SHARE:

2026年度石川県公立高校入試「数学」解説

2026年度石川県公立高校入試「数学」解説

概観

構成

問題数

  • 大問数 7問
  • 小問数 22問

出題分野

  • 小問集合
  • 規則性
  • 関数
  • 方程式
  • 作図
  • 平面図形
  • 空間図形

講評

問題数や出題分野については大きな変化ありませんでした。出題内容は、年度によって変動する大問2が規則性の問題でしたが、他は例年通りの出題内容でした。

2025年度に引き続き問題文が長めのものが多かったというのが2026年度入試の特徴です。後半の図形は理解度の差がはっきりと出る問題で、解ける人はあっさり解けたと思いますが、そうでない人はかなり苦戦したのではないかと思います。それ以前に前半で時間を取られて、後半はほぼ手付かずという人も結構いたのではないかと思います。

全体的には、数学的な能力というよりも処理速度を問われる問題だったと言えます。とくに、前半の代数分野の問題で手間取った人は、かなり焦ったのではないかと思われます。長文化+処理速度を問う形式は全国的なトレンドなので、普段の勉強でも意識しておきたいところです。

ただし、こうした出題傾向が数学の試験として良いかといわれると、肯定し難い部分があるのも事実です。個人的には、もう少し純粋に数学の力を問う問題が増えて欲しいと思っています。とくに、2026年度は図形の問題が比較的良い問題だったので、前半がもっと良い問題であれば完成度が高い問題となっていたように思います。

塾長

数学的というよりは処理速度的な意味で、受験生には少し厳しい内容だったように思います。

全体的な難易度やや難

各問題の解説

ここからは各大問ごとの内容を見ていきます。

大問1・小問集合

難易度

(1)の計算はノーミスでクリアしたい問題です。

ア $-7+3 = \boldsymbol{-4}$
イ $-4^2+6\div(-3) = -16 - 2 = \boldsymbol{-18}$
ウ $\dfrac{14}{3}a^3b^2 \div 7ab^2 = \boldsymbol{\dfrac{2}{3}a^2}$
エ $\dfrac{4x-2y}{5} - \dfrac{x-y}{3} = \dfrac{12x-6y-5x+5y}{15} = \boldsymbol{\dfrac{7x-y}{15}}$
オ $\sqrt{54} \div \sqrt{2} + \sqrt{48} = 3\sqrt{3} + 4\sqrt{3} = \boldsymbol{7\sqrt{3}}$

このくらいの計算量で切り抜けたいところです。丁寧にやりすぎてもミスを誘発するので、適度に暗算しながらやりましょう。

(2)は単純な2次方程式の問題でした。

$$x^2-3x-4=0\Longleftrightarrow (x+1)(x-4)=0$$

よって、$x=-1$ または $x=4$ となります。

(3)は角度の問題でした。外角の和が常に $360^\circ$ であることを利用します。

$360-(106+60+85)=180-x$ となるので、$x=71$ が得られます。よって、$71^\circ$ です。

塾長

ちなみに、多角形の外角の和が $360\circ$ になることは証明できますか?

(4)は平方根のよくある問題でした。$\sqrt{13-a}$($a$は自然数)が整数になるには、ルートの中身 $13-a$ が自然数の平方数($0$、$1$、$4$、$9$、$16\dots$)である必要があります。$a$ は自然数なので $13-a < 13$ です。よって該当する平方数は $0$、$1$、$4$、$9$ となります。

  • $13-a = 0 \Rightarrow a=13$
  • $13-a = 1 \Rightarrow a=12$
  • $13-a = 4 \Rightarrow a=9$
  • $13-a = 9 \Rightarrow a=4$

したがって、$a$ は4、9、12、13となります。

(5)はデータの分析と確率の問題でした。

中央値が5という条件から、下図のように4と6が定まります。また、8のカードは6枚です。

410 6888888610\underbrace{\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,4}_{10枚}\ \underbrace{6\,\bigcirc\,\bigcirc\,\bigcirc\,\overbrace{8\,8\,8\,8\,8\,8}^{6枚}}_{10枚}

