2021第6回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
前回、第5回の石川県総合模試は比較的簡単な問題が多かったので平均点も上がるだろうなと予想していました。が、むしろ平均点が下がってしまいました。年々、中高生の数学力が低下してきており、かなり心配しています・・・。模試を受験する皆さんが全然勉強していないなんてことはないと思うので、そのあたりどうなっているんだろうと思っています。

年末に向けて慌ただしい日々が続いており、今回は「解いてみた」をスキップしようかなとも思ったのですが、アクセスもそれなりにあるので冬休みの勉強の一助となればと思い、更新することにしました。ぜひ、復習の際にお役立てください。

概観

大問数7、小問数23と標準的なセットでした。今回は作図と空間図形のところが少々面倒な問題でしたが、それ以外は非常にシンプルな問題が多かったように思います。前回と比べても同程度の難易度で、ここ最近の総合模試の問題としては易しめの問題だったと思います。

石川県総合模試の問題は、時間内に完答するのが難しい計算過程の記述や説明・証明を付与させる問題が多いというのが特徴です。これは模試に限った話ではなく、公立高校入試にも言えることです。最近は、公立高校入試の問題もどんどん難化してきているため、問題をとにかくたくさん解いて解き方を覚えるといった方法では対応できなくなってきています(定期テストはそれでもカバーできますが)。そのため、答えを求める過程をきちんと考えることが大切となってきます。いたずらに問題演習を繰り返してもあまり意味はないので、しっかりと目的を持って取り組まないといけません。

出題分野は、代数・幾何からバランスよく出題されています。良問が多いので、復習をちゃんとやれば相応の実力アップが期待できます。鉄は熱いうちに打て、ということでできれば1週間以内には復習を済ませておきたいですね。

今回は比較的平易な問題が多かったので、数学が得意な人の中には満点だったという人もいると思います。が前回同様、近年の数学力の低下を考えると、このレベルの問題でも平均点は50点前後ではないかと思われます。この時期なので50点台後半くらいあってもいいような出題内容でしたが・・・。

全体的な難易度 やや易

各問題の概要

ここからは大問ごとの内容を細かく見ていきます。面白い問題や難しめの問題には詳しく解説をつけておきます。

大問1

内容 小問集合

難易度 

大問1はどのレベルの受験生であっても満点を狙っていきましょう。とくに、数学が苦手だという人は大問1の出来が合否を左右するので、慎重に取り組んでください。

まず、(1)の計算問題ですが、いつも私が言っているのは「計算をなるべくしない」ということです。たとえば、$43-18$ などの計算を、筆算で計算しているような生徒が案外多いのですが、その方が逆にミスする可能性が高くなります。何より「面倒」です。

塾長
暗算で計算するためには、どう工夫するといいでしょうか? そこを考えるのが数学の勉強ですよ!

今回は、(1)にあまり面白い問題がないのでスルーします(笑)

(2)については、やたらと解の公式を使いたがる人が多いのですが、解の公式は面倒なのでできれば使わない方がいいでしょう。今回の問題も平方の形を作ればすぐに解けます。

\begin{align*}
x^2-4x+1&=0\\
(x-2)^2-3&=0\\
(x-2)^2&=3\\
x-2&=\pm\sqrt{3}\\
x&=2\pm\sqrt{3}
\end{align*}

この計算で解いている人はあまりいないようですが、結構大切な考え方なので、たまにはこういう方法で解いてみるといいと思います。

(3)はよくある問題です。$x^2-2xy+y^2$ の値を求めなさいと言われて、すぐに $x$、$y$ の値を代入するタイプの人は何も考えていない典型です。$x^2-2xy+y^2=(x-y)^2$ なので、$x$、$y$ の形を見て先に $x-y$ を計算する方がラクだなくらいは考えられるようになりましょう。

$$x-y=(\sqrt{3}+\sqrt{2})-(\sqrt{3}-\sqrt{2})=2\sqrt{2}$$

となるので、求める値は $(2\sqrt{2})^2=8$ となります。

(4)は小問で出てくる図形の典型問題ですね。小学生のテキストにも出てきそうなタイプです(笑)

