2026年度第1回石川県総合模試の数学を解いてみた

今年も石川県総合模試がスタートしました。受験勉強の始まりという感じで気が引き締まりますね!
7月5日(日)に2026年度第1回石川県総合模試が実施されました。
石川県総合模試は、県内の受験生の多くが受験する最大規模の模試で、実際の入試における自分の現在地を確認する絶好の機会となります。受験生の皆さんは、積極的に受験してほしいと思います。
今年も、数学の解説記事をぼちぼちやっていく予定なので、復習の際などに役立てていただけたらいいなと思っております。
概観
大問数 7問
小問数 23問
各大問の出題内容と難易度
| 大問1 | 小問集合 | 易 |
| 大問2 | 規則性 | 易 |
| 大問3 | 一次関数 | 標準 |
| 大問4 | 方程式 | 標準 |
| 大問5 | 作図 | 易 |
| 大問6 | 平面図形(平行四辺形) | 標準 |
| 大問7 | 空間図形(正四角錐) | 標準 |
問題の構成や難易度は、ほぼ石川県公立高校入試と同等のものとなります。毎年、模試のあとで「時間が足りなかった」という声を聞きます。
最初なので、時間配分などもまだまだ考えられない人が多いので仕方ない部分ですが、ここで「早く解かないといけない」と考えて、雑な勉強にならないように気をつけて欲しいところです。基礎が固まれば自然と解くスピードは上がっていきます。
難易度についてですが、第1回ということもあって極端に難しい問題はありませんでした。しかし、図形を題材にした問題が多かったので、図形に苦手意識がある人は苦戦したかもしれません。
大問1〜5は、しっかり準備している人であれば得点しやすい問題が多かったと思います。一方で、大問6(3)と大問7(3)は、少し考え方を整理しないと手が止まりやすい問題でした。
上位校を目指す人は、大問6(3)、大問7(3)まで取り切りたいところです。
数学が苦手な人は、まず前半の大問1〜4で失点を減らすことを今後の目標としましょう。
全体の難易度 標準
問題の解説
ここからは大問ごとに詳しくみていきましょう。問題を用意してご覧ください。
大問1 小問集合
内 容 計算、反比例、多角形、確率
難易度 易
大問1は、基本事項の確認です。ここはできるだけ満点を狙いたいところです。
計算問題では、符号の処理、文字式の展開、単項式の乗除、分数式の通分が出ています。どれも標準的ですが、こういうところで1問落とすと、後半で取り返すのが大変になります。
計算については、一般的に途中式をしっかりと書いて丁寧にやりましょうというアドバイスが多いのですが、指導経験上、丁寧に計算する方がミスが起こりやすいと感じています。できるだけ暗算をすること、工夫して計算量を減らすことを常に意識してください。
この時期では、オの通分の問題の正答率が低いので、符号の扱いに気をつけましょう。
$\dfrac{3x-2y}{4}-\dfrac{x-y}{3}=\dfrac{3(3x-2y)-4(x-y)}{12}$ のように考えられていればOKです。たまに等式と勘違いして分母を払っている人を見かけるので気をつけてください。
(2)はそのまま代入して $(-2)^2-3(-2)=4+6=10$ となります。
(3)の反比例の問題は、$y=\dfrac{a}{x}$ とする人も多いようですが、個人的には $xy=a$ という関係を考えて欲しいところです。わざわざ $a$ を求めなくても暗算で $y=6$ が求められるでしょう。
(4)の多角形の問題は、ちょっと面倒だと感じた人もいたかもしれません。どれもそれっぽいのですが、正十二角形の対角線の本数がポイントでした。正 $n$ 角形1つの頂点から引ける対角線の本数は、頂点の総数から「自分自身」と「両隣の2点」を除くので、$n-3$ 本になります。正十二角形なら $12-3=9$ 本です。
(5)の確率は、3枚の硬貨を同時に投げる問題です。これは表に書き出して整理すると良いでしょう。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 表 | 表 | 表 |
| 表 | 表 | 裏 |
| 表 | 裏 | 表 |
| 表 | 裏 | 裏 |
| 裏 | 表 | 表 |
| 裏 | 表 | 裏 |
| 裏 | 裏 | 表 |
| 裏 | 裏 | 裏 |
したがって、確率は $\dfrac{3}{8}$ です。
計算でやるとしたら、全部で $2^3=8$ 通りのうち、裏がAのみ、Bのみ、Cのみの3通りあるから、と考えてもOKです。
大問1は、どのレベルの人も満点を目指していきましょう。
大問2 規則性
内 容 規則性
難易度 易
マッチ棒を並べて図形を作っていく典型的な問題でした。
まずは与えられた具体例を見て、1番目、2番目、3番目に必要なマッチ棒の本数を確認しましょう。
それぞれ、3本、5本、7本です。
ここから、図形が1つ増えるごとに、マッチ棒が2本ずつ増えるという規則が分かります。
最初の本数に2を何回加えるかという視点で考えてみましょう。
| マッチの本数 | 2を加えた回数 | |
|---|---|---|
| 1番目 | 3 | 0 |
| 2番目 | 5 | 1 |
| 3番目 | 7 | 2 |
| … | … | … |
| $n$ 番目 | $n-1$ |
1番目は0回、2番目は1回、3番目は2回となるので、$n$ 番目では $n-1$ 回となります。
したがって、10番目に必要なマッチ棒の本数は、
$$3+2(10-1)=21$$
となります。
ざっくりと、マッチの本数は奇数なので $2n-1$ くらいに表しておいて、$n=1$ で $3$ となるように定数部分を調節して、$2n+1$ と表せるから、$20+1=21$ のようにしてもOKです。こうした考え方に慣れていれば、問題を見て $2n+1$ とすぐにわかります。
(2)では、$m$ 番目に必要な本数を $P$ 本、$n$ 番目に必要な本数を $Q$ 本としています。(1)の結果を利用して
$m$ 番目の本数は、$P=2m+1$、$n$ 番目の本数は、$Q=2n+1$ となります。
条件より、$P+Q=16$ なので、
$$(2m+1)+(2n+1)=16$$
となります。整理すると、
$$m+n=7$$
となります。
さらに $m<n$ なので、条件を満たす自然数の組は、
$$(m,\ n)=(1,\ 6),\ (2,\ 5),\ (3,\ 4)$$
の3通りとなります。
規則性の問題では、最初から公式を作ろうとする人が多いのですが、まずは1番目、2番目、3番目…と具体例を書き出して観察することが大切です。
大問3 1次関数(復習おすすめNo.2)
内 容 1次関数(図形との融合問題)
難易度 標準
大問3は、1次関数のグラフと三角形の面積を組み合わせた融合問題でした。

