【2023年度】第2回金沢市統一テストの数学を解いてみた【塾生必読】

塾長
1月9日(水)に2023年度の第2回金沢市統一テストが実施されました。第1回の統一テストは比較的易しめの問題が多かったのですが、第2回はさらに易しい問題が増えたなあと感じました。ただ、現状の中学生の数学力や問題数とのバランスを考えるとこのくらいの難易度が適正なのかなと思います。

第2回金沢市統一テスト 2023年度(数学)

第1回の統一テストについては、易しめの問題が多く平均点も52点と良いバランスのテストだったように思います。今回も、現状の中学生の数学力に合わせてあるのかは分かりませんが、易しい問題が多かったように感じました。

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ただし、大問数が8問となっているため時間的に厳しかったという人がいたかもしれません。しかし、基礎力が十分についている人はかなり余裕をもって終わらせることができたのではないかと思います。

概観

今年度の第2回金沢市統一テストは、第1回と同等かそれよりも易しくなったような印象です。大問数などには大きな変化はありませんでした。一部、問題文が長くなっていますが、これは近年の入試のトレンドなのでこうした出題は予想しておきましょう。

問題レベル的には平易な問題ばかりで、正直、解説記事を作るほどではないかなと思いますが、資料的な意味で解説記事を作っておこうと思います笑。

入試本番は、これよりも難しい問題が出題されると思いますが、だからと言って難しい問題をたくさんやっておけばいいというわけではありません。まずは、今回のような平易な問題をしっかりと解けるように準備をしておくことが大切です。そういう意味でも、今回できていなかった問題については原因をしっかりと分析しておくことが大切です。また、後半の幾何分野が拍子抜けするほど簡単だったので、図形の問題は少し難しめの問題までやっておくといいでしょう。

問題レベル的には上位校を狙っている人は9割前後は必ず取りたい内容でした。また、満点の人もかなりいるのではないかと思います。平均点も高くなりそうなので、1つのミスが命取りとなるようなテストでした。

全体的な難易度 

大問1・小問集合

難易度 

今回の大問1はどれもよくある問題ばかりで構成されていたので、確実に満点を取りたいところです。そして、できるだけ素早く終わらせたいですね。

(1)の計算はどれもほぼ暗算で計算できる問題でした。オの根号計算は無駄な計算をするクセが抜けない人がいるようなので気をつけましょう。

$$2\sqrt{6}\times \sqrt{3}=6\sqrt{2}$$

と途中式なしでサクッと変換できるようになっておきましょう。

(2)も同じようなノリで $n=6$ が一瞬で浮かんで欲しいところですね。

(3)はグラフをイメージすれば問題ないでしょう。

(4)は 弧$\mathrm{AC}$ に対して中心角$\angle\mathrm{AOC}=110^\circ$ から、円周角 $x=55^\circ$ が、これまた一瞬で浮かんで欲しいです。

(5)は60以上90未満の度数が10とすぐに計算できるので、これも $0.25$ とすぐに解いてもらいたい問題です。

塾長
今回の大問1は早い人であれば3分もかからずに終わったのではないかと思います。試験の時は慎重に計算しようとする人もいるかもしれませんが、普段と違うことをやること自体がミスの原因となるので、普段通りに計算することが大切です!

 

大問2・関数

難易度 

大問2は関数の問題でした。ダイヤグラムの問題でしたが非常に基本的な内容でした。

(1)が解けなようでは困ります。8分で560m進むので分速70mです。

(2)はグラフにAさんの兄の動きを描いてみるとすぐに分かります。

Aさんの兄は分速80mで図書館から家に向かいます。家までは $2320\div 80=29$ 分かかります。11:00出発なのでだいたい上の赤線のような動きとなります。赤線のグラフは何も計算しなくても $y=-80x+2320$ となります。また、Aさんの8分後〜28分後の動きを表すグラフは、$(8,\ 560)$ と $(28,\ 1760)$ を通る直線なので、$y=60x+80$ となります。これも暗算でサクッと導きたいところです。

さて、この2本の直線の共有点の座標は

$$\begin{cases}y=-80x+2320\\y=60x+80\end{cases}$$

の解となります。これを解くと($y$ は求める必要はありません)、$x=16$ となります。したがって、AさんとAさんの兄が出会うのは11:16となります。

塾長
関数の問題は図形的な見方を利用して解くことも可能です。この問題でも三角形の相似を利用して(2)を解くこともできます。普通に解く方が早いので掲載しておりませんが笑

大問3・方程式

難易度 

大問3は方程式の問題でした。全部で18クラスあるので、演奏するクラスを $x$ とすると、合唱のクラスは $18-x$ となります。わざわざ連立方程式にする必要もないので、文字は1つで良いでしょう。交代時間が17回、3時間20分が200分であることに注意して

$$8x+10(18-x)+17\times 2=200$$

となります。これを解くと、$x=7$ となります。

塾長
このレベルだとわざわざ計算の欄を付けられてもなあ、という感じがしないでもないです。

 