$\angle\mathrm{AOB}=120^\circ$ と $\mathrm{OA=12cm}$ が与えられているので、普通に考えればおうぎ形から半円を引けばいいでしょう。模範解答もそのように解いてあります。

$$12^2\pi\times \frac{120}{360}-6^2\pi\times \frac{1}{2}=30\pi$$

となります。ただ、これでも引き算が面倒なので塾長は下のように解きました。

$$12^2\pi\times \frac{30}{360}+6^2\pi\times \frac{1}{2}=30\pi$$

こっちの方が計算が簡単に(私の主観ですが)なると思います。なお、ここでは下のように考えています。

半円とおうぎ形POBの面積を加えているのですが、ここでポイントになるのが下図の斜線部と半円の面積が等しいということです。

半円の面積は

$$\displaystyle \frac{1}{2}\times \left(\frac{1}{2}r\right)^2\pi=\frac{1}{8}r^2\pi$$

斜線部の面積は

$$\displaystyle \frac{1}{4}\times r^2\pi-\frac{1}{2}\times \left(\frac{1}{2}r\right)^2\pi=\frac{1}{8}r^2\pi$$

となって、一致することが分かります。

塾長
これ、小学校の頃によく分からなかったのですが、中学生になってちゃんと確認できたときは「へ〜」となりました。こういうタイプの円の関係する問題はいろいろと面白い問題が多いので興味がある人はいろいろと探してみると良いですよ!

(5)は確率の問題でした。赤玉2個と白玉3個が入っている袋から2個を取り出すときに、少なくとも1個は白玉である確率を求める問題です。

さて、この問題を次のように考えた人はいませんか?

赤玉と白玉の出方は全部で(白、白)(白、赤)(赤、赤)の3通りあって、白が少なくとも1個出るので(白、白)(白、赤)の2通りがあるから $\displaystyle \frac{2}{3}$ となる。

これは確率を勘で解いている人によくありがちな間違いです。何がダメなのか指摘できるでしょうか? 指摘できなければ、たとえ答えが合っていたとしても「確率を分かっている」とは言えません。

きちんと考えるために、5つの玉をすべて区別します。1〜5と数字を振っておきましょう。1、2、3が白玉、4、5が赤玉です。このとき

(白、白)は(1、2)(1、3)(2、3)

(白、赤)は(1、4)(1、5)(2、4)(2、5)(3、4)(3、5)

(赤、赤)は(4、5)

となります。色で区別した3通りの出方を「同様に確からしい」と考えることは無理がありますね。なので、すべてを区別して、番号で考えましょう。番号で考えると、10通りあり、そのうち白が少なくとも1つ出るのは9通りあります(白がでない1通りを数えて全体から引いてもOKです)。したがって、求める確率は

$$\frac{9}{10}$$

となります。

塾長
何となく解いている人が多いのですが、この「同様に確からしい」ということを疎かにしている人が多いので、今回はちょっとだけ突っ込んで解説しておきました。

大問2

内容 データの分析

難易度 

大問2はデータの分析の問題でした。最近の流行りで統計が少しずつ数学の中に入ってきていて、その存在感を増しています。個人的には数学とわけて欲しいと思うのですが、まあ、そんなことをここで言っても仕方ないですね。データの分析や標本調査の部分は、あまり本格的に取り組んでいないという人が多いため、出題されると思ったより出来が良くないことが多いのですが、難しい問題はほぼ出ないので、サクッと勉強しておくといいでしょう。

今回は、20人の生徒の通学時間の度数分布表が与えられています。通学時間の平均値は17.5分です。

というわけで、上の表を見ながら考えます。

(1)の最頻値は、度数のもっとも多いところを見ます。10〜15の階級です。この階級値が最頻値となるので12.5です。

(2)は通学時間が25分以上の生徒なので、25〜30、30〜35、35〜40の人数を加えて5となります。したがって、$\displaystyle\frac{5}{20}$ となるので25%です。

(3)は「なんか本番でも出そうな感じの問題」ですね。大学入試共通テストでもそうですが、とりあえず会話形式にしとけば何となく新しい感じが出ると思っていそうです(ただ邪魔なだけなんですが)。ただ、聞かれている内容は良い内容なので、よく考えてみましょう。

