毎年受験を経験していますが、やはり「受験というのは簡単なものではない」ということを痛感させられます。合格の知らせに喜ぶ人もいれば、不合格という現実に打ちひしがれる人もいるはずです。うちの塾生についても、全員が合格することは珍しく、やはり悲喜交々といった感じです。国公立大学の平均倍率は4倍を超えているので、現実として受かる人の方が少なく、合格した人の倍以上の人が不合格という結果に涙を飲む結果となります。高校受験では、そこまで倍率が高くなることはありませんが、ほとんどの人にとっては「初めての入試」という難しさがあると思います。
高校受験や大学受験では無謀な挑戦でない限りは、同じような学力の人と僅差で競うことになります。正直なところ合否は「運」に左右される部分も大きいのです。不合格だったからと言って、すべてを否定したり、全部が全部失敗だと決めつける必要はどこにもありません。ただ、反省すべき点をきちんと炙り出して、次に向けて修正をしていけばいいだけです。高校受験や大学受験で何かが終わるわけではないのですから。
同じように、合格という結果を成功だと丸めてしまったり、派手なサクセスストーリーを成功事例の代表のように祭り上げたりする必要もないわけです。もちろん、結果が出ているものを否定するつもりはありませんが、瞬間的な成功を必要以上に強調するのも考えものだと思うのです。何でもかんでも最初から上手くいくなんてことはありません。いろいろと失敗を繰り返しながら、それを修正してきちんとゴールにたどり着くことの方がよっぽど大切です。24年前の同じ時期に、不合格の知らせを受け取った私が断言します。
うちの塾は数年前から合格実績を大々的に発表するのをやめました。最初の頃は、思った以上の結果が出て調子に乗っていたところもあったと思います。ただ、小さい塾のため、実績を出したところで数字のインパクトはまったくないですし(笑)、何よりも不合格の生徒に余計な気遣いをさせてしまうのが心苦しかったからです。あるとき「実績になるような結果出せなくてゴメンね」といったこと言われたことがあり、生徒にそんな風に思わせてしまっていた自分を強烈に恥じました。まあ、実績出せない塾なんて塾じゃないという人もいると思いますが、私はそんなことないと思っています。勉強というのは頭がいい人だけのものではないですから。
と、毎年似たようなことを書いていますが、今年も不合格だった生徒に心からエールを送りたいと思います。まだ、終わりじゃないですよ!