【2024年度】第2回金沢市統一テストの数学を解いてみた【塾生必読】

塾長
1月8日(水)に2024年度の第2回金沢市統一テストが実施されました。第1回は易しめの問題が多かったので、もう少し難しくなるかと思いましたが、さらに易しくなって再登場!みたいな感じでした。近年の中学生の数学力の低下を考えると致し方ない部分もありますが、少し寂しいですね。

第2回金沢市統一テスト 2024年度(数学)

第1回の統一テストは易しめの問題が多かったのですが平均点は46点と思ったほど上がりませんでした。3年ほど前から中学生の数学の学力が急速に落ちてきている感じがしますが、その傾向はずっと続いているようです。今回も第1回より易しい問題が多かったと思いますが、それでも平均点はあまり上がらないように感じます。

概観とアドバイス

金沢市統一テストは大問数が8問と多めの構成ですが、そこまで手がかかる問題は少ないので、時間内に解き切れたという人が多かったでしょう。

正直なところ、解説記事は必要ないかなと感じますが、毎年の恒例行事的な意味でやっておこうと思います。

本番の公立高校入試ではもう少し難しい問題が出題される可能性が高いですが、その対策として難しい問題をたくさんやっておけばいいというわけではありません。それよりも、統一テストのような易しめの問題をきちんと理解しておくことが大切です。答えが合っていたからOKで終わらせるのではなく、もっと違った考え方はできないか、どうしてそのように考えられるのか、そうしたところまで復習しておいてもらいたいです。

なお、今回できなかった問題は、原因の分析を徹底的にやることが大切です。この時期であれば基礎の部分はある程度完成しているはずなので、どこかに理解不足なところが残っていないか、よ〜くチェックしてみて下さいね。

問題レベル的には泉丘・附属などの上位校を狙っている人は9割前後は取っておきたいところです。また、満点の人もかなりいると思われます。ただし、採点が少し辛め(よく分からない減点があります)なため、満点を取らせたくないのかな?と思うところがあります。いずれにしても、今年度の中3生の成績的には、このくらいのレベルでもそこそこの平均点に落ち着きそうです。

問題の難易度は易としたいところですが、やや易にとどめておきます。

全体的な難易度 やや易

大問1・小問集合

難易度 

今回の大問1は簡単な問題ばかりで構成されていたので、確実に満点を取りたいところです。

(1)の計算はどれもほぼ暗算で計算できる問題でした。例年、エやオでミスをしてしまう人が少なからずいるため、計算は本番までに確実に仕上げておきましょう。

(2)はいきなり代入して計算し始める人がいますが、そういう人は計算ミスをしがちな人なので要注意です。

$x^2-y^2=(x+y)(x-y)$ であり、$x+y$ や $x-y$ も暗算で計算できるので、(2)自体を暗算で終わらせるようになればOKです。

(3)は反比例の問題ですが、$\displaystyle y=\frac{a}{x}$ と式を立てて代入した人が多かったと思います。しかし、反比例がどういうものかを理解していれば、$-3\times 4=-12$ から $\displaystyle y=-\frac{12}{x}$ と一発で答えが出せるはずです。

塾長
理解度の違いはこのようなちょっとした扱いの部分に表れます。出来ているから大丈夫!と言うのは早計ですよ!

(4)は $\mathrm{BC}$ が円 $\mathrm{O}$ の直径であること、また $\mathrm{AD//BC}$ から下図のように三角形 $\mathrm{ABC}$ の内角の和に話を持っていけたらOKです。

(5)は四分位範囲を求める問題ですがデータが奇数個であり、さらに見やすい形で並んでいたので、ちょっと数えたらできたと思います。

塾長
大問1は手際良くやれば、3分もかからずに終わったのではないかと思います。必ずしも計算スピードを上げる必要はありませんが、無駄な計算をダラダラとやるのは避けたいですね。

 

大問2・確率(復習おすすめNo.1)