「平均値は真ん中」みたいな捉え方をしている人が多いのですが、実際はそんなことはありません。ここでも、平均より小さい17分だから半分の10人に入るみたいなテキトーな捉え方をしていますが、実際には15分未満に10人おり17分は小さい方から10番めには入らないことが分かります。こういう感じのことを書いておけばOKです。

塾長
テストでも平均点だけを見る人が多いのですが、実際にはもっといろいろな数値を見ないと分からないんです。当然ながら、データの読み方も一筋縄ではいかないことが多いのです。にもかかわらず、ボーダーラインがどうこうという話が簡単にわいて出てくるのは不思議でなりませんね(チクッとな)。

大問3

内容 関数

難易度 

大問3は2次関数の問題でした。基本的な知識が備わっていれば完答できたのではないかと思います。

(1)は変域(値域)の問題です。グラフを描いて考えましょう。

一目瞭然で $0\leqq y\leqq 9$ となることがわかります。

(2)は三角形の面積ですが、これも入試レベルでは定番中の定番です。$\mathrm{OA}//\mathrm{PQ}$ がクサいなあと思えた人は順調に勉強が進んでいるのではないかと思います。

まずは図を描いてみましょう。

求めるものは、上図の色付きの $\triangle\mathrm{AQR}$ の面積ですが、直接求めるのは少々面倒なので $\mathrm{OA}//\mathrm{PQ}$ を利用して、面積が等しいより計算しやすい $\triangle\mathrm{OQR}$ を考えるといいでしょう。もちろん、直接計算することも可能なのですが、かなり遠回りになるので、与えられた条件を活用することを優先して考えるようにしましょう。

$\triangle\mathrm{OQR}$ は、底辺を $\mathrm{OR}$ と見れば高さは $\mathrm{Q}$ の $x$ 座標($x=6$ が与えられています)となるので、直線 $\mathrm{PQ}$ の $y$ 切片が求まればOKです。$\mathrm{A}(2,\ 1)$ なので、直線 $\mathrm{OA}$ は

$$y=\frac{1}{2}x$$

これと平行な直線 $\mathrm{PQ}$ は、点 $\mathrm{Q}(6,\ 9)$ を通ることから

$$y=\frac{1}{2}x+6$$

となり、$y$ 切片が得られます。よって、求める面積は

$$\frac{1}{2}\times 6\times 6=18$$

となります。

塾長
なお、この問題のように平行線の間に現れる三角形はいろいろと活用できるので、平行条件には注意するようにしておきましょう。

(3)もまずは図を描いてみることが大切です。下図のようになるはずです。

$\mathrm{S}$ の $x$ 座標を求めれば良いので、シンプルに直線 $\mathrm{AP}$ と直線 $\mathrm{OQ}$ の交点を考えるのがいいでしょう。

$\mathrm{P}(-8,\ 16)$、$\mathrm{Q}(8,\ 16)$、$\mathrm{A}(2,\ 1)$ であることから、直線OQは

$$y=2x$$

直線APは

$$y=-\frac{3}{2}x+4$$

となります。上位校狙いの人はこのくらいは暗算で計算して欲しいところです。$y=ax+b$ とおいて連立方程式を作って・・・などという面倒なことはできるだけ回避しましょう(というかその方法は捨てましょう)。

あとは、この2式を連立して

$$2x=-\frac{3}{2}x+4$$

これを解いて、$\displaystyle x=\frac{8}{7}$ となります。これも暗算で解いていきましょう。

塾長
生徒を見ていると図がうまく描けないという人が多いので、できるだけ正確な図を描く練習をしておくといいでしょう。図を正確に描くというのも数学では大切な能力の1つです。

