこともあって、とりあえずテストの問題が解けるようにするために公式を暗記したり解き方を覚えたりといった短絡的な勉強に突っ走る人が増えていきます。
その延長線上にあるのが、問題集の周回や大量演習なのでしょう。
「分からないこと」に向き合って徹底的に考えることを放棄しているようでは、数学を理解することは不可能です。
にもかかわらず、自分からどんどんできなくなる方へと進んでいる人が多いということです。
テストの点数や成績が気になる気持ちはよく分かりますが、それよりもまず自分自身の理解というものについて考えてもらいたいと思っています。
今日の内容、全然分からなかったんですけど・・・
こんな風に正直に言ってきてくれる生徒は、最初はあまり成績が良くなくても、徐々に伸びていく生徒が多いのです。
しかし、そういう生徒に限って「自分は数学が苦手だから」と思い込んでいたりするものです。
なんともったいない!
また、もう1つ気をつけてほしいことがあります。それは
自分の理解に不安がある場合には必ず先生に質問する
という習慣をつけておいて欲しいということです。
生徒の理解度を知る上で、一番わかりやすい方法がこの「質問」なのです。
もちろん、テストでも理解度を見ることはできますが、本当に細かい部分の理解については、1対1であれこれ確認するのが手っ取り早くかつ正確でしょう。
分かっていないことを明確にし、どうやって理解を深めるか、しっかりとプロのアドバイスを受けるのがいちばんでしょう。
当たり前ですが、素人判断は危険です!
高校の数学は抽象度が高くなるため、簡単に理解できる内容というのはどんどん少なくなっていきます。
分からないことを「分かっていない」と認識し、とりあえず保留して先へ進むのであれば問題はありません。
しかし、前述したような「何か分からないけどこれをやればいい」といった雑な理解で終わらせてしまうことは絶対に避けるべきです。
そろそろ定期テストがやってきますが、自分の勉強について、もう一度見直してみてもらいたいなあと思います。
この時期であれば、まだまだ修正可能です!