SHARE:

【2025年度】第1回金沢市統一テストの数学を解いてみた【塾生必読】

【2025年度】第1回金沢市統一テストの数学を解いてみた【塾生必読】
塾長

11月11日(火)に2025年度の第1回金沢市統一テストが実施されました。いよいよ受験シーズンが本格的にスタートした感じになりますね!

第1回金沢市統一テスト 2025(数学)

受験生の皆さん、第1回統一テストお疲れ様でした。これまでの学習の成果は発揮できたでしょうか。

金沢市統一テストでは、基礎を重視すること、無駄な計算をしない工夫をすること、そうした数学の基本的な姿勢が問われる問題が多く出題されます。今年度の問題もそのような日々の学習が差となってあらわれる問題が多かったように思います。

大問数が8と多いのですが、数学が得意な人であればサクサク解くことができ、時間が結構余ったのではないかと思います。一方、こうした試験に慣れておらず、数学が得意でない人は時間との戦いだったかもしれません。本番もそうですが、プレッシャーの中で普段通りに問題を解くというのは簡単なことではありません。日頃から十分な準備をしておきたいですね。そして、解くスピードを上げるためには、雑な考え方を用いるのではなく圧倒的な基礎力を身につけることが不可欠です。ここを勘違いして、表面的な勉強に陥らないように気をつけましょう。

金沢市統一テストは進路決定において重要と言われていますが、過去の塾生たちの統一テストの得点と進学先を見てみると、第1回の結果はそこまで決定的なものではありません。

中3生は年明け以降でも成績が急上昇する人が多いため、11月の段階であれこれ言うのはまだ早いでしょう。ただし、今回思ったような点数が取れなかった人は、第2回統一テストに向けて勉強の進め方の修正をまず第1に考えてみましょう。

概観

今年度の数学ですが、難易度としては例年並みでした。大問1の小問集合、大問2の関数、大問3の確率、大問4の連立方程式は、いずれも教科書レベルの基本問題で構成されていました。ここでいかに失点を防げたかが得点を左右するでしょう。とくに大問1で30点前後の配点となっているので、数学が苦手な人はまず大問1を確実に得点することが大切です。

難問・奇問はなく、全体的に易しい問題で構成され、基礎の理解度を問う良問がそろっていました。このくらいのレベルになると高得点者も増えるため、程よく差のつくテストだったのではないかと思います。

差がつくとすれば、大問6の規則性、そして大問7の空間図形あたりでしょうか。また、時間的に余裕がなかったという人もいたかもしれません。

点数が振るわなかった人も、できなかった問題は必ず復習をやって、「なぜ解けなかったのか」「どういう知識・視点が抜けていたのか」を明確にして、次の第2回統一テスト、そして入試本番に備えましょう。

全体的な難易度やや易

大問1・小問集合

難易度

大問1は、例年通り計算問題と各単元の小問で構成されていました。(1)の計算5問、(2)二次方程式、(3)反比例は絶対に落とせません。(4)の角度、(5)の資料の整理も標準的なレベルであり、ここで満点を確保して弾みをつけたいところです。目安時間は10分以内で、ミスなく満点を狙いましょう。

解答

(1)ア $-4$
イ $-23$
ウ $-24ab$
エ $\displaystyle \frac{-x+7y}{12}$
オ $2\sqrt{6}$
(2)$\displaystyle \frac{2\pm\sqrt{6}}{2}$
(3)$\displaystyle y=-\frac{48}{x}$
(4)$106$ 度
(5)

解説

(1)の計算はどれも基本的な計算規則の確認のような問題です。エは符号ミスが多いので気をつけましょう。また、オの根号を含む計算は、面倒な計算をしてしまっている人をよく見かけます。

(2)は方程式 $2x^{2}-4x-1=0$ を解きなさいという問題でした。解の公式を用いて解いた人が多かったのではないでしょうか。一方で、平方完成を利用することもできます。
\begin{align*}
2x^2-4x-1&=0\\
x^2-2x-\frac{1}{2}&=0\\
(x-1)^2-1&=\frac{1}{2}\\
(x-1)^2&=\frac{3}{2}\\
x-1&=\pm\sqrt{\frac{3}{2}}\\
x=1\pm\frac{\sqrt{6}}{2}
\end{align*}

(3)は反比例の問題でした。条件反射的に $\displaystyle y=\frac{a}{x}$ のように式を作って代入しようとする人もいますが、$xy=a$ という反比例の基本関係が分かっていれば、$x=-6$ のとき $y=8$ であるという条件からすぐに $\displaystyle y=\frac{-48}{x}$ が得られます。