難易度 標準

確率の問題は、個人的に非常に良い問題だなと思いました。今回の問題の中ではいちばん復習をしてもらいたい問題です。

2の数字が書かれた球が2個、3の数字が書かれた球が1個、5と数字が書かれた球が2個入った袋から、球を取り出すときの確率を考える問題です。

ここで気をつけたいのは、どの球を取り出すことも同様に確からしいということです。数字のみに着目してしまうと失敗の元となります。

確率を考える場合は、同様に確からしいことが保証されていなければなりません。例えば(1)のように「球を1つ取り出すときの奇数が出る確率」を求める問題で、2、3、5という数字のみを考えると、3パターンのうち2つだから $\displaystyle\frac{2}{3}$ のように考えてしまう人がいます。しかし、2、3、5の数字が出る確率は等しくない(同様に確からしくない)ため(明らかに2と5の方が出やすいです)、これを用いて確率を考えることはできません。

塾長
こんな単純な問題でも間違える人がいるので、条件が複雑になるとうっかりやってしまう人が結構いるのです。

ここでは、2、2、3、5、5を1つ1つ区別して考えていかなければならないというのが最初のポイントです。そこで、$2_1$、$2_2$、$3$、$5_1$、$5_2$ として区別することにします。

(1)では、$2_1$、$2_2$、$3$、$5_1$、$5_2$ のうちから1つを取り出したときにその数が奇数である確率ですから、簡単ですね。

$$\frac{3}{5}$$

となります。

(2)は最初にAが1つ取り出した後に球を戻さずにBが1つ取り出すという試行です。このとき2人が同じ球を取り出す確率を揉める問題です。

まずは、全部で何通りの取り出し方があるか確認しましょう。基本は全部書き出してみるですよ!(Aの取り出す球、Bの取り出す球)のようにして書き出してみましょう。

$\boldsymbol{(2_1,\ 2_2)}$$(2_1,\ 3)$$(2_1,\ 5_1)$$(2_1,\ 5_2)$
$\boldsymbol{(2_2,\ 2_1)}$$(2_2,\ 3)$$(2_2,\ 5_1)$$(2_2,\ 5_2)$
$( 3,\ 2_1)$$(3,\ 2_2)$$(3,\ 5_1)$$(3,\ 5_2)$
$(5_1,\ 2_1)$$(5_1,\ 2_2)$$(5_1,\ 3)$$\boldsymbol{(5_1,\ 5_2)}$
$(5_2,\ 2_1)$$(5_2,\ 2_2)$$(5_2,\ 3)$$\boldsymbol{(5_2,\ 5_1)}$

の全部で20通りになります。このうち、同数になるものは太字の4通りとなるので、求める確率は

$$\frac{4}{20}=\frac{1}{5}$$

となります。

塾長
ちなみに、(3)よりも(2)を記述させる問題にして欲しかったなあというのが率直な感想です。

(3)は、直観的に勝ちやすさは同じだと感じる人もいたと思いますが、解答欄の大きさ的にどう説明するか困った人が多かったのではないかと思います。大問4の方程式の解答欄は小さくて問題ないので、この問題の解答欄をちゃんと取ってもらいたかったですね。

問題としては、「袋からAが2個取り出し残りの3個をBが取り出す」という試行で「Aの球の数の積とBの球の数の和を比べて大きい方が勝ち」というものでした。この場合のAとBが勝つ確率がどうなるかを答えます。

これも、全部書き出していくのが良いでしょう。

Aの取り出す球Bの取り出す球勝者
$2_1$と$2_2$$4$$3$、$5_1$、$5_2$$13$B
$2_1$と$3$$6$$2_2$、$5_1$、$5_2$$12$B
$2_1$と$5_1$$10$$2_2$、$3$、$5_2$$10$引き分け
$2_1$と$5_2$$10$$2_2$、$3$、$5_1$$10$引き分け
$2_2$と$3$$6$$2_1$、$5_1$、$5_2$$12$B
$2_2$と$5_1$$10$$2_1$、$3$、$5_2$$10$引き分け
$2_2$と$5_2$$10$$2_1$、$3$、$5_1$$10$引き分け
$3$と$5_1$$15$$2_1$、$2_2$、$5_2$$9$A
$3$と$5_2$$15$$2_1$、$2_2$、$5_1$$9$A
$5_1$と$5_2$$25$$2_1$、$2_2$、$3$$7$A