大問4・確率

難易度 標準

問題文が長かったので、少しとっつきにくかった人もいたかもしれませんが、やってみると何ということもない問題でしたね。(1)から順にやっていくと、考え方が見えてくるでしょう。

(1)は大きいサイコロの目が2、小さいサイコロの目が4のときの球の個数を数える問題です。

まずは、大きいサイコロの目が2となるので、②〜⑥までの箱に1個ずつ球が入ります。次に小さいサイコロの目が4となるので、①〜④の箱から1個ずつ取り出します。そうすると、上図の下段の個数だけ球が残ることが分かります。よって、7個となります。

(2)は操作終了後に残る球が3個となる場合を考えますが、(1)の操作を考えながら「操作Ⅰの後できるだけ2となる箱が少なくなればいい」くらいのことには気づいて欲しいですね。したがって、大きいサイコロの目が6の場合から順に考えていくといいでしょう。

実際に書き出していくと、この3パターンに限られることが分かります。なお、大きいサイコロの目が3以下の場合はどうやっても条件を満たすような場合を作れないのでダメです。

よって、求める確率は $\displaystyle \frac{3}{36}=\frac{1}{12}$ となります。

(3)は操作終了後に③の箱が空になる確率を求める問題です。(1)、(2)の過程から、操作Ⅰで③の箱に球が入らない、すなわち大きいサイコロの目が4以上となることが必要です。さらに操作Ⅱにおいて、③の箱から球が取り出されなければならないので、小さいサイコロの目は3以上となります。

よって、大きいサイコロの目が4、5、6の3通りあり、それぞれに対して小さいサイコロの目3、4、5、6の4通りが対応するので、求める確率は

$$\frac{3\times 4}{36}=\frac{1}{3}$$

となります。

塾長
確率の基本は全部書き出してみるということです。パターンが多くて面倒になったら、計算を考えていきましょう。

 

大問5・作図

難易度 標準

今回の作図は点Cで線分ABと接し、点Dを通るような円の中心Oを作図する問題でした。まずは、円と直線の接点がもつ図形的な性質を考えましょう。これについては、点Cを通る直線ABの垂線上に点Oが存在することを確認しましょう。したがって、まずはCからABの垂線を作図すればOKです。

さらに、円周上の点Dをどう利用するかがポイントです。基本の作図を考えた時に、弦の垂直二等分線上に円の中心が存在することに気づければ完璧ですね。以下のような位置関係になります。

塾長
作図の問題では、どう作図するかを考える前に、図形的な特徴を考えることが大切です。

大問6・規則性

難易度 標準

大問6の規則性の問題はパッとみた感じは面倒くさそうな感じがしますが、やってみると易しい問題です。規則性の問題は見た目の割に簡単な問題が多いので、具体例を作りながらやっていきましょう。

(1)は具体例を1つ増やそうという問題です。3番めまでの図形で縦、横、高さがどう変化するか観察してみましょう。

縦:3→4→5
横:3→4→5
高:4→4→4

4番目を作るとより規則がはっきりしますね。

縦:3→4→5→6
横:3→4→5→6
高:4→4→4→4

したがって、必要となる積み木の個数は $6\times 6\times 4=144$ 個です。

(2)は9番目の図形を考えますが、(1)で4番目までの図形を作っているのでこれで規則を発見します。

上面:1→4→9→16
側面:2→4→6→8

したがって、$n$ 番目の図形では、上面と底面の色付きが $n^2$ 個、側面(4つ)が $2n$ 個となります。

よって、全部で $2n^2+8n$ となります。$n=9$ のときなので、

$$2\times 9^2+8\times 9=234$$

となります。

(3)は(2)で得られた式を用いて $2n^2+8n=330$ と表せます。整理すれば

$$n^2+4n-165=0\Longleftrightarrow (n+15)(n-11)=0$$

$n$ は自然数なので、$n=11$ となります。

塾長
規則性の問題は中学生の間に身につけておいて欲しい能力がギュッと詰まっている問題が多いので、本番までにいろいろな問題に挑戦してみてください!

 

大問7・空間図形

難易度 

空間図形は三角柱を題材とした非常に易しい問題でした。

(1)は解説不要でしょう。

(2)は下図のように、各辺の中点G、H、I、Jをとったときの四角形GHIJの面積を求める問題です。

これは中点連結定理から、$\displaystyle \mathrm{GJ=HI}=\frac{9}{2}$ が分かるので

$$\frac{9}{2}\times 6=27$$

となります。

(3)は下図のようにAE、CE、DE、FEを $2:1$ にない分する点P、Q、R、Sをとり、P、Q、R、S、A、D、F、Cを頂点とする立体(立体 $V$ とします)の体積を求める問題です。

これは、相似な2つの四角錐(E-PQRSとE-ADFC)を考えると簡単です。相似比は $\mathrm{EP:EA}=2:3$ となるため、体積比は $2^3:3^3$ すなわち $8:27$ となります。そのため、E-PQRSと立体 $V$ の体積比は $8:(27-8)$ つまり $8:19$ ということになります。

