塾長メッセージ
入試が終わったあとにも、残るものを
勉強は、入試のためにも必要です。
けれど、入試が終わったあとに何も残らないような勉強にはしたくない。
私は、ずっとそんな思いで生徒たちと向き合ってきました。
数学は、解き方を覚えて処理するだけの教科ではありません。
分からない問題の前で立ち止まり、ああでもない、こうでもないと考える。
その時間の中にこそ、数学を学ぶ面白さがあると思っています。
はじめまして。
至誠塾の塾長、白根育大です。
私は山口県宇部市で生まれ育ち、金沢大学への進学を機にこの街へやってきました。気がつけば、金沢で過ごした時間の方がずいぶん長くなりました。
私は、勉強というものは、ただ点数を取るためだけのものではないと思っています。
もちろん、入試で結果を出すことは大切です。定期テストや模試で成果を出すことも、志望校に合格することも、生徒にとって大きな意味があります。
ただ、昔からずっと引っかかっていることがあります。
入試が終わったあとに、何も残らないような勉強で本当にいいのだろうか。
問題集を何周もしたり、解き方をひたすら覚えたり、テストに出そうな問題を繰り返し練習したり。そういう勉強が必要な場面もあるでしょう。受験である以上、演習を避けて通ることはできません。
でも、それだけで終わってしまう勉強には、どうしても寂しさを感じます。テストが終われば忘れてしまう。少し問題の形が変わっただけで手が止まってしまう。問題は解けているように見えても、なぜそうなるのかは分かっていない。そういう勉強を続けていても、その子の中にほとんど何も残らないのではないか。私は、そこにずっと違和感を持ってきました。
考えることは、本来おもしろい
数学は、苦行のように問題をこなし続けるだけの教科ではありません。本来、数学には「考えることのおもしろさ」があります。
式をじっと見ているうちに、ふと見え方が変わることがあります。図形の中に、思いがけない関係が見えてくることがあります。分からなかったことが、自分の中で一本の線につながることもあります。
もちろん、毎回そんなにきれいに分かるわけではありません。むしろ、分からない時間の方が圧倒的に長いかもしれません。それでも、ああでもない、こうでもないと考え、自分なりに試してみて、うまくいかなかった理由を考える。もう一度問題を見直して、別の見方を探してみる。そうした時間の中に、数学を学ぶ面白さがあります。
大量の問題を解いて、解き方を覚えることだけでは、この面白さにはなかなか触れられません。良い問題に腰を据えて取り組み、分からないところで立ち止まり、少し深く考えてみる。
そういう経験が、数学の力を育てていくのだと思います。
点数を取るためだけの勉強で終わらせたくない
誤解のないように言うと、点数を軽く見ているわけではありません。
テストで結果を出すことも、志望校に合格することも、当然大切です。生徒にとっても、保護者の方にとっても、そこに向けて努力する意味はとても大きいものです。
ただ、点数を取るためだからといって、考えることを省いてよいとは思っていません。
解き方だけを覚える勉強は、一見すると近道に見えます。しかし、その近道ばかりを選んでいると、いつか自分で考えなければならない場面に出会ったとき、何もできなくなってしまいます。
見たことのない問題に出会ったとき、条件が複雑になったとき、自分で判断し、方針を立てなければならないとき。そのときに支えになるのは、覚えた解法の数だけではありません。
これまでどれだけ自分の頭で考えてきたか。分からないものに向き合ってきたか。納得するまで考えようとしてきたか。
結局は、そういう経験だと思います。
だから私は、入試に必要な力をつけながらも、入試が終わったあとにも残る学びを大切にしたいと考えています。
変わり続ける時代の中で
今の子どもたちが生きていく社会は、私たちが学生だったころよりも、ずっと変化が速くなっています。
新しい技術が生まれ、働き方も変わり、必要とされる力も変わっていく。入試制度や学校で学ぶ内容も、これからさらに変わっていくでしょう。
そういう時代だからこそ、目先のテクニックだけに流されず、地に足をつけて学ぶことが大切だと思っています。
分からないことに出会ったときに、まず自分で考えてみること。表面的な答えだけでなく、本質を見ようとすること。うまくいかなかったときに、何が違っていたのかを振り返ること。そして、必要なことを自分で学び続けていくこと。
そうした力は、時代が変わっても簡単には古くなりません。
数学を通して身につけてほしいのは、数学の問題を解く力だけではありません。自分で考え、自分で学び、自分の理解を少しずつ深めていくための技術です。
それは、入試のあとにも、みなさんの中に残って、苦しいときに助けてくれるものになるはずです。
至誠塾が、そんな学びの場であれたらと思っています。
至誠塾
塾長 白根 育大