大問4

内容 方程式

難易度 標準

今回も方程式は単純な問題でした。解説することもほぼありませんが、Cさんをどう表すかで手が止まった人もいたかもしれません。

まずは、与えられた情報を整理しましょう。

  • 生徒数200人
  • BとCの差は18票
  • Aに投票した10%がCに投票したらAとCの得票は同じ

必要になるのはこのくらいです。求めるものはAさんの得票数とBさんの得票数なので、それぞれを $x$、$y$ とおきます。

BとCの差が18票なので、Cの票は $y-18$ と表せます。

総票数は200なので、まずは $x+y+(y-18)=200$ すなわち

$$x+2y=218$$

が得られます。あとは、最後の条件から、$0.9x=(y-18)+0.1x$ となり、整理して

$$8x-10y=-180$$

となります。2式を連立して解けば

$$\begin{cases}x=70\\y=74\end{cases}$$

となります。

塾長
ここ最近は方程式の問題がシンプルなものが続いています。が、表やグラフなどを利用する問題も多いので、そうしたタイプの問題にも当たっておくといいでしょう。

大問5(復習おすすめNo.1)

内容 作図

難易度 

作図の問題は難しい問題が続いています。今回もかなり難しい問題だったと思いますが、図形についての基礎がしっかりとできている人は3分でできたのではないかと思います。

大事なことは、作図の問題である前に図形の問題であるということです。コンパスと定規をすぐに持ってあれこれやってみるのも良いのですが、無策で突撃するのは無謀です。まずは、図形的な特徴を押さえてから考えると良いでしょう。

  • 点 $\mathrm{P}$ は辺 $\mathrm{AC}$ 上にある。
  • 辺 $\mathrm{AC}$ の中点を $\mathrm{M}$ とするとき、点 $\mathrm{P}$ は、2直線 $\mathrm{BC}$ 、$\mathrm{BM}$ に接する円の中心になる。

重要なのは2つ目の条件です。

点 $\mathrm{P}$ は、2直線 $\mathrm{BC}$ 、$\mathrm{BM}$ に接する円の中心になる

という条件を適切に言い換えていくことが大切ですが、そのためには、こんな感じになるだろうなという予想をすることが大切です。

まず、2直線 $\mathrm{BC}$ 、$\mathrm{BM}$ は同一の円に接すると言い換えます。円の接線は、接点と円の中心を通る直線(半径が見えてくるはずです)と直交するという特徴が押さえられていれば、この円の中心は2直線 $\mathrm{BC}$ 、$\mathrm{BM}$ から等距離にある点であると言い換えられます。図を見て考えてください。

このとき、$\mathrm{BC}$ 、$\mathrm{BM}$ から等距離にある点というのは、$\angle\mathrm{CBM}$ の二等分線となります。

したがって、まずは $\mathrm{AC}$ の中点 $\mathrm{M}$ を作図し、次に$\angle\mathrm{CBM}$ の二等分線を作図すれば、それと$\mathrm{AC}$ との交点が点 $\mathrm{P}$ となります。

塾長
今回の問題は非常に良い問題だと思います。表面的な知識の暗記に頼っている人はなかなか手が出ない問題だったのではないでしょうか。図形の分野では、証明を丁寧にたどりながら、豊富な図やイメージと合わせて記憶しておくことが大切です。解説のような言い換えができないという人は、いちど知識を整理し、繋がりなどを再確認してみるといいと思います。大変ですが。

大問6(復習おすすめNo.2)

内容 平面図形

難易度 標準

今回から平面図形は相似が入ってくるので難しくなるかと思いきや、思ったよりも簡単な問題でした。(3)が少し面倒ですが(1)、(2)は落としたくない問題です。

(1)は角度の問題です。

$\mathrm{AB=AP}$ から $\triangle\mathrm{ABP}$ が二等辺三角形であり、 $\angle\mathrm{ABP}=38^\circ$ から $\angle\mathrm{BAP}=104^\circ$ となります。当然 $\angle\mathrm{QCD}=104^\circ$ です。また、$\angle\mathrm{CQD}=30^\circ$ となるので

$$\angle\mathrm{CDQ}=180^\circ-(104^\circ+30^\circ)=46^\circ$$

となります。

(2)は掃除の証明です。基本的に、相似の証明問題は角度を優先して考えていく方がいいでしょう。線分比が与えられている場合には、角度と比を両睨みする必要がありますが、基本的には「角度」です。