塾長

計算の無駄を少なくすることが計算ミスを減らし、解答時間を節約することにもなります。そのためには基礎をしっかりと理解しておくことが大切です。

(4)は図のように、$\triangle \mathrm{ABC}$ があり、$\angle \mathrm{BAC}$ の二等分線と辺$\mathrm{BC}$との交点を$\mathrm{D}$ としたときの $x$ の大きさを求める問題で、$\angle \mathrm{ABC}=58^{\circ}$、$\angle \mathrm{ACB}=26^{\circ}$ が与えられています。

三角形の外角に着目すると見通しが良いでしょう。

$\angle \mathrm{ABD}+\angle \mathrm{BAD}=x$、$\angle \mathrm{ACD}+\angle \mathrm{CAD}=\angle \mathrm{ADB}$ であり、$x+\angle \mathrm{ADB}=180^\circ$ となることから

$$58^\circ+\circ+26^\circ+\circ=180^\circ$$

これを解くと、$\circ=48^\circ$ となります。したがって、$x=58^\circ+48^\circ=106^\circ$ となります。

(5)は資料から読み取れることとして正しいものを選ぶ問題でした。

資料の整理の用語(最頻値、範囲、中央値、相対度数)の定義を正確に理解しているかが問われます。焦らずに選択肢を一つずつ吟味していきましょう。

  • ア:最頻値は8回である。
    最頻値(モード)は「最も度数が多い値」のことです。表で最も度数が多いのは「8人」ですが、これは「10回以上15回未満」の階級の度数であり、最頻値そのものではありません。度数分布表からは、個々の正確な値がわからないため最頻値は読み取れません(強いて言えば、最頻値が含まれる階級は「10回以上15回未満」となります)。よってNG。
  • イ:範囲は25回である。
    範囲(レンジ)は「(最大値)-(最小値)」です。表からは、最大値が「20回以上25回未満」のどこか、最小値が「0回以上5回未満」のどこか、ということしか分かりません。例えば、最大が21回、最小が1回なら、範囲は20回です。25回とは断定できません。よってNG。
  • ウ:中央値は5回以上10回未満の階級にふくまれる。
    中央値(メジアン)は、データを小さい順に並べたときの真ん中の値です。生徒は全部で20人(偶数)なので、中央値は 10番目の生徒と11番目の生徒の(値の)平均 となります。小さい方から順に度数を足して(累積度数)、10番目と11番目がどこにいるか探すと、10番目の生徒も11番目の生徒も「10回以上15回未満」の階級に入っていることがわかります。したがって、中央値もこの階級に含まれます。選択肢は「5回以上10回未満」の階級と述べているためNG。
  • エ:学校に行った回数が15回以上の生徒の割合は0.20である。
    「15回以上」の生徒は4人です。全体の人数は20人なので、その割合(相対度数)は $0.2$ となり、この選択肢が正しいとわかります。
基礎力チェック
  • 四則演算の順序と符号処理:冪乗、乗除、加減の順序を守り、特に分数式の減法での符号ミス(カッコを外すとき)に注意する。
  • 文字式と平方根の計算:文字式の除法、平方根の簡約と有理化を[適切に]実行する。
  • 反比例の定義:$y = \frac{a}{x}$ (または $xy=a$) を理解する。
  • 三角形の角度: 内角の和 ($180^{\circ}$) や外角の定理を正しく使いこなす。
  • 度数分布表の用語: 最頻値(モード)、中央値(メジアン)、範囲(レンジ)、相対度数の「正確な定義」を理解する。

大問2・関数(復習おすすめNo.3)

難易度

解答

(1)7
(2)$y=-x+4$
(3)$\displaystyle a=-\frac{1}{4}$

解説

二次関数 $y=ax^2$ についての基本的な問題(変化の割合、直線の式、図形との融合)を問う問題でした。(3)も簡単な問題ですが、融合問題に慣れていない人は戸惑ったかもしれません。

①は関数 $\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ のグラフである。2点$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$は①のグラフ上の点で、$x$ 座標はそれぞれ $-4$、$2$ である、という設定です。

(1) は関数 $\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ において、$x$ の値が6から8まで増加するときの変化の割合を求めなさい。単純な変化の割合の問題です。

