塾長
昨日は2月とは思えない陽気でした。今日も最高気温が20℃となっており、すでに浮かれている塾長です。ヒャッホー! 気温が高いの嬉しいのですが、同時に花粉たちも浮かれだすので困ったものです。

さて、今日は久々に高校数学の話でもしておこうかなと思います。

高校1年生は現在、数学IIの内容に突入しており、先日の授業では多項式の除法の問題をやりました。

多項式$f(x)$を$x-1$で割ると5余り,$x^2+x+1$で割ると$-5x+1$余る.$f(x)$を$x^3-1$で割ったときの余りを求めよ.

こんな感じのよくある問題です。多項式の割り算の問題は案外よく分かっていない人が多いので気をつけたい問題です。

では、この問題を1つずつ考えていきましょう。

定理などの確認

前提として、多項式の除法について見ておきましょう。

多項式$P(x)$を多項式$A(x)$で割ったときの商を$Q(x)$、余りを$R(x)$とすれば、$Q(x)$、$R(x)$は多項式であり、恒等式
$$P(x)=A(x)\cdot Q(x)+R(x)$$
が成立し、このとき$A(x)$が$m$次ならば$R(x)$は$m-1$次以下である。$R(x)=0$の場合は$P(x)$は$A(x)$で割り切れる。

$P(x)=A(x)\cdot Q(x)+R(x)$という等式はもちろんですが、$\boldsymbol{A(x)}$が$\boldsymbol{m}$次ならば$\boldsymbol{R(x)}$は$\boldsymbol{m-1}$次以下であるという部分が重要です。

塾長
多項式の割り算は余りの次数に注意しなければなりません。

また、$P(x)$が$A(x)$で割り切れる場合には、$R(x)=0$になることから

$$P(x)=A(x)\cdot Q(x)$$

という形になります。これは因数分解の形ですね。

ついでに剰余の定理についても見ておきましょう。

多項式$P(x)$を1次式$ax+b$($a\neq 0$)で割ったときの余りは$\displaystyle P\left(-\frac{b}{a}\right)$である。

先ほどの多項式の除法とあわせて具体的に考えておきましょう。$P(x)$を$x-1$で割ったとき、余りは定数$r$となり(次数に注意するのでした)

$$P(x)=(x-1)Q(x)+r$$

のように表せます。このとき、両辺に$x=1$を代入すると、$P(1)=r$となって余りが求まります。剰余の定理は、要するに多項式の除法において、商の部分が消えるような$x$の値を代入することで得られるものです。ここでは、$(x-1)Q(x)$が$0$となる$x=1$を代入しています。ちなみに$r=0$の場合は因数定理となります。

まずは、このくらいの内容が頭に入っていないといけません。

実際に解いてみる

では、先ほどの問題を解いていきましょう。

多項式$f(x)$を$x-1$で割ると5余り,$x^2+x+1$で割ると$-5x+1$余る.$f(x)$を$x^3-1$で割ったときの余りを求めよ.

与えられた条件は、

「$f(x)$を$x-1$で割ると5余る…①」
「$f(x)$を$x^2+x+1$で割ると$-5x+1$余る…②」

という2つです。このうち1次式で割る①の条件は、剰余の定理によって、$f(1)=5$と言い換えられます。②については、多項式の除法によって

$$f(x)=(x^2+x+1)Q_1(x)-5x+1$$

のように表せます。

さて、求めるものは何でしょう。$f(x)$を$x^3-1$で割ったときの余りです。これについても多項式の除法によって

$$f(x)=(x^3-1)Q_2(x)+ax^2+bx+c$$

のように表せます。ここも余りの次数に注意して、$ax^2+bx+c$とします。さらに$(x^3-1)$を因数分解すれば

$$f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+ax^2+bx+c\ \cdots(\ast)$$

と表すことも可能です。ここで$(\ast)$において条件①を言い換えた$f(1)=5$を用いると

$$f(1)=a+b+c=5$$

が得られます。得られますが、これでは$a$、$b$、$c$が求まらず余りが分かりません。

そこで、使っていない②の条件を考えてみることにします。$f(x)$は

$$f(x)=(x^2+x+1)Q_1(x) -5x+1\ \cdots(\ast\ast)$$

という形にならないといけないわけです。ここで$(\ast)$の$f(x)$に戻って考えてみましょう。

この$(\ast)$が、

$$\textcolor{#dc143c}{f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+a(x^2+x+1)-5x+1}$$

という形であれば、共通因数$(x^2+x+1)$を括り出して

$$f(x)=(x^2+x+1)\{(x-1)Q_2(x)+a\}-5x+1$$

と表せます。上式の$(x-1)Q_2(x)+a=Q_1(x)$とすれば、

$$f(x)=(x^2+x+1)Q_1(x) -5x+1$$

となり、$(\ast\ast)$の形になることがわかります。つまり、$(\ast)$と②を組み合わせることで

$$f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+a(x^2+x+1)-5x+1\ \cdots(\ast\ast\ast)$$

という形に表せ、ここに条件①$f(1)=5$を代入すると

$$f(1)=3a-4=5$$

となります。これより、$a=3$が求まります。あとは$(\ast\ast\ast)$から、余りは

$$3(x^2+x+1)-5x+1=3x^2-2x+4$$

となります。

掘り下げてみる

求める余りは得られたのですが、赤字の式についてもう少し掘り下げてみたいですね。

$(\ast)$と②を組み合わせると、以下のように書き換えることができます。

$f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+ax^2+bx+c$を$x^2+x+1$で割ると$-5x+1$余る

この$f(x)$の右辺を$x^2+x+1$で割ると、$(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)$の部分は$x^2+x+1$を因数に持つので割り切れます。つまり余りは出ません。ということは、余りの$-5x+1$というのは、残りの部分$ax^2+bx+c$を$x^2+x+1$で割ったときに出てくる余りであるということです。

補足
この部分がわからない人は、数の場合で考えてみましょう。例えば$19$を$6$で割った余りは1です。たとえば、この$19$をあえて$6\cdot 2+7$と表したとします。$6\cdot 2+7$を$6$で割ると、$6\cdot 2$は割り切れて余りは出ず、$7$を$6$で割ったときに出てくる余り$1$が$19$を$6$で割った余りと一致します。数の割り算と多項式の割り算は似て非なるものですが、似ている部分も多くあるので、抽象的でわかりにくい場合には参考にしてみるといいでしょう。

つまり、$ax^2+bx+c$を$x^2+x+1$で割った余りが$-5x+1$ということなので、$x^2$の係数に気をつけて

$$ax^2+bx+c=a(x^2+x+1)-5x+1$$

と表せるということです。これによって、使用する文字を1文字に減らすことができます。

また、$f(x)=(x^2+x+1)Q_1(x)-5x+1$から

$$f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+a(x^2+x+1)-5x+1$$

を作ることも可能です。

$Q_1(x)$を(x-1)で割ったとき、余りが定数となることから

$$Q_1(x)=(x-1)Q_2(x)+a$$

と表せます。これを$f(x)=(x^2+x+1)Q_1(x)-5x+1$に代入して整理すると

$$f(x)=(x-1)(x^2+x+1)Q_2(x)+a(x^2+x+1)-5x+1$$

が得られます。

塾長
というわけで、いろいろな考え方(別々に見えますが、やってることは基本的に同じです)があるので、模範解答を見て真似しておしまいということにならないように気をつけて欲しいなあと思います。
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