与えられているのは $\angle\mathrm{ABP}=\angle\mathrm{ADQ}$ ですが、錯角を考えると $\angle\mathrm{ADQ}=\angle\mathrm{CQD}$ となります。また、平行四辺形の性質から $\angle\mathrm{BAP}=\angle\mathrm{QCD}$ であるため、

$$\triangle\mathrm{ABP}\sim\triangle\mathrm{CQD}$$

が言えます。

(3)は $\mathrm{AR}$ が $\mathrm{CR}$ の何倍かを考える問題ですが、要は $\mathrm{AR:CR}$ が分かれば良いということです。

このとき、$\triangle\mathrm{ARP}$ と $\triangle\mathrm{CRB}$ の相似が使えそうだと予想ができればGOODです。

(2)の設定を引き継いでいるので、$\triangle\mathrm{ABP}\sim\triangle\mathrm{CQD}$ は当然成り立っています。また、$\mathrm{AP=BQ}$ にも注意しておきましょう。

$\mathrm{AP}=x$ とすると、(2)で証明した $\triangle\mathrm{ABP}\sim\triangle\mathrm{CQD}$ を利用して

$$\mathrm{AP:CD=AB:QC}$$

が言えます。すなわち

$$x:12=12:(30-x)$$

となります。これを整理していくと

\begin{align*}
&144=30x-x^2\\
&x^2+30x+144=0\\
&(x-6)(x-24)=0
\end{align*}

$\mathrm{AP>PD}$ となるので、$x=24$ となります。よって、$\mathrm{AR:CR=AP:BC}$ すなわち $24:30=4:5$ となるので、$\mathrm{AR}$ は $\mathrm{CR}$ の $\displaystyle \frac{4}{5}$ 倍となります。

塾長
入試では相似を利用した線分比の問題は頻出です。とくに平行四辺形と絡めた問題は毎年どこかで出題されているので、いろいろな問題をやってみると面白いと思います。

大問7(復習おすすめNo.3)

内容 空間図形

難易度 標準

空間図形の問題は(2)がちょっと面倒でしたが、(1)(3)は基本的な問題だったのでしっかりと得点しておきたいところです。上位校を狙っている人は、今回の問題であれば全部解き切ってほしいところですね。

(1)は空間の定番である「ねじれの位置」の問題です。これは特に問題ないでしょう。

(2)は三角錐 $\mathrm{DEFQ}$ の体積を求める問題です。与えられているのは、$\mathrm{AP:PC=7:4}$、$\angle\mathrm{APD}=\angle\mathrm{CPQ}$ です。

図を見て、底面を三角形 $\mathrm{EDF}$、高さを $\mathrm{QF}$ にしようという方針は立てられたと思います。まず、底面の $\triangle\mathrm{EDF}$ の面積は与えられた条件からすぐに

$$\frac{1}{2}\times 6\times 8=24$$

と求まります。問題は $\mathrm{QF}$ ですが、これについては $\mathrm{AP:PC=7:4}$、$\angle\mathrm{APD}=\angle\mathrm{CPQ}$ を使うのだろうということで、下図のように平面を取り出して考えましょう。

図を見たら、簡単にわかりますが、$\triangle\mathrm{APD}\sim\triangle\mathrm{CPQ}$ です。相似比は $\mathrm{AP:PC=7:4}$ から $7:4$ です。ということは $\mathrm{AD:CQ=7:4}$ なので、$\mathrm{AD}=7$ に注意して

$$\mathrm{CQ}=\frac{4}{7}\times 7=4$$

となります。したがって、$\mathrm{QF}=3$ となります。以上から求める三角錐の体積は

$$\frac{1}{3}\times 24\times 3=24$$

となることが分かります。

(3)は、ちょっと問題の書き方が悪いというか「図2において」というのが、どこまで(2)の設定を引き継ぐのか分かりにくかったですね。点 $\mathrm{P}$ の位置が(2)と異なるので、そこがちょっと個人的に引っかかりました。私は(2)の位置から変わらないと思ったので、問題文の後半を読みながら「???」となってしまいました。$\mathrm{P}$ が動かなければ後半の問題文はまったく意味がないからです。正直、「図2において」は問題文に必要なかったなと思います。