与えられている直線は、①が $y=-x+6$、②が $y=\dfrac{1}{2}x-12$ です。
(1)は、$y=-x+6$ について正しい説明を選ぶ問題です。あまり見かけない形式ですが、内容は非常に簡単でした。これはすぐに、ウの切片は6である、を選んでほしいところです。
(2)では、点$A$の座標を求めます。点$A$は2直線の交点なので、2直線の式を連立して解きます。
$y$ を消去して、$-x+6=\dfrac{1}{2}x-12$
これを解くと、$x=12$ となります。これを $y=-x+6$ に代入して $y=-6$ が得られます。
したがって、$A$の座標は $(12,\ -6)$ となります。
(3)は、面積の条件から点$P$の座標を求める問題です。

$\triangle ABP$の面積が$\triangle APC$の面積の2倍になるというのが条件です。
ここで大切なのは、面積を計算しようとしないことです。$\triangle ABP$と$\triangle APC$の面積は、どちらも底辺を $y$ 軸上にとると、点$A$から $y$ 軸までの距離が共通の高さになります。
つまり、面積比は底辺の長さの比で考えることができます。
言い換えると、$BP:PC=2:1$となるということです。
ここで、$B(0,\ 6)$、$C(0,\ -12)$より、$P(0,\ p)$とおくと
\begin{align*}
BP=6-p,\quad PC=p+12
\end{align*}
と表せます。
よって、$6-p=2(p+12)$ で、これを解くと $p=-6$ となります。
したがって、$P(0,\ -6)$ です。
この問題は、座標を使って面積を全部計算しても解けます。しかし、底辺を $y$ 軸上にそろえて見ると、高さが共通になるため、面積比を線分比で考えられます。この考え方は入試でも頻出なので、しっかり復習しておきましょう。
大問4 方程式
内容 方程式(三角形と動点)
難易度 標準
大問4は、正三角形の辺上を動く点$P$と点$Q$の問題です。
1辺18cmの正三角形$ABC$があります。点$P$は毎秒9cmで、$A$から出発して、$B$、$C$の順に通り、$A$まで動きます。点$Q$は毎秒3cmで、$B$から$C$まで動きます。
(1)では、点$Q$が$C$に着いたときの$PQ$の距離を求めます。
点$Q$が$C$に着くまでの時間は6秒です。
この6秒間で、点$P$は、$9×6=54$ cm進みます。
正三角形$ABC$の周の長さは、$18×3=54$ cmなので、6秒後、点$P$はちょうど1周して$A$に戻っています。一方、点$Q$は$C$にいます。

