置換積分のアレ

毎年、数学IIIの積分を指導する場面ではいろいろと話を補っていかないといけない。

基本的には、区分求積から定積分の話をして微分積分学の基本定理をやって不定積分の話へと進む。教科書は何だか不思議な順番になっている(それはそれでいいとは思うけど)ので、ここは個人的にこだわっている。不定積分まで話が進んだら、次は置換積分へ進む。置換積分はいろいろと面白いのだけど、高校生は基本的に結果のみしか扱っていない。

まあ、大学入試では計算ができればOKということなんだろうけど、それだとあまり面白くない。

置換積分の証明としては、まず微分積分学の基本定理を下敷きにする。

微分積分学の基本定理
\(f\) を閉区間 \([a,\ b]\) で連続な関数、\(F\) を \(f\) の任意の原始関数(すなわち \(F\) は \(F’=f\) を満たす関数)とするとき、 \begin{align*} \int_{a}^{b}f(x)\,dx=F(b)-F(a) \end{align*} である。

これをもとにして、置換積分の公式が得られる。

置換積分の公式
\(g’\) は区間 \([a,\ b]\) で連続、\(f\) は \(t=g(x)\) の値域で連続であるとするとき \begin{align*} \int_{a}^{b}f(g(x))g'(x)\,dx=\int_{g(b)}^{g(a)}f(t)\,dt \end{align*}

で、この置換積分の公式をやり方に当てはめて計算するだけの生徒が多い。まあ、それも大事だけど、証明をしっかりと追っていると面白いことがわかる。

証明
\(F\) を\(f\) の原始関数とすると、\(F(g(x))\) は \(f(g(x))\cdot g'(x)\) の原始関数であるから,微分積分学の基本定理により \begin{align} \int_{a}^{b}f(g(x))g'(x)\,dx=\left[F(g(x))\right]_a^b=F(g(b))-F(g(a)) \end{align} となる.さらに微分積分学の基本定理によって \begin{align*} F(g(b))-F(g(a))=\left[F(t)\right]_{g(a)}^{g(b)}=\int_{g(a)}^{g(b)}f(t)\,dt \end{align*} である。

簡単な証明はこんな感じなのだが、この証明の中に大事なことが隠れている(隠れてないけど)。

この証明を考えずに、公式の結果だけを覚えてしまうのは少々もったいない。

数学IIIでは証明がつかないものが多いのだが、ある程度のことは高校生でも理解できる。

塾では、可能な限り証明をしており、その際に置換の話もしている。

数学IIIは難しいという声をよく聞くけど、そんなことはない。理論をきちんと追いかけていくと、微分と積分が結びつく面白さや、求積問題とどう立ち向かって来たかなど、面白い部分がたくさんある。

それを、ただの計算あるいは解法の暗記で終わらせてしまうのはとてももったいないなあと思っている。

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