どちらも勝つ確率は $\displaystyle \frac{3}{10}$ であるため、勝ちやすやは同じであることが分かります。

塾長
下手に計算しようとするとドツボに嵌りそうな問題でした。基本に忠実に、同様に確からしいことを意識しながらすべて書き出していこうという姿勢が大切です。

 

大問3・関数

難易度 

大問3は関数の問題でした。いわゆるダイヤグラムの問題で、バスの運行の様子と歩くAさんについての問題でした。

塾長
この問題、ちゃんと理解している人であれば30秒ほどで解きます。

こんな感じで、バスの運行の様子が与えられています。Oの地点がT駅、2400の地点がP遊園地となります。10時 $x$ 分におけるTからの道のりを $y,\ \mathrm{m}$ とします。

(1)はバスの分速を求める問題です。10分で2400m進むので、分速は240mとなります。これは、計算不要で求まりますね。

(2)は10時6分にAさんがT駅を出発して分速80mでP遊園地に向かいます。その際、P遊園地に向かうバスに追い抜かれる時刻を求める問題です。

おそらく、Aさんのグラフが $y=80x-480$ で T駅からP遊園地に向かうバスのグラフが $y=240x-4800$ で、2式を連立して解くというのがオーソドックスな解答かもしれませんが、この設定でその解法を選択してしまう人は理解が浅いなあと感じます。

(1)でバスの速度は分速240mであり、Aさんの歩く分速が80mだと言われた時点でバスの速度が3倍かあとなります。つまり、同じ距離を進む場合にAさんはバスの3倍の時間がかかるということです。

したがって、下図のように適当な位置で追い越されることにし、その地点の時刻を10時 $t$ 分としておきます。T駅からこの点までの時間の比を考えて

$$3(t-20)=t-6$$

となります。これを解けば $t=27$ となるので、10時27分であることが分かります。

塾長
サクッと図を描いて暗算すれば30秒もいらないかもしれません。こうした、道のり・速さ・時間の関係の扱いがうまく出来ない中学生がかなり増えたように思うので、もう少し理解を深めておいて欲しいですね。

 

大問4・方程式

難易度 標準

問題文が長かったことと、3つの果物が登場したことで少し混乱した人もいたかもしれません。特段難しい問題ではないのですが、焦って勘違いしてしまった人が結構いたのではないかと思います。表にするなどして、情報を正しく整理していくと良いでしょう。

果物全部で120個売れたそうです。みかんの売れた個数がももの売れた個数の2倍より5個多かったとあるので、ここはももの個数を $x$ としてやるのがいいでしょう。そうすると、みかんは $2x+5$ となります。さらに、りんごは、120からそれらの個数を引いて、$120-x-2x-5=115-3x$ となります。それぞれの1個の値段は、りんごが250円、みかんはりんごより50円やすいので200円、もも1個はみかんより100円高いので300円となります。

りんごみかんもも
$115-3x$$2x+5$$x$
$250$$200$$300$

売り上げの合計金額が28500円ということで、

$$250(115-3x)+200(2x+5)+300x=28500$$

これを解いて、$x=25$ となります。また、りんごは $115-3\times 25=40$ となります。

塾長
わざわざ連立方程式にして、途中計算で減点されている生徒が多数いました。正直、その減点もおかしいなと思うのですが、そうした面倒なことを避けるために、上記のように $x$ だけの1次方程式にしてしまうのが良いと思います。

大問5・作図

難易度 標準

大問5の作図は、今回の問題の中では比較的難しい問題だったと思います。円周角を学んだばかりの人は案外すんなりと気がついたかもしれません。

点 $\mathrm{P}$ の満たす条件は

  • $\mathrm{BP=CP}$
  • $\angle\mathrm{ACB}=\angle\mathrm{APB}$
  • 点Pは線分ABの上側

というものです。$\mathrm{BP=CP}$ はよく登場するのでもう大丈夫でしょう。$\mathrm{P}$ は $\mathrm{BC}$ の垂直二等分線上の点であることを表します。