したがって、6は全部で4枚あることが分かります。次に、1枚引いたとき、4と6をひく確率は $\dfrac{3}{10}$ なので、4が $a$ 枚であるとすると
$$\dfrac{a+4}{20}=\frac{6}{20}$$
が成り立ちます。これを解いて、$a=2$ となります。

大問2・規則性

難易度

図のような表における規則性を考える問題でした。教科書の例題レベルの簡単な問題だったので、上位校狙いの人はここは絶対に落とせない問題でした。

図1のような数表が与えられていました。

(1)は上から7行目、左から4番目の数を求める問題でした。まずは、上から7行目を考えましょう。

規則としては、1行目の1から10ずつ増えていくので、7番目は上図から $31+30=61$ となります。

次に、左から4番目を考えます。同様に、61から2ずつ増えていくので $61+6=67$ となります。

(2)は枠で囲まれた部分における関係を考える問題でした。下図のように囲まれた3つの数の関係を考えます。

図3のように $a$、$b$、$c$ を設定すると、$a$ は奇数なので $n$ を自然数として $2n-1$ と表せます。このとき、(1)で考えた規則から、$b=a+2=2n+1$、$c=a+10=2n+9$ となります。よって

\begin{align*}
bc-a^2&=(2n+1)(2n+9)-(2n-1)^2\\
&=24n+8\\
&=8(3n+1)
\end{align*}

となることから、$bc-a^2$ は8の倍数となることが分かります。

大問3・関数

難易度標準

大問3もよく見かける「料金プラン」の問題でした。情報がゴチャゴチャしているので、整理して必要な情報だけを抜き出して考えていきましょう。

大事なのはこの表です。あとは、1次関数の傾きが1分あたりの料金となることを押さえておきましょう。

(1)は $a=13$ のときのCプランにおける4分のときの料金なので

$$13\times 4=52$$

となります。

(2)はグラフを用いた問題でした。

Bのグラフを書き込んでいくと、上の赤線となります。$5\leqq x\leqq10$ では傾きが12なので、5分で60増えます。したがって、$(10,\ 90)$ まで直線で結び、さらに $10\leqq x\leqq15$ では傾きが30なので、5分で150増えます。したがって、$(15,\ 240)$ まで直線で結びます。グラフが正確に描けていれば、これだけで $x=14$ が読み取れます。

図形を用いると、検算も簡単です。

$10\leqq x\leqq15$のAとBのグラフを抜き出すと上図のように相似な三角形が見えてきます。相似比は$4:1$なので、$10\leqq x\leqq15$ の範囲を5分割すれば、$x=14$ がすぐに確認できます。

(3)は面倒に感じるかもしれませんが、条件を1つ1つ整理していけば、難しくはありません。

通話が10分のとき、AとCの料金が一致するので

$$5a+5(a+6)=150$$

これより、$a=12$ が分かります。

さらに通話が20分のとき、料金は $\mathrm{A<D<C}$ となります。Aの料金は300、Cの料金は $5\times 12+15\times (12+6)=330$、Dは $10b$ となるので

$$300<10b<330$$

したがって、$30<b<33$ となります。

大問4・方程式

難易度

文章が長く、面倒に感じたかもしれませんが、非常にシンプルな問題でした。必要な情報は表と、以下の条件です。

  • 新聞は段ボールの1.5倍
  • 新聞と段ボールと雑誌の合計は1360
  • 金額は8900円

段ボールを $x$ とすると、新聞は $1.5x$、雑誌は $1360-2.5x$ となります。

$$8x+10.5x+5(1360-2.5x)=8900$$

これを解くと、$x=350$ となります。

よって、段ボール350、新聞紙525、雑誌485となります。

大問5・作図

難易度やや難

大問5は作図の問題でした。与えられた条件を正しく言い換えられたかどうかがポイントです。

条件「点 $\mathrm{P}$ は辺 $\mathrm{AC}$ が $\mathrm{BC}$ に重なるように折ったときの折り目の線分上にある」はどう言い換えられるでしょうか。