したがって、$PQ=AC=18$ です。
(2)では、点$P$が点$Q$に追いつくまでの時間を求めます。
点$P$は最初から辺$BC$上にいるわけではありません。まず、$P$が$A$から$B$まで進む時間を確認します。
$P$が$A$から$B$まで進むのにかかる時間は2秒です。その後、$P$は辺$BC$上で$Q$を追いかけることになります。
出発してから $x$ 秒後に追いつくとします。
そのとき、$B$から$Q$までの距離は $3x$ です。
一方、$P$は最初に$AB$を18cm進んでから$BC$上に入るので、$B$から$P$までの距離は、$9x-18$ です。

追いつくとき、この2つの距離が等しいので、$9x-18=3x$
これを解くと、$x=3$ となります。
したがって、点$P$が点$Q$に追いつくのは、出発してから3秒後です。
動点の問題では、「何秒後にどこにいるのか」を図で確認することが大切です。式だけで処理しようとすると、どの辺上にいるのかを見落としやすくなります。
大問5 作図
内 容 作図(角の二等分線、垂線)
難易度 易
大問5は作図の問題でした。
条件は、$\angle\mathrm{ABP}=\angle\mathrm{CBP}$ と $\mathrm{BC}\perp\mathrm{CP}$ です。
まず、$\angle\mathrm{ABP}=\angle\mathrm{CBP}$ という条件から、点 $\mathrm{P}$ は $\angle\mathrm{ABC}$ の二等分線上にあることが分かります。
次に、$\mathrm{BC}\perp\mathrm{CP}$ という条件から、点 $\mathrm{P}$ は点 $\mathrm{C}$ を通る $\mathrm{BC}$ への垂線上にあることが分かります。
したがって、$\angle\mathrm{ABC}$ の二等分線と点 $\mathrm{C}$ を通る $\mathrm{BC}$ への垂線の交点が、求める点 $\mathrm{P}$ です。
大問6 平面図形(復習おすすめNo.1)
内 容 平面図形(平行四辺形、二等辺三角形、合同、周の長さ)
難易度 標準
大問6は、平行四辺形を使った図形問題です。
前半は角度と合同の基本ですが、最後の(3)は少し差がつきそうです。ポイントは、(2)で証明した合同をそのまま使うことです。
まず(1)から見ていきましょう。図1では平行四辺形 $\mathrm{ABCD}$ があり、点 $\mathrm{E}$ は辺 $\mathrm{BC}$ 上にあります。

平行四辺形では、向かい合う角の大きさが等しいので、
$$\angle\mathrm{ABC}=\angle\mathrm{ADC}=67^\circ$$
です。
点 $\mathrm{E}$ は辺 $\mathrm{BC}$ 上にあるので、$\angle\mathrm{ABE}=67^\circ$ となります。
また、条件より $\mathrm{AB=AE}$ なので、三角形 $\mathrm{ABE}$ は二等辺三角形です。
したがって、$\angle\mathrm{ABE}=\angle\mathrm{BEA}=67^\circ$ です。
よって、$\angle\mathrm{BAE}=180^\circ-67^\circ-67^\circ=46^\circ$ となります。
(2)では、三角形 $\mathrm{ABF}$ と三角形 $\mathrm{CDG}$ が合同であることを証明します。

平行四辺形 $\mathrm{ABCD}$ より、$\mathrm{AB=CD}$ です。
また、問題の条件より、$\mathrm{BF=DG}$ です。
さらに、$\mathrm{AB//CD}$ であり、$\mathrm{BF}$ と $\mathrm{DG}$ はどちらも対角線 $\mathrm{BD}$ 上にあります。
したがって、錯角が等しいので、$\angle\mathrm{ABF}=\angle\mathrm{CDG}$ です。

以上より、2辺とその間の角がそれぞれ等しいので、$\triangle\mathrm{ABF}\equiv\triangle\mathrm{CDG}$ となります。
(3)は今回の中でも少し差がつく問題でした。

(2)より、$\triangle\mathrm{ABF}\equiv\triangle\mathrm{CDG}$ なので、対応する辺より、$\mathrm{AF=CG}$ が分かります。
また、$\mathrm{BD=14}$cm、$\mathrm{BF=5}$cm、$\mathrm{DG=5}$cmなので、
$$\mathrm{FG}=14-5-5=4$$
です。