$\angle\mathrm{ACB}=\angle\mathrm{APB}$ は少し難しく感じた人もいるかもしれませんが、円周角定理の逆の証明をしっかりとやっている人は気づいたでしょう。$\mathrm{P}$ は3点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$、$\mathrm{C}$ を通る円周上に存在します。

$\mathrm{BC}$ の垂直二等分線を作図したら、$\mathrm{AB}$ の垂直二等分線も作図し、それらの交点が円の中心となります。あとは、円を描いて、$\mathrm{BC}$ の垂直二等分線との交点で $\mathrm{AB}$ の上側にある方を $\mathrm{P}$ とすればOKです。

 

大問6・規則性(復習おすすめNo.2)

難易度 標準

大問6は規則性の問題でした。平方数をベースとした問題だったため規則を見つけやすかったと思います。

図のように自然数を並べ、1番目の図形では $\mathrm{A=1}$、$\mathrm{B=2}$、$\mathrm{C=3}$、$\mathrm{D=4}$ であり、2番目の図形では $\mathrm{A=3}$、$\mathrm{B=5}$、$\mathrm{C=7}$、$\mathrm{D=9}$ となります。つまり、四隅の数字を小さい順に $\mathrm{A}$〜$\mathrm{D}$ で定義していきます。これらを表にしたものも与えられています。

図形の番号1番目2番目3番目$n$ 番目
A137
B2510
C3713
D4916

(1)は5番目の図形の $\mathrm{D}$ を求める問題です。これは、具体例を追加してみましょう。

計算などしなくても36というのが分かります。規則も確認しておきましょう。

1番目2番目3番目4番目5番目$n$ 番目
$4=2^2$$9=3^2$$16=4^2$$25=5^2$$36=6^2$$(n+1)^2$

すぐに平方数であることが分かります。$n$ に1を加えた数の平方が $\mathrm{D}$ になることが見えるでしょう。

(2)は $n$ 番目の図形の $\mathrm{C}$ の値を、$n$ を用いた式で表す問題でした。具体例を見て書き並べてみると

1番目2番目3番目4番目5番目$n$ 番目
$3$$7$$13$$21$$31$

これだけでは規則が見出せません。そこで、(1)の結果を利用できないかを考えてみます。

1番目2番目3番目4番目5番目$n$ 番目
$3=4-\boldsymbol{1}$$7=9-\boldsymbol{2}$$13=16-\boldsymbol{3}$$21=25-\boldsymbol{4}$$31=36-\boldsymbol{5}$$(n+1)^2-\boldsymbol{n}$

こうすると、$n$ 番目が $(n+1)^2-n$ 表されることが分かります。展開しておけば、$n^2+n+1$ です。

(3)は $n$ 番目の図形で $\mathrm{A=211}$ となるときの $n$ の値を求める問題でした。これもまずは具体例を書いていきましょう。

1番目2番目3番目4番目5番目$n$ 番目
$1$$3$$7$$13$$21$

これもすぐには規則が見えにくかもしれません。そういう場合は、(2)と同じように考えてみるのが良いでしょう。

1番目2番目3番目4番目5番目$n$ 番目
$1=4-\boldsymbol{3}$$3=9-\boldsymbol{6}$$7=16-\boldsymbol{9}$$13=25-\boldsymbol{12}$$21=36-\boldsymbol{15}$$(n+1)^2-\boldsymbol{3n}$

こうすると、$n$ 番目が $(n+1)^2-3n=n^2-n+1$ となることが分かります。したがって

\begin{align*}
&n^2-n+1=211\\
&n^2-n-210=0\\
&(n-15)(n+14)=0
\end{align*}

$n$ は自然数なので、$n=15$ と求められます。

塾長
規則性の問題では、具体例から規則を見つけ数式に表すという数学の基本が詰まっています。すぐに「解き方」に頼ってしまうような人は苦手とする問題と言えます。一方、ちゃんとした数学の勉強ができている人は、得意とする問題と言えるでしょう。