実際に折ってみると分かりますが、折り目の線分は $\angle\mathrm{ACB}$ の二等分線となります。

また、$\triangle\mathrm{PBC}$ の面積が $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積の $\dfrac{1}{2}$ となることから、高さが半分になることが分かります。これは、$\mathrm{A}$ から $\mathrm{BC}$ に垂線を下ろし、その交点を $\mathrm{D}$ としたときに、$\mathrm{AD}$ の垂直二等分線上に $\mathrm{P}$ があると言えます。

したがって、$\angle\mathrm{ACB}$ の二等分線と $\mathrm{A}$ から $\mathrm{BC}$ に下ろした垂線の垂直二等分線の交点が $\mathrm{P}$となります。

大問6・平面図形

難易度標準

大問6は平面図形の問題でした。円、正三角形、三平方の定理となかなかバラエティに富んだ内容でしたが、内容は標準的な平面図形の問題でした。(3)では3つの合同な二等辺三角形に気づけたかどうかがカギでした。

(1)は円に内接する正三角形の問題です。これは、$120^\circ$ と瞬殺したい問題です。

円周角 $60^\circ$ から求めてもいいですし、$360^\circ\div3$ と考えてもいいでしょう。

(2)は合同の証明でした。条件として $\angle\mathrm{AFE=60^\circ}$ があるので、角度を中心に考えましょう。もちろん、正三角形なので等しい辺にも意識を向けつつです。

$\triangle\mathrm{ABD}$ と $\triangle\mathrm{BCE}$ において、まずは $\mathrm{AB=BC}$ です。また、$\angle\mathrm{ABD}=\angle\mathrm{BCE}$ もすぐに分かります。残りは、使っていない角の条件があるので、$\angle\mathrm{BAD}=\angle\mathrm{CBE}$を狙いましょう。

$$\angle\mathrm{BAD}+\angle\mathrm{ABF}=60^\circ$$
$$\angle\mathrm{CBE}+\angle\mathrm{ABF}=60^\circ$$

が成り立つので $\angle\mathrm{BAD}=\angle\mathrm{CBE}$ となります。

したがって、$\triangle\mathrm{ABD}\equiv \triangle\mathrm{BCE}$ が示せました。

(3)はパッと見では難しそうに見えるかもしれませんが、計算量が少なく、単純な図形のみを考える問題なので、やってみると案外な問題でした。$\triangle\mathrm{ABC}$が正三角形であることを忘れないようにしましょう。

ここも、条件「弧 $\mathrm{AB}$ 上に点 $\mathrm{H}$ を、$\mathrm{CH\perp AB}$ となるようにとる」というところから、$\mathrm{H}$ が弧 $\mathrm{AB}$ の中点になることが把握できてばOKです。これによって、$\angle\mathrm{BCH}=\angle\mathrm{HCA}=\angle\mathrm{ACG}=30^\circ$ となり、
$$\triangle\mathrm{BCH}\equiv\triangle\mathrm{HCA}\equiv\triangle\mathrm{ACG}$$
となります。

$\mathrm{H}$ から $\mathrm{BC}$ に垂線を下ろし、交点を $\mathrm{I}$ とすると、$\triangle\mathrm{HIC}$は $90^\circ$、$60^\circ$、$30^\circ$ の有名な直角三角形となります。$\mathrm{HC}=5$ より、$\mathrm{HI}=\dfrac{5}{2}$ となるので、
$$\triangle\mathrm{BCH}=\frac{1}{2}\times 5\times \frac{5}{2}=\frac{5\times 5}{4}$$
となります。これより、五角形 $\mathrm{BCGAH}$ の面積は $\dfrac{5\times 5}{4}\times 3$ となります。
したがって、求める面積は五角形 $\mathrm{BCGAH}$から $\triangle\mathrm{BCG}$ を引いたものとなるので
\begin{align}
&\frac{5\times 5\times 3}{4}-\frac{1}{2}\times 5\times 5\\
=\ &\frac{5\times5\times 3-5\times 5\times 2}{4}\\
=\ &\frac{25}{4}
\end{align}