さて、この問題は $\mathrm{BP}$、$\mathrm{PQ}$、$\mathrm{QM}$ の長さの和がもっとも小さくなるというのがポイントです。いわゆる最短距離を考える問題です。立体のまわりに紐を巻きつけたりする問題など、結構見かけますね。このタイプの問題では展開図が活躍するのですが、今回はなんと解答用紙に展開図がすでに描かれているという超サービス問題でした。最短距離なので、$\mathrm{B}$ と $\mathrm{M}$ を直線で結んでしまえば準備完了です。

なお、解答用紙の展開図は与えられた見取り図との対応が捉えにくかったので、上のように描き直しました。こういうのは臨機応変にやっていきましょう。

さて、問題は $\mathrm{PH}$ の長さを求めるわけですが、こんな中途半端なところにある垂線の長さを直接求めるというのは現実的ではありません。ここでは面積を経由して高さとして垂線の長さを考えるのが良いでしょう。これは高校入試でも定番の考え方です。

$\mathrm{PH}$ を高さと見るのであれば、$\mathrm{BC}=10$ を底辺とする $\triangle\mathrm{BCP}$ の面積を考えたいところです。ただ、$\mathrm{PC}$ が分からないので、$\triangle\mathrm{BCP}$ の面積もいきなり求められません。

というわけで、図に戻ってよ〜く観察してみましょう。長さが分かる特徴的な図形はないか、と考えると何となく $\triangle\mathrm{BDM}$ あたりが怪しい感じがします。図をできるだけ正確に描いておくと、これが直角二等辺三角形になってるんじゃないか?と予想できるはずです。実際に、長さが与えられているので、$\mathrm{DB}$ と $\mathrm{DM}$ の長さを求めると、どちらも13となるため、予想的中となります。

さらに、$\mathrm{AB}//\mathrm{DE}$ から $\triangle\mathrm{BDM}\sim\triangle\mathrm{BAP}$ となるので、$\triangle\mathrm{BAP}$ も直角二等辺三角形となります。つまり、$\mathrm{AP=AB=6}$ ですね。ということは $\mathrm{PC}=2$ ということになり、これで $\triangle\mathrm{BCP}$ が求められ、次の式が成り立ちます。

$$\frac{1}{2}\times 2\times 6=\frac{1}{2}\times 10\times \mathrm{PH}$$

これを解けば $\displaystyle \mathrm{PH}=\frac{6}{5}$ となります。

塾長
ちょっと面倒でしたが、典型的な応用例の博覧会みたいな問題でした。よくある考え方なのでしっかりと復習をしておきましょう!

まとめ

今回も前回と同様、全部の問題を解くのに20分ほどしかかかりませんでした。ああ、これは厳しいかもなあと思ったのは作図の問題くらいでした。あとの問題は、数学が得意な人であれば簡単にできるだろうなと思いながらサクサク解けました。難しいときの総合模試の問題は30分程度かかるので、計算量なども少なくて済む問題が多かったと思います。

しかし、あくまでも私が解いた場合の話であって、実際に中学3年生が解くとなるとそれなりに難しく感じるだろうなと思います。とは言っても、このくらいはサクサクやって欲しいなあという思いもあります。上位校を狙っている人であれば尚更です。

ここ最近、中高生の数学力が低下してきていることを危惧しているのですが、とくに上位層がかなり薄くなっているのが気がかりです。問題が難しい、時間的に厳しいということがあり、満点が厳しいのは確かです。しかし、前回・今回と基礎がしっかりとできていれば8割は取れそうな問題だったので、そこは注視しておきたいなあと思っています。冒頭でも述べましたが、とにかく数学の勉強が反復トレーニングのようになってしまっている人が多いように思います。普段の勉強では、もっといろいろなことを試してみるべきではないかと思います。今回は掲載していませんが、大問3なども、もっと図形に寄せて解くこともできます。平面図形も空間図形も、もっとシンプルな解き方ができる部分もあります。そうした経験値を、失敗も含めてどんどん積んでもらいたいなあと思います。

これから冬休みが待ち受けています。入試までの期間で、時間に余裕を持って取り組める最後の機会なので、是非ともそうした勉強をやってみて欲しいと思います。最後まで粘り強くやっていきましょう!

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