大問7・空間図形

難易度 

大問7は空間図形の問題でした。やってみると拍子抜けするような問題でしたが、空間というだけでパスしてしまった人はもったいなかったかもしれません。(3)が少し面倒ですが、入試ではよくあるタイプの問題(底面のすり替え)なので出来た人が多かったと思います。

今回は、何の変哲もない三角柱が題材でした。しかも底面が直角三角形ということで、かなり易しい設定になっていました。

図のように辺の長さが与えられていました。単位は面倒なので省略します。

(1)は辺ABとねじれの位置にある辺を答える問題でした。定番中の定番なので、ここは確実に正解しておきましょう。

(2)は表面積を求める問題でした。展開図をイメージすると計算がしやすいと思います。

底面と上面の直角三角形の面積は

$$6\times 8=48$$

であり、側面の長方形の面積は

$$12\times (6+8+10)=288$$

よって、表面積は $336$ となります。

塾長
上面と底面を、わざわざ $\displaystyle \frac{1}{2}\times 6\times 8=24$ と求めてしまうような人は反省しましょう。

(3)は少し複雑になりますが、下のような図が与えられていました。

5点A、P、Q、B、Cを通る立体の体積を求める問題です。

基本的にこの手の問題では直接面積を計算することができない場合が多いため、大きな立体から削り取ったり、体積比などを利用して求めていくことがほとんどです。今回は、比を用いて計算していくと良いでしょう。

まずは、色のついた三角錐 $\mathrm{D-ABC}$ は体積が簡単に求められるので、これを利用します。この立体の体積は

$$\frac{1}{3}\times 24\times 12=96$$

となります。次に、この立体の底面を三角形 $\mathrm{DCB}$ と見て三角錐$\mathrm{A-DCB}$、その底面の面積比から考えていきましょう。

こんな感じです。底面のところだけを取り出してみましょう。

こんな感じで、中点連結定理が使えます。$\triangle\mathrm{DQO}\sim \triangle\mathrm{DBC}$ であり、相似比は $1:2$ であることから、面積比は

$$\triangle\mathrm{DQO}:\triangle\mathrm{DBC}=1:4$$

となります。したがって、

$$\triangle\mathrm{DBC}:\mathrm{PQBC}=4:3$$

となります。三角錐$\mathrm{A-DCB}$ と求める立体は高さが等しいため、底面積の比がそのまま体積比となります。

よって、

$$96\times \frac{3}{4}=72$$

となります。

塾長
柔軟性のある図形の捉え方ができるようになっておきましょう!

大問8・平面図形

難易度 

最後の問題は平面図形の問題でした。これも正三角形を題材とした易しい設定になっていたので解けた人が多かったと思います。

図のように2つの正三角形 $\mathrm{ABC}$ と $ADE$ が与えられて、$\mathrm{BD}$ と $\mathrm{DC}$ の長さも与えられていました。正三角形であることを考えて $\mathrm{AB=AC=9}$ もすぐに押さえておきましょう。

(1)は $\triangle\mathrm{ABD}\sim \triangle\mathrm{DCF}$ の証明でした。よくあるタイプの問題なので、難なくクリアして欲しいところです。

まずは、正三角形であることから、$\angle\mathrm{ABD}=\angle\mathrm{DCF}(=60^\circ)$ となります。

また、$\triangle\mathrm{ABD}$ の外角 $\angle\mathrm{ADC}$ に着目すると

$$\angle\mathrm{ABD}+\angle\mathrm{BAD}=\angle\mathrm{ADE}+\angle\mathrm{CDF}$$

となります。$60^\circ$ に着目すると

$$60^\circ+\angle\mathrm{BAD}=60^\circ+\angle\mathrm{CDF}$$

より $\angle\mathrm{BAD}=\angle\mathrm{CDF}$ となります。

以上より $\triangle\mathrm{ABD}\sim \triangle\mathrm{DCF}$ が証明できました。

(2)は線分 $\mathrm{CF}$ の長さを求める問題でした。これは(1)の結果を用いて考えれば簡単です。

$$\mathrm{AB:DC=BD:CF}$$

となるので

$$\mathrm{9:6=3:CF}$$

よって、$\mathrm{CF=2}$ となります。

塾長
この比の計算を $\mathrm{9CF=6\times 3}$ あるいは $\mathrm{3CF=2\times 3}$ のように計算してしまう人がいるので気をつけて下さい。計算なんてしなくても分かりますよ! 比の扱いが下手な人が本当に多くなったと感じます。無駄な計算はしないようにしましょう。