四角形 $\mathrm{FECG}$ の周の長さが $a$ cm なので、$\mathrm{FE+EC+CG+FG}=a$ です。
ここで $\mathrm{FG=4}$ だから、$\mathrm{FE+EC+CG}=a-4$ となります。
また、$\mathrm{AF=CG}$ なので、$\mathrm{AE=AF+FE=CG+FE}$ です。
したがって、$\mathrm{AE+EC=CG+FE+EC}=a-4$ となります。
さらに、四角形 $\mathrm{AECH}$ は平行四辺形になるので、$\mathrm{AE=CH}$、$\mathrm{EC=AH}$ です。
よって、四角形 $\mathrm{AECH}$ の周の長さは、
$$\mathrm{AE+EC+CH+HA=2(AE+EC)}$$
となります。先ほど $\mathrm{AE+EC}=a-4$ と分かっているので、$2(a-4)=2a-8$ です。
したがって、答えは、$2a-8$cmとなります。
この問題は、最後だけを見て考えるとかなり難しく感じます。しかし、(2)で証明した合同から $\mathrm{AF=CG}$ が出て、さらに $\mathrm{FG=4}$ が分かると、周の長さの差が見えてきます。
前の設問の設定を引き継ぐ場合、前の設問が次の設問のヒントになっていることが多いです。(2)の証明を「証明して終わり」にせず、そこから何が使えるかを考えることが大切です。
大問7 空間図形(復習おすすめNo.3)
内 容 空間図形(ねじれの位置、表面積、体積比)
難易度 標準
大問7は、正四角錐の問題です。

空間図形ですが、(2)、(3)は平面に落として考えるとかなり見通しがよくなります。
(1)のねじれの位置にある辺の問題はとくに解説は不要でしょう。
辺OBと交わらず、平行でもなく、同じ平面上にもない辺は、$\mathrm{AD}$、$\mathrm{CD}$ です。
ねじれの位置は、「交わらない」だけでは不十分です。同じ平面上にないことも必要です。立体図形では、まず共有している頂点がある辺を除いて考えると分かりやすくなります。
(2)は表面積を考える問題でした。点 $\mathrm{M}$ は辺 $\mathrm{BC}$ の中点で、$\mathrm{OM=4}$cm です。正四角錐なので、側面の三角形はすべて合同です。側面1枚、たとえば三角形 $\mathrm{OBC}$ を考えます。

底面の1辺は6cmなので、三角形 $\mathrm{OBC}$ の底辺は6cmです。また、高さは $\mathrm{OM}$ の4cmです。
したがって、側面1枚の面積は、
$$\dfrac{1}{2}\times 6\times 4=12$$
です。
側面は4枚あるので、側面積は、$12\times 4=48$ です。
底面は1辺6cmの正方形なので、底面積は、$6\times 6=36$ です。
よって、表面積は、$48+36=84$ となります。
(3)は、三角錐 $\mathrm{O-MDE}$ の体積が正四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ の体積の $\dfrac{1}{6}$ になるとき、線分 $\mathrm{DE}$ の長さを求める問題です。

この問題は、立体のまま考えるよりも、底面を上から見た図で考える方がかなり楽です。
三角錐 $\mathrm{O-MDE}$ と正四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ は、どちらも頂点 $\mathrm{O}$ をもつ立体です。
また、底面である三角形 $\mathrm{MDE}$ と正方形 $\mathrm{ABCD}$ は同じ平面上にあります。つまり、高さが共通です。
したがって、体積比は底面積比で考えることができます。

三角錐 $\mathrm{O-MDE}$ の体積が正四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ の体積の $\dfrac{1}{6}$ なので、三角形 $\mathrm{MDE}$ の面積も、正方形 $\mathrm{ABCD}$ の面積の $\dfrac{1}{6}$ です。
正方形 $\mathrm{ABCD}$ の面積は、$6\times 6=36$ です。
したがって、$\triangle\mathrm{MDE}=36\times \dfrac{1}{6}=6$ となります。
ここで、$\triangle\mathrm{MDE}$ の底辺を $\mathrm{DE}$ と見ると、高さは $\mathrm{M}$ から辺 $\mathrm{CD}$ までの距離、つまり $\mathrm{MC}=3$cm です。
したがって、
$$\dfrac{1}{2}\times \mathrm{DE}\times 3=6$$
より、$\mathrm{DE}=4$cmとなります。
空間図形の体積比ですが、今回は高さが共通なので、底面積だけを考えれば十分です。立体のまま考え続けるより、底面の図に直す方が簡単です。
まとめ
今回の第1回石川県総合模試の数学は、全体として標準的な難易度でした。
ただし、標準的な問題だからこそ、基本問題での失点が大きく響きます。大問1〜5をどれだけ安定して取れるかが、まず大切です。
そのうえで、大問6、大問7の後半では、図を見て必要な部分を抜き出す力が問われています。
大問7(3)では、空間図形をそのまま考え続けるのではなく、体積比を底面積比に置き換えることがポイントでした。立体図形が苦手な人ほど、平面図に直せる部分がないかを考えてみるとよいでしょう。
第1回の模試は、今後の学習の基準になります。点数だけを見て一喜一憂するのではなく、どの分野でミスをしたのか、図を使って考えられていたのか、式を立てる前に状況を整理できていたのかを確認しておきましょう。