$x=6$ のとき $\displaystyle y = \frac{1}{2}(6)^2 = 18$、$x=8$ のとき $\displaystyle y = \frac{1}{2}(8)^2 = 32$ であることから、変化の割合は

$$\frac{32-18}{8-6} = \frac{14}{2} = 7$$

となります。

最近は「関数 $y=ax^2$ において、$x$ が $p$ から $q$ まで増加するときの変化の割合は $a(p+q)$ となる」ということを利用している人もいます。これを使うと、

$$\frac{1}{2}(6+8) = \frac{1}{2}(14) = 7$$

と計算量が激減します。ただし、この公式を丸暗記して当てはめているだけの人は要注意です。

偏差値70以上を目指す人へ

$\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ と $x=6$、$x=8$ の2点で交わる直線の傾きを考えてみましょう。直線の式を $y=ax+b$ とすると、その交点の $x$ 座標は2つの曲線の式から $y$ を消去した
$$\frac{1}{2}x^2=ax+b\Longleftrightarrow x^2-2ax-2b=0$$
の解となります。その解は $x=6$ と $x=8$ と分かっているので、
$$x^2-2ax-2b=(x-6)(x-8)$$
と因数分解できます。右辺を展開すると、$x$ の係数は $-14$ となります。左辺と比較すれば
$$-2a=-14$$
となり、$a=7$ がすぐに分かります。この程度であれば、暗算で求められるのではないでしょうか?
なお、この考え方は(2)でも同じように使えます。

(2) は直線$\mathrm{AB}$の式を求める問題でした。

求める直線の式を $y=mx+n$ とおき、2点の座標を代入して連立方程式を解くという方法が一般的かもしれません。が、せっかくなのでここはグラフを活用して考えましょう。

$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ の座標を求めたら、図のような直角三角形を見てすぐに傾きが $-1$ と取り出せるはずです。したがって、$y=-x$ の形が得られます。あとは、これが $\mathrm{B}(2,\ 2)$ を通るように調節すればOKです。$x=2$を代入して $y=2$ になるようにするためには、$+4$ すればいいので、求める直線は
$$y=-x+4$$

この方法であればほぼ暗算で直線の式が求められます。

(3) は平行四辺形との融合問題でした。一見すると難しそうに見えますが、図形的な特徴を考えるとものすごく単純な問題でした。

線分 $\mathrm{AB}$ と線分 $\mathrm{CD}$ は平行かつ長さが等しいので、(2)で考えたことをそのまま適応すると上図のようになります。$\mathrm{C}$ の座標からたどっていけば、$\mathrm{D}(6,\ -9)$ です。

これを $y=ax^2$ に代入すれば $a=-\frac{1}{4}$ が得られます。

関数と図形の融合問題は、基本的に図形の問題であるという意識を持つことが大切です。

基礎力チェック
  • 座標の計算:グラフ上の点はグラフの式を満たすことを理解し適切に応用する。
  • 変化の割合:$y=ax^2$ の変化の割合をいろいろな方法で求める。
  • 直線の式の導出:2点の座標から、傾きと切片を計算して直線の式を求める。
  • 交点の $\boldsymbol{x}$ 座標:2つの曲線(直線)の式を連立して $y$ を消去して得られる $x$ についての方程式の解に等しいことを理解する。
  • 図形との融合:関数よりも図形の問題であることを強く意識する

大問3・確率

難易度

解答

(1)$\displaystyle \frac{5}{36}$
(2)$\displaystyle \frac{8}{9}$

解説

さいころ2個を使ったよくあるタイプの確率の問題です。全事象が36通りなので、全パターンを書き出せば必ず解けます。(2)の無理数は、有理数の余事象(じゃない方)で考えるのが定石です。

大小2つのさいころを投げて、大きいさいころの出た目の数を十の位、小さいさいころの出た目の数を一の位として2けたの整数をつくります。つくった2けたの整数 $n$ についての問題です。

(1) は $n$ が8の倍数になる確率を求める問題でした。

$n$ は11から66までの整数です。このうち8の倍数を探します。$n$ の候補は $\{16, 24, 32, 40, 48, 56, 64\}$ です。($8 \times 2 = 16$ から $8 \times 8 = 64$ まで)

このうち、さいころの目(1~6)で構成できるものを探します。

  • $16 \to$ (大1, 小6) ... OK
  • $24 \to$ (大2, 小4) ... OK
  • $32 \to$ (大3, 小2) ... OK
  • $40 \to$ (大4, 小0) ... NG(0の目はない)
  • $48 \to$ (大4, 小8) ... NG(8の目はない)
  • $56 \to$ (大5, 小6) ... OK
  • $64 \to$ (大6, 小4) ... OK該当するのは $\{16, 24, 32, 56, 64\}$ の5通りです。

よって、確率は $\displaystyle \frac{5}{36}$ です。

(2) は$\sqrt{n}$が無理数になる確率を求める問題でした。

$\sqrt{n}$ が有理数になるのは、 $n$ が「平方数」のときです。

$n$ は11から66までの整数なので、この中で平方数となるものを探します。

  • $4^2 = 16 \to$ (大1, 小6) ... OK
  • $5^2 = 25 \to$ (大2, 小5) ... OK
  • $6^2 = 36 \to$ (大3, 小6) ... OK
  • $7^2 = 49 \to$ (大4, 小9) ... NG(9の目はない)
  • $8^2 = 64 \to$ (大6, 小4) ... OK該当するのは $\{16, 25, 36, 64\}$ の4通りです。