ここで、E-ADFCの体積は

$$\frac{1}{3}\times 9\times 6\times 12=216$$

となるので、求める立体 $V$ の体積は

$$216\times \frac{19}{27}=152$$

となります。

塾長
切ったり取り替えたりといった作業がなく、単純に相似比から体積比を求めたら良いだけの問題でした。もう少し複雑な問題でも良いように思いますが、このくらいでないと白紙答案が増えるのかもしれないですね。

 

大問8・平面図形

難易度 

最後は平面図形の問題でした。が、これも非常に簡単な問題でした。図のような図形の問題です。

(1)は $\angle\mathrm{ABD}=56^\circ$ のときの $\angle\mathrm{DCE}$ の角度を求める問題です。

まず与えられた条件から、$\triangle\mathrm{ABD}$ が二等辺三角形となるので、$\angle\mathrm{BDA}=62^\circ$ が求まります。さらに、$\mathrm{EC//DF}$ なので、$\angle\mathrm{DCE}=\angle\mathrm{CDF}$ です。直線 $\mathrm{AC}$ に着目すると

$$\angle\mathrm{BDA}+90^\circ+\angle\mathrm{CDF}=180^\circ$$

となります。したがって、

$$\angle\mathrm{CDF}=\angle\mathrm{DCE}=90^\circ-62^\circ=28^\circ$$

となります。

(2)は $\triangle\mathrm{ABC}\sim \triangle\mathrm{DEC}$ の証明です。

まず、$\angle\mathrm{ABC}=\angle\mathrm{DEC}=90^\circ$ はすぐに分かります。

また(1)の過程から $\angle\mathrm{BAC}=\angle\mathrm{EDC}$ もすぐに分かるでしょう。

よって、$\triangle\mathrm{ABC}\sim \triangle\mathrm{DEC}$ となります。

(3)は $\mathrm{AB=5}$、$\mathrm{BC=10}$、$\mathrm{BE=8}$ のときの線分 $\mathrm{DF}$ の長さを求める問題です。

線分 $\mathrm{DF}$を含む図形を見ていくと、明らかに $\triangle\mathrm{ABC}\sim \triangle\mathrm{DEC}$ なので、これを使うことが考えられます。そうなると、対応する $\mathrm{EC}$ の長さが欲しくなります。これは(2)の相似を利用することで求まります。

$\mathrm{BE=8}$ は、$\mathrm{BA=BD}$ に注意すると、$\mathrm{BD=5}$、$\mathrm{DE=3}$ となります。

そして $\triangle\mathrm{ABC}\sim \triangle\mathrm{DEC}$ であることから $\mathrm{AB:DE=BC:EC}$、すなわち

$$5:3=10:\mathrm{EC}$$

よって、$\mathrm{EC=6}$ が分かります。

そして、$\triangle\mathrm{ABC}\sim \triangle\mathrm{DEC}$ より $\mathrm{BD:BE=DF:EC}$ となるので

$$5:8=\mathrm{DF}:6$$

よって、$\displaystyle \mathrm{DF}=\frac{15}{4}$ となります。

塾長
円周角なども入ってくるかなあと思っていましたが、相似だらけの問題でした。ちょっと物足りない感じですね。

 

解いてみての感想

私はトータルで20分程度で解き終わりました。問題文が長かったりして、面倒くさそうに見えるものも含まれていましたが、実際に解いてみるとあっさり終わる問題が大半を占めていましたね。ちょっと簡単すぎるのではないか、と思いますが、市内の全中学生が受けるとなると、このくらいのレベルになってしまうのかもしれません。悲しいですが。

そして、このレベルになると満点の人もかなりいると思います。数学が得意な人は余裕を持って解けたでしょう。平均点もかなり高くなりそうです。最初にも述べたように、1つのミスが命取りとなるような問題構成だったと思います。雰囲気的には随分前(10年以上前)の公立高校入試といった感じがしました。

近年は、全国的に公立高校の入試問題が難化しています。そのため、このテストでは測りきれない部分も本番では出題される可能性が高いです。今回、9割以上取れた人は、もう1つ2つ上のレベルの問題に取り組んでいきましょう。一方で、あまり得点できなかった人は「ミス」で片付けないでください。このレベルで点数を落とすということは、根本的な部分で理解していない可能性が高いです。教科書に戻って、基礎的な事柄を確認するようにしてください。

さて、私立高校の入試も近づいてきました。不安も大きくなってくる時期でもあります。そうした不安を煽るようなことを言う人もたくさんいますが、気にしてはいけません。みなさんが気をつけることは、本番まで1つ1つ着実に課題をクリアしていくことです。ボーダーラインがどうとか、倍率がどうとか、そんな話が飛び交いますが、不安のあまり、そうした情報に振り回されないようにすることが大切です。昨年も、採点に関する不確実な噂を耳にしました。根拠のない情報が多いので、しっかりと見極めながら、やるべきことをやっていきましょう。

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