大問7・空間図形

難易度標準

大問7は空間図形でした。過去にも似たような問題(2021年度など)があり、定番の問題と言えます。(3)が面倒に思えるかもしれませんが、これは見掛け倒しで、実際には(2)の方が大変だったかもしれません。

(1)は 面 $\mathrm{BFGC}$ と垂直な辺を考える問題でした。

これは、$\mathrm{AB}$、$\mathrm{DC}$、$\mathrm{EF}$、$\mathrm{HG}$ と即答したい問題です。

(2)は図の四角形 $\mathrm{OAEC}$ が台形となるときの、面積を求める計算です。台形となるのですが、明らかに $\mathrm{OA//CE}$ となることは先に確認しておきましょう。

問題は、台形の高さなのですが、どこが垂直になるかを考える必要があります。
まず、面 $\mathrm{ABCD}$(正方形)において、対角線 $\mathrm{AC}$ は $6\sqrt{2}$ となります。

さらに、$\triangle\mathrm{ACO}$ について、下図のような関係が成り立ち、$\triangle\mathrm{AOC}$ は直角二等辺三角形となります。

したがって、台形 $\mathrm{OAEC}$ については、錯角を考えると $\triangle\mathrm{AEC}$ も直角二等辺三角形であり、$\mathrm{EC}=12$ となります。

以上から、求める台形の面積は
$$\frac{1}{2}\times (6+12)\times 6=54$$

(3)は非常に面倒に見えますが、底面積の比と相似比から体積比を求めていくだけで、実はとても簡単な問題でした。

四角錐 $\mathrm{O-PQRS}$ を介して考えていきます。

まずは、四角錐 $\mathrm{O-PQRS}$ と 四角錐 $\mathrm{O-EFGH}$ は相似であり、相似比は $2:5$ となります。

したがって、体積比は $2^3:5^3=8:125$ となります。よって、四角錐 $\mathrm{O-PQRS}$ と立体 $\mathrm{PQRS-EFGH}$ の体積比は $8:(125-8)=8:117$ となります。

また、四角錐 $\mathrm{O-PQRS}$ と 四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ については、高さが等しい錐となるので、底面積の比がそのまま体積比となります。$\mathrm{AB}=10$、$PQ=4$ であり、底面はそれぞれ正方形であることから、四角錐 $\mathrm{O-PQRS}$ と 四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ の体積比は
$$4^2:10^2=8:50$$
となります。

以上から、四角錐 $\mathrm{O-ABCD}$ と立体 $\mathrm{PQRS-EFGH}$ の体積比は
$$50:117$$

解いてみての感想

今年度の問題も、昨年度同様に問題文が無駄に長く、読むのが面倒に感じる問題ばかりでした。とくに、前半の大問4までの問題はいずれも長文となっていたので、ここで時間を取られて後半の図形で時間が足りなかったという人が多かったのではないでしょうか。また、前半が重すぎると焦ってしまってミスを連発してしまう人も出てきそうです。もう少し、バランスを考えて欲しいところですね。

前半の面倒臭さとは打って変わって、後半の図形はあまり捻りもなく、計算量も少ない易しめの問題でした。が、これらを余裕を持って取り組めた受験生は少なかったのではないでしょうか。

試験が終わってやってみると「めっちゃ簡単やったのに出来なかった」と落ち込む人もいるでしょう。しかし、本番で実力を十分に発揮するというのは簡単なことではありません。もし、今回思ったようにいかなかったという人は、メンタルなどの準備について大いに反省し、次の大学受験に備えてもらいたいです。

というわけで、今年度の解説記事もこれで終了となります。

受験生のみなさん、お疲れ様でした。しばらくは心と体と頭をしっかりと休めて、リフレッシュしたら次のステージに向かって進んでいきましょう!

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