よって、「無理数」になる場合は $36-4=32$ 通りです。ゆえに、求める確率は

$$\frac{32}{36} = \frac{8}{9}$$

です。

基礎力チェック
  • 全事象の把握:基本は全パターンを書き出すこと。規則が見つかれば計算で処理する。
  • 条件の数え上げ:数えた全パターンの中なら条件を満たすものを拾い上げる。
  • 余事象の活用:条件を満たすものが多い場合は「条件を満たさないもの」を数えて全体から引く。

大問4・連立方程式

難易度標準

解答

解説参照

解説

問題文が少し長いですが、状況を正しく整理できれば、あとは計算するだけです。小数の計算がやや面倒ですが、入試では定番のレベルです。上位校を狙う人は完答必須と言えるでしょう。

「何を $x$、$y$ とおくか」がポイントですが、求めるものが「先週の個数」なので、ここは素直に先週のAを $x$ 個、Bを $y$ 個とおきましょう。

「予定」の状況について:

  • A: $x$ 個から44%増やすので $x \times (1 + 0.44) = 1.44x$ 個
  • B: $y$ 個から20%減らすので $y \times (1 - 0.20) = 0.8y$ 個

合わせて800個なので、

$$1.44x + 0.8y = 800\quad\cdots(1)$$

「実際」の状況について:

  • A: $x$ 個の2倍なので $2x$ 個
  • B: $y$ 個から60%減らすので $y \times (1 - 0.60) = 0.4y$ 個

合わせて720個なので、

$$2x + 0.4y = 720\quad\cdots(2)$$

あとは、(1)と(2)の2式を連立して解いて $x=250$、$y=550$ となります。

塾長

面倒な計算をやっていないかよくチェックしてくださいね。(2)を2倍したものから(1)を引くのが手っ取り早いかもしれません。

基礎力チェック
  • 基準量の設定:文字の設定は柔軟に。求めるものを文字で置くと面倒になることも知っておく。
  • 連立方程式の計算:同値変形を意識し、計算を工夫しながら解く。

大問5・作図

難易度標準

解答

解説参照

解説

3つの条件を1つずつ図形的に言い換えていけば、やるべきことが見えてきます。作図の基本が詰まった良問です。

与えられた条件は以下の3つでした。

  1. 点 $\mathrm{P}$ は、直線 $l$ の上側にある。
  2. $\angle \mathrm{PAB}=30^{\circ}$
  3. 点 $\mathrm{P}$ は、点 $\mathrm{B}$ で直線 $l$ と接する円の中心である。

点Pは円の中心です。以下のことを確認しましょう。

  • 条件3.「点$\mathrm{P}$は、点 $\mathrm{B}$ で直線 $l$ と接する円の中心である」
    円が直線 $l$ と点 $\mathrm{B}$ で「接する」ということは、半径 $\mathrm{PB}$ と直線 $l$ は垂直に交わります。つまり、点 $\mathrm{P}$ は「$\mathrm{B}$ を通り、直線 $l$ に垂直な直線上」に存在します。
  • 条件2.「$\angle \mathrm{PAB}=30^{\circ}$」
    点 $\mathrm{P}$ は「線分 $\mathrm{AB}$ を基準として、点 $\mathrm{A}$ から $\mathrm{30}^\circ$ の角度で引いた直線上」に存在します。

作図の手順は以下のようになります。$\mathrm{30}^\circ$ は直接作図はできないので、正三角形を作図して $\mathrm{60}^\circ$ を作ったのちに、角の二等分線を作図すればOKです。

  1. 点Bを通り、直線 $l$ に垂直な直線 $m$ を作図する。
  2. 点Aで、$\mathrm{60}^\circ$(正三角形)を作図し、その角の二等分線 $n$ を引きます。    
  3. 直線 $m$ と直線 $n$ の交点が $\mathrm{P}$ となります。
基礎力チェック
  • 条件の言い換え:「2直線から等距離にある=角の二等分線」などの言い換えを適切に行う。
  • 基本の作図:定規とコンパスによる基本的な図形の作図ができるように。(高校入試と作図の話を参照)

大問6・規則性(復習おすすめNo.2)

難易度標準

解答

(1)$119$
(2)$a=63$
(3)解説参照

解説

表の規則性を読み解く問題です。(1)、(2)は確実に得点したいところです。(3)は $m$、$n$ を使った文字式での説明であり、ここが差がつくポイントでした。上位校狙いの人は確実に全部解き切りたい問題です。