(3)は少し図が変わります。$\mathrm{F}$ から $\mathrm{AE}$ に平行な直線をひき $\mathrm{AD}$ との交点を $\mathrm{G}$ とします。このとき、$\mathrm{FG}$ の長さを求める問題でした。

まず、$\mathrm{AE//GF}$ から三角形$\mathrm{DFG}$ も正三角形になることを最初に確認しておきましょう。したがって、$\mathrm{FG}$ の代わりに $\mathrm{DF}$ を求めても良いということになります。そうすると相似が利用できます。

塾長
やはり $60^\circ$ を強く意識しておくことが大切です。

$\triangle\mathrm{DCF}\sim \triangle\mathrm{AEF}$ にすぐ気づけるようになっておきたいところです。

$\angle\mathrm{DCF}=\angle\mathrm{AEF}=60^\circ$、$\angle\mathrm{DFC}=\angle\mathrm{AFE}$(対頂角)からすぐに分かるでしょう。

いま $\mathrm{FE}=x$ とおくと、$\triangle\mathrm{DCF}$ において $\mathrm{CF:DC}=1:3$ であることから、$\triangle\mathrm{AEF}$ においても

$$\mathrm{EF:AE}=1:3$$

が成り立ちます。したがって、$\mathrm{AE}=3x$ となります。さらに、$\mathrm{DE}=3x$ であることから、$\mathrm{DF}=2x$ と分かります。あとは、対応する線分比を用いて、$\mathrm{CF:EF=DF:AF}$ すなわち

$$2:x=2x:7$$

が成り立ちます。これより、$x^2=7$ となることから、$x=\sqrt{7}$ が求まります($x>0$より)。

したがって、$\mathrm{FG}=2x=2\sqrt{7}$ となります。

 

解いてみての感想

私はトータルで15分程で解き終わりました。問題文が長く難しそうに見えるものもありましたが、実際に解いてみたら拍子抜けするような問題が多かったですね。とくに後半の図形は、かなり簡単な問題が多かったなあという印象です。このレベルになると満点の人もかなりいると思います。数学が得意な人は余裕を持って解けたのではないでしょうか。

ただし、平均点はそこまで高くなることはないでしょう。今年度の数学の成績を追いかけていると、このくらいのレベルでも少し難しく感じたという人が多かったのではないかと思います。とはいえ、上位校狙いの人はしっかりと得点して欲しい内容であったことも確かです。

全国的に公立高校の入試問題は難化傾向にありますが、石川県は易化傾向にあります。取るべき問題をミスなく取ることが大切になるので、今回のテストで色々とやらかした人は、本番までにそれをどう克服するのか具体的に考えてください。

そして、私立高校の入試もだんだんと近づいてきました。不安も大きくなってくる時期です。そうした不安を煽るようなことを言う人もたくさんいます。とくに点数やボーダーラインなどはデリケートな部分なので、あまり気にしないようにしましょう。

みなさんがやるべきことは、本番まで1つ1つ着実に自分の課題をクリアしていくことです。不安のあまり、真偽不明な情報に振り回されないようにしましょう。大半は根拠のない噂話レベルです。そうしたものに惑わされてペースを乱すことがないように気をつけてください。

公立高校入試までは、まだまだ時間があります。直前期に一気に伸びる生徒もたくさんいます。

志望校にこだわる人は、最後まで諦めずに頑張りましょう!

最新情報をチェックしよう!
>ちゃんとした数学の授業を受けていますか?

ちゃんとした数学の授業を受けていますか?

体験授業は随時実施しております。
学習相談なども受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。

CTR IMG
error: Content is protected !!