【具体例を作る!】数学が苦手な人ほどやらない本当は大切なアレ

6月から学校での通常授業が再開されましたね。塾生に話を聞いてみましたが、いきなり授業がフルで始まると体力的に結構キツいようです。あまり無理をせず、徐々に慣らしていきましょう。

そして、体力面以外にも、3ヶ月近くに及んだ休校期間の影響はこれから色々と出てきそうです。

とくに受験生への影響があれこれと取り上げられやすいのですが、個人的には中学1年生や高校1年生の方が気になるところです。

スタートが大切

毎年、最初の一歩でおかしな方向へ進んでしまい、軌道修正ができなくなって塾へ駆け込んでくる生徒が後を絶ちません。

しかも、気づいた時にはすでに手遅れになっているという状況がほとんどです。

かなり雑な分類になりますが、その最初の一歩について大きく分けると

  • 概念を理解しようとする
  • 問題を解けるようにする

と2つに分かれていきます。

どちらが正しいという話ではありません。また、本来、この2つは区別されるものではなく1つのセットになっていなければダメです。

ただ、後者のパターンが行きすぎて修正不能となってしまった人を多く見てきたので、そこは十分に注意を払ってもらいたい部分です。

こんな感じになっていませんか?

先日も高校1年生の数学についての記事を書きましたが、早速おかしなことになってきている人もいるはずです。

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この「絶対値」の部分は、その後の高校数学をどう学んでいくかということの試金石となる単元とも言えます。

たとえば、絶対値については教科書で

実数 $a$ に対して、数直線上に点 $\mathrm{A}(a)$ をとる。原点から点 $\mathrm{A}(a)$ までの距離 $\mathrm{OA}$ を $a$ の絶対値といい $|a|$ で表す。

東京書籍『数学I Advanced』

と説明されています。

こうした説明に対してどのようなアクションをしているでしょうか?

数学が苦手な生徒を観察していると、上のような教科書の説明をサッと読んで「へ〜、そうなんだ」で終わってしまう人がたくさんいます。

そして、いきなり問題集を開いて問題を解き始めます。

もちろん、そういう方法でも正しく理解できれば何の問題もありませんが、そんなに簡単に理解できるのなら数学で苦労する人はいません。

悩める生徒
絶対値は分かったけど問題が解けないんです・・・

そんなこと言う人もいますが、残念ながらその状態では分かっているとは言えません。

問題は、こうした「解けない状態」からどういう風に先へ進んでいくかという部分です。

問題を繰り返しやって解き方を覚える

数学が苦手な人がやってしまっていることの1つに次のようなことがあります。

問題を解けるようにするために問題を解く

禅問答のような言い回しになっていますが、難しい話ではありません。

問題が解けない状態のままではテストで点数が取れないため、何とかして「解ける方法」を探すようになります。

その最たる例は「みはじ」だの「くもわ」だの「はじき」だのと言われるものです。(下のような図を書いてませんか?)

いわゆる、「理解できていなくても、ある手続き(解き方)に沿って決まった操作をやっていけば答えが求まる」という方法です。

こういう感じで、「問題を解けるようにする」ために繰り返し問題をやって手続きを覚えることが勉強の中心となっていきます。

この方法は、学校の定期テストやそれほど難しくない模試など、あるレベルまでは非常に有効だというのが厄介なところです。

また、もともと記憶力が高い学生であれば、パワーだけで大学受験まで押し切ってしまえるという悪魔の方法でもあります。

しかし、一定のレベルを超えてしまうと途端に通用しなくなります。

これが顕著に現れるのが、中学1年生や高校1年生(大学1年生も!)です。

絶対値の単元はこうしたおかしな方向へ進む生徒を生み出す分水嶺の1つとなっています。

問題演習は必要不可欠なのですが、その目的が何かを分かっていないと無意味な作業を繰り返すだけとなってしまいます。

数学における問題演習は理解度を測るためのものであり、理解できていない部分を明らかにするためのものなのです。決して、手続きを覚えるためのものではないということは強く指摘しておきたい部分です。

具体例をたくさんやってみる

先ほど例として挙げた絶対値の説明のところでは、理解の補助のために以下のような図が入っています。

こうしたイメージは理解の大きな助けとなってくれます。

しかし、この図だけで十分に理解できるという人はいないでしょう。

そこで、$a$ ではなく、実際にイメージしやすい具体的な数値を考えてみるのです。

実は、数学ができる人の多くは、こうした具体例をたくさん考え、具体例を通して理解をしているのです。

$a<0$ の例として $a=-3$ の場合作ってみます。また、$a>0$ の例として $a=3$ の場合を作ってみます。

これでも足りなければ、$-2$ と $2$ とか、$\displaystyle-\frac{1}{3}$ と $\displaystyle\frac{1}{3}$ など、可能な限り具体的な数値で例を作ってみましょう。

ここで大切なことは、自分の頭で例を考え、自分の手で書き出すということです。

なお、具体例を作ってみるのは「理解を深めるため」という意識もきちんと持ってくださいね。「具体例を作るために具体例を作る」にならないように気を付けましょう。

とにかく、可能な限りいろいろな例を作ってみたら、もう一度最初の $a$ を用いた図に戻ってみてください。この具体と抽象の行き来を頭の中で自在にできるようになるまで繰り返します。実感が掴めるまで、100個でも200個でもやってみましょう(そんなに必要ないですが)。

そうして、教科書に書かれていることを、具体例を自分で作って補いながら理解を深めていくのです。

そして、問題演習も具体例の一環です。少し複雑な「具体例」をやってみることで、自分では気づけない「間違い」や「勘違い」を発見していくのです。

様々な具体例を考えて、思考を整理すること

これが、数学が苦手な人たちが共通してやっていない大切なことなのです。

塾長
ちなみに私は生徒に対して「教科書をよく読むこと」といった話をします。が、それは単に文字を追いかけるという意味ではありません。なので、最近は「手を使って読む」という表現をすることが増えました。
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