下のような表があり、表の中の3つの自然数を図のような図形で囲みます。

(1)は上図の枠で囲まれた自然数のうち、最も小さい数が34のとき、枠で囲まれた3つの自然数の和を求めよという問題でした。枠の形の規則性を理解できれば簡単です。

図1の例(10, 18, 19)を見ると、枠の3数は、

  • 左上の数 $n$ (例: 10)
  • その真下の数 $n+8$ (例: 18)
  • その右下の数 $n+9$ (例: 19)という関係になっています。(1行に8つの数があるため、真下は+8)

最も小さい数が34なので、$n=34$ です。残りの2つは $34+8=42$ と $34+9=43$ です。

よって、和は

$$34 + 42 + 43 = 119$$

です。

(2)は枠で囲まれた自然数のうち、最も小さい数が$a$で、枠で囲まれた3つの自然数の和が206のとき、$a$の値を求めなさいというものでした。

これは(1)でわかった規則性を使い、方程式を立てるだけです。3つの数は $a$、$a+8$、$a+9$ と表せます。

これらの和が206なので、

\begin{align*}
a + (a+8) + (a+9) &= 206 \\
3a + 17 &= 206 \\
3a &= 189 \\
a &= 63
\end{align*}

(3)は少し面倒だったかもしれません。

枠で囲まれた自然数のうち、最も小さい数が$m$行目$n$列目にあるとき、枠で囲まれた3つの自然数の和を$S$とする。また、枠で囲まれた自然数のうち、最も小さい数が$n$行目$m$列目にあるとき、枠で囲まれた3つの自然数の和を$T$とする。このとき、$S-T$の値はつねに7の倍数になることを文字を使った式で説明しなさい。ただし、$m$は4より小さく、$n$は7以下の自然数とする。

という問題でした。$m$、$n$ を使って $S$ と $T$ を正しく表すことができるかが全てです。ここが分からなかった人は下の具体例を見てください。

【ルールを探すための具体例】

1行に8つの数がある、というのが大前提です。

例1:( $m=2$, $n=3$ ) すなわち「2行目3列目」の数はいくつか?

表を見ると「11」です。この「11」はどう計算できるでしょうか?

  • 2行目に行くには、まず1行目をすべて終える必要があります。
  • 1行目( $m=1$ )には8個の数があります。
  • 2行目の先頭(2行目1列目)は、8個終わった次の「9」です。
  • $9 = 8 \times (2-1) + 1$
  • 2行目3列目($n=3$)は、そこからさらに2つ進みます( $1 \to 2 \to 3$ )
  • よって、「11」は $8 \times (2-1) + 3 = 8 + 3 = 11$ と計算できます。

例2:( $m=3$, $n=2$ ) すなわち「3行目2列目」の数はいくつか?

表を見ると「18」です。

  • 3行目に行くには、まず2行目まですべて終える必要があります。
  • 終わった行数は $(3-1)=2$ 行です。
  • そこまでに $8 \times (3-1) = 16$ 個の数があります。
  • 3行目2列目($n=2$)は、その16が終わった後、2番目の数です。
  • よって、「18」は $8 \times (3-1) + 2 = 16 + 2 = 18$ と計算できます。

【ルールの一般化(文字式へ)】

この実験から、以下のルールが見えてきます。

「$m$行目$n$列目」の数 $a$ を求めるには、

  1. まず $(m-1)$ 行ぶんの数を数え終える $\implies 8 \times (m-1)$
  2. $m$行目に入ってから $n$ 列目までの $n$ 個を足す $\implies + n$

したがって、最小の数 $a$ は $\boldsymbol{a = 8(m-1) + n}$ と表すことができます。

これができれば、この問題は解けたも同然です。

$m$ 行目 $n$ 列目の数($S$ の最小値)を $a$ とします。

$a$ は、$m$行目に来るまでに $(m-1)$ 行ぶんの数が並んでおり、1行は8個なので、$8 \times (m-1)$ 個の数が $a$ の前にあります。それに $n$ 列目を足して、

$$a = 8(m-1)+n$$

と表せます。

$S$ は、最小値が $a$ のときの3数の和なので、(2)より

$$S = a + (a+8) + (a+9) = 3a + 17$$

$a$ を $m$、$n$ で表すと、

\begin{align*}
S &= 3(8(m-1)+n) + 17 \\
&= 3(8m-8+n) + 17 \\
&= 24m + 3n - 7
\end{align*}

次に $T$ を考えます。

$T$ は、最小値が $n$ 行目 $m$ 列目にあるときの和です。

この最小値 $b$ は、

$$b = 8(n-1) + m = 8n - 8 + m$$

$T$ は、最小値が $b$ のときの3数の和なので、

$$T = b + (b+8) + (b+9) = 3b + 17$$

$b$ を $m$、$n$ で表すと、

\begin{align*}
T &= 3(8n - 8 + m) + 17 \\
T &= 24n - 24 + 3m + 17 \\
T &= 24n + 3m - 7
\end{align*}

これで $S$ と $T$ を $m$、$n$ の式で表すことができました。

次に、$S-T$ を計算します。

\begin{align*}
S - T &= (24m + 3n - 7) - (24n + 3m - 7) \\
&= 21m - 21n \\
&= 7(3m - 3n)
\end{align*}

$m$、$n$ は自然数なので、$m-n$ は整数。よって、$S-T$ はつねに7の倍数になります。

基礎力チェック
  • 局所的規則性の把握:表を観察し、枠内の3数の関係(1行8個 $\implies$ 真下は+8)を読み取って $a$、$a+8$、$a+9$ と一般化する。
  • 全体的規則性の把握(代数化):「$m$行目$n$列目」の数を具体例をもとに $8(m-1)+n$ と一般化する。

大問7・空間図形(復習おすすめNo.1)

難易度標準

解答

(1)$3$ 本
(2)$56\,\mathrm{cm}^2$
(3)$\displaystyle \frac{9}{2}\,\mathrm{cm}$

解説

(1)ねじれの位置は基本中の基本です。(2)の表面積の差、(3)の体積比、どちらも空間図形の頻出問題です。(2)は一見すると複雑に見えますが、$\mathrm{P}$ と $\mathrm{Q}$ で共通する面(切断面)が打ち消し合うことに気づけば、計算は簡潔になります。(3)も三角錐の体積を考えると簡単です。

今回は上図のような三角柱に関する問題でした。

(1)は辺 $\mathrm{AB}$ とねじれの位置にある辺の本数を答えなさいというもの。

辺ABを基準に、他の辺を分類します。

  • 交わる辺: $\mathrm{AC}, \mathrm{AD}, \mathrm{BC}, \mathrm{BE}$
  • 平行な辺: $\mathrm{DE}$
  • 残りの辺: $\mathrm{DF}, \mathrm{EF}, \mathrm{CF}$

残った3本が、ねじれの位置にある辺です。

(2)は下図において、$\mathrm{AB}=12\mathrm{cm}$、$\mathrm{BC}=7\mathrm{cm}$、$\mathrm{AD}=8\mathrm{cm}$、$\angle \mathrm{ABC}=90^{\circ}$ で、三角柱を、3点$\mathrm{B}$、$\mathrm{C}$、$\mathrm{D}$ を通る平面で切り分けたとき、、点$\mathrm{E}$をふくむ立体($\mathrm{Q}$)の表面積から、点$\mathrm{A}$をふくむ立体($\mathrm{P}$)の表面積をひいた差を求めなさいという問題です。

まともに $\mathrm{P}$ と $\mathrm{Q}$ の表面積を計算しようとすると、 $\triangle \mathrm{BCD}$ の面積を求めることになり、非常に複雑です。

こういう「差を求めよ」という問題は、共通部分が打ち消し合うことを利用してできるだけ計算を回避するのがコツです。

というわけで、立体 $\mathrm{P}$ と立体 $\mathrm{Q}$ に共通する面積を考えていきましょう。

まず、切断面の $\triangle \mathrm{BCD}$ は、$\mathrm{P}$ の表面積にも $\mathrm{Q}$ の表面積にも含まれる共通の面です。したがって、差をとると相殺されます。

また、$\triangle\mathrm{ABC}$ と $\triangle\mathrm{DEF}$ も同じ面積なので相殺されます。

さらに、$\triangle\mathrm{ABD}$ と $\triangle\mathrm{EDB}$ は長方形 $\mathrm{ABDE}$ を半分にしたもので、これらも相殺されます。同様に $\triangle\mathrm{ACD}$ と $\triangle\mathrm{FDC}$ も相殺されます。

結局、残るのは四角形 $\mathrm{BCFE}$ の面積となるので、これを計算して $8\times 7=56$($\mathrm{cm}^2$) となります。

(3)は下図が与えられています(色はこちらでつけました)。

$\mathrm{AB}=9\mathrm{cm}$、$\mathrm{BC}=4\mathrm{cm}$、$\mathrm{AD}=6\mathrm{cm}$、$\angle \mathrm{ABC}=90^{\circ}$ である。辺 $\mathrm{BE}$ 上に点 $\mathrm{G}$ をとり、3点 $\mathrm{A}$、$\mathrm{C}$、$\mathrm{G}$ を通る平面で切り分けたとき、点 $\mathrm{B}$ をふくむ立体の体積を $\mathrm{M}\mathrm{cm}^{3}$、点 $\mathrm{E}$ をふくむ立体の体積を $\mathrm{N}\mathrm{cm}^{3}$ とする。$\mathrm{M}:\mathrm{N}=1:3$ のとき、$\mathrm{BG}$の長さを求めなさい。

立体 $\mathrm{M}$ は三角錐となります。このとき、次のような図を考えます。

このときの三角錐 $\mathrm{E-ABC}$ は三角柱の体積の $\displaystyle \frac{1}{3}$ となります。この三角錐 $\mathrm{E-ABC}$ の高さ $\mathrm{BE}$ を $k$ 倍したものが $\mathrm{BG}$ であるとすると、三角錐 $\mathrm{G-ABC}$(立体 $\mathrm{M}$) は三角柱の体積の

$$\frac{1}{3}\times k$$

となります。一方、立体 $\mathrm{N}$ の体積は、三角柱の体積の $\displaystyle \left(1-\frac{1}{3}k\right)$ となるので、

$$1:3=\frac{1}{3}k:\left(1-\frac{1}{3}k\right)$$

よって、$\displaystyle k=1-\frac{1}{3}k$ すなわち $\displaystyle k=\frac{3}{4}$ となります。

したがって、$\mathrm{BG}$ の長さは $\displaystyle 6\times \frac{3}{4}=\frac{9}{2}$ となります。

塾長

$\mathrm{M}:\mathrm{N}=1:3$ ということは、三角柱の体積を $\mathrm{V}$ とすると、$\mathrm{M:V}=1:4$ ということになります。考えていることは同じですが、ここから暗算ですぐに答えを出すことも可能ですね。$\displaystyle \frac{1}{3}$ から $\displaystyle \frac{1}{4}$ にするんで、$\displaystyle \frac{3}{4}$ 倍すればいいな、となるのが理想です。

基礎力チェック
  • 表面積の「差」の洞察:(2)で、共通の面(切断面 $\triangle \mathrm{BCD}$)や合同な面(底面、側面の半分)が「相殺される」ことを見抜き、計算を簡略化する。
  • 体積の公式:三角柱(底面積 $\times$ 高さ)と、三角錐($\frac{1}{3} \times$ 底面積 $\times$ 高さ)の公式の意味をおさえる。
  • 体積比の応用:$M:N=1:3$ を、三角柱全体の体積との比($M:V_{total}=1:4$)に変換する。

大問8・平面図形

難易度標準

解答

(1)36度
(2)$\displaystyle\frac{11}{4}$ 倍
(3)解説参照

解説

最後の大問は平面図形でした。(1)は角度の問題で、正三角形や二等辺三角形の性質を利用する問題でした。(2)は中点というヒントから面積比で解くのが定石ですが、計算量がやや多めです。(3)の合同証明は、直角三角形の合同証明の典型的なパターンであり、これは絶対に完答したい問題でした。図形の基礎力が総合的に問われる、良質な問題セットと言えます。

(1) 下図において、$\mathrm{AF}$上に $\triangle \mathrm{AEG}$が正三角形となるような点$\mathrm{G}$をとり、$\mathrm{EC}=\mathrm{EG}$、$\angle \mathrm{CGF}=48^{\circ}$ であるときの $\angle \mathrm{CEG}$の大きさを求めるという問題でした。

図からもわかるように、$\triangle \mathrm{AEG}$ が正三角形であることから $\angle\mathrm{AGE}=60^\circ$ であり、$\angle \mathrm{CGF}=48^{\circ}$ とあわせて

$$\angle\mathrm{EGC}=72^\circ$$

が分かります。$\mathrm{EC}=\mathrm{EG}$ より $\triangle \mathrm{EGC}$ は二等辺三角形なので

$$\angle\mathrm{CEG}=36^\circ$$

となります。

(2) 問題は以下のようなものです。

点 $\mathrm{E}$、点 $\mathrm{F}$ はそれぞれ辺 $\mathrm{BC}$、辺 $\mathrm{CD}$ の中点で、線分 $\mathrm{AE}$ と線分 $\mathrm{BF}$ の交点を $\mathrm{H}$ とすると、$\mathrm{AH}:\mathrm{HE}=4:1$となる。このとき、四角形$\mathrm{AHFD}$の面積は、$\triangle \mathrm{ABH}$の面積の何倍か、求めなさい。

$\mathrm{AH}:\mathrm{HE}=4:1$ という分かりやすい比が与えられているので、まずはこれを利用することから考えていきましょう。上図から、高さの等しい2つの三角形に着目して

$$\triangle \mathrm{ABH}:\triangle \mathrm{EBH}=4:1$$

ここで、$\triangle \mathrm{ABH}=4S$ とすると、$\triangle \mathrm{EBH}=S$ となり、$\triangle \mathrm{ABE}=5S$ となります。点 $\mathrm{E}$は $\mathrm{BC}$ の中点なので、$\triangle \mathrm{ABE}$ は長方形 $\mathrm{ABCD}$ の$\displaystyle\frac{1}{4}$ となります。

塾長

図のように点 $\mathrm{I}$ を取ってみると一目瞭然ですね!

同様に考えると $\triangle \mathrm{BCF}$ も長方形 $\mathrm{ABCD}$ の$\displaystyle\frac{1}{4}$ となります。つまり、$\triangle \mathrm{BCF}$ の面積も $5S$ となります。

また長方形 $\mathrm{ABCD}$ の面積は$5S\times 4=20S$ となります。

この長方形から、2つの面積の等しい三角形 $\triangle \mathrm{ABE}$ と $\triangle \mathrm{BCF}$ を引きます。この際、$\triangle \mathrm{BEH}$ を2回引いていることに注意して、求める図形の面積は

$$20S-5S-5S+S=11S$$

となります。よって、四角形$\mathrm{AHFD}$の面積 $11S$ は、$\triangle \mathrm{ABH}$ の面積 $4S$ の $\displaystyle \frac{11}{4}$ 倍となります。

(3)は合同の証明でした。

図において、$\triangle \mathrm{AEF}$は $\angle \mathrm{AEF}=90^{\circ}$ の直角二等辺三角形で、このとき $\triangle \mathrm{ABE} \equiv \triangle \mathrm{ECF}$ であることを証明しなさいという問題でした。これは非常に易しい問題でした。

【証明】
$\triangle \mathrm{ABE}$ と $\triangle \mathrm{ECF}$ において、$\triangle \mathrm{AEF}$ は直角二等辺三角形であるから

$$\mathrm{AE} = \mathrm{EF}$$

また、四角形 $\mathrm{ABCD}$ は長方形であるから、

$$\angle \mathrm{ABE} = \angle \mathrm{ECF} = 90^{\circ}$$

点 $\mathrm{E}$ は直線 $\mathrm{BC}$ 上の点であり、$\angle \mathrm{BEC} = 180^{\circ}$ である。

$\angle \mathrm{AEF} = 90^{\circ}$ であるから、

\begin{align*}
\angle \mathrm{AEB} + \angle \mathrm{CEF} &= 180^{\circ} - \angle \mathrm{AEF}\\
&= 180^{\circ} - 90^{\circ} = 90^{\circ}
\end{align*}

次に、$\triangle \mathrm{ABE}$ の内角の和に着目すると、$\angle \mathrm{ABE} = 90^{\circ}$ であるから、

$$\angle \mathrm{BAE} + \angle \mathrm{AEB} = 90^{\circ}$$

$\angle \mathrm{CEF} = 90^{\circ} - \angle \mathrm{AEB}$ と、$\angle \mathrm{BAE} = 90^{\circ} - \angle \mathrm{AEB}$ より、

$$\angle \mathrm{BAE} = \angle \mathrm{CEF}$$

直角三角形の斜辺と一つの鋭角がそれぞれ等しいので、

$$\triangle \mathrm{ABE} \equiv \triangle \mathrm{ECF}$$

(証明終)

基礎力チェック
  • 面積比と辺の比の関連:高さが等しい三角形($\triangle \mathrm{ABH}$ と $\triangle \mathrm{EBH}$)の面積比を線分比から考える。
  • 面積計算の工夫:(2)で、長方形 $\mathrm{ABCD}$ から2つの三角形を引く際に、重なり部分($\triangle \mathrm{BEH}$)を正しく処理する($20S - 5S - 5S + S$)。
  • 合同証明(角度の連鎖): (3)で、$\angle \mathrm{AEF}=90^{\circ}$ と $\angle \mathrm{BEC}=180^{\circ}$、$\triangle \mathrm{ABE}$ の内角の和 ($90^{\circ}$) を使い、$\angle \mathrm{BAE} = \angle \mathrm{CEF}$ と導く。

解いてみての感想

今年も易しめの問題が多かったので、昨年と同じくらいの約15分で解き終わりました。

ただし、表面的な理解で止まっているような人は、面倒な計算をしないといけない場面もあり、時間を取られたのではないでしょうか。前半の大問2や大問4なども素直に解くとそれなりの計算を要求されます。また、後半の図形についても、いろいろな考え方ができますが、その中で負担の少ない考え方を選択できたかどうかが高得点への分岐点となったのではないかと思います。

私の評価としては「簡単」となりますが、受験生にとっては決して簡単ではないでしょう。とくに、基礎が疎かになっている人はかなり厳しい結果になっているようです。

本番までの時間を有効に活用するためにも、まずはこの統一テストの復習をしっかりとやって、現時点の課題を認識することが大切です。また、点数が取れていた人も結果に満足して終わるのではなく、よりよい方法がないかなど、じっくりと考えてみると良いでしょう。

塾長

というわけで、今回の解説はここまで!

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