塾に通われている人は、すでに結果を教えてもらったという人もいるかもしれませんね。
みなさんの結果はどうだったでしょうか?
予想よりもできてた!という人も、まったく歯が立たなかったという人もいると思います。第一志望について、良い判定だった人もいれば、危機感を抱いたという人もいるでしょう。
どのような結果であったとしても、まずは自分の現時点の学力はこのくらいなのだということを受け入れてください。
そして、得点・偏差値・志望校判定といったものはあくまでも目安でしかないということも覚えておきましょう。
第1回目の成績だけをもとに○○高校の合格ラインは△△点などといい加減な情報を撒き散らして不安を煽る人がいますが、そうした根拠の乏しい情報に振り回されないようにしてください。ここから入試本番までの成績の推移は、人によって千差万別なのです。
模試の結果を手にしたら、まず考えるべきことは、今の自分ときちんと向き合って今後の勉強をどう進めていくかを考えることです。入試本番までたっぷりと時間は残っているので、ここからの逆転は当たり前に起こります。まずは冷静に、そして客観的に自己分析をしてください。
さて、それでは今回の結果を見ておきましょう。(スクロールします)
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 5科目 |
59(15.66) | 43.0(18.30) | 49.0(20.05) | 52.8(21.12) | 44.7(17.25) | 246.3(79.19) |
括弧内の数字は標準偏差となります。
というわけで、今回の数学の平均点は44.7点でした。予想よりも3〜4点低いなという感じです。
問題レベル的には昨年度と同等のレベルかもしくは少し易しいレベルだったので、48〜49点くらいに落ち着くかと思っていましたが、予想以上に低い平均点でした。
ちなみに昨年度の平均点は45.9点でした。当然、昨年度と今年度では母集団が異なるため単純な比較はできませんが、全体的な傾向として数学の学力低下をひしひしと感じています。
昨年の記事でも指摘していますが、数学に関する実態はとても悲惨なことになってきています。
当ブログでも再三指摘していますが、問題集を繰り返しやってパターン暗記で勝負するといった時代錯誤な試験対策に特化した勉強が蔓延しています。その結果、概念の理解や具体例の活用など、数学における基本的な姿勢がほとんど身につかないまま高校に進学してしまう学生が増えています。
とくに幾何分野の出来は酷いもので、思考力の部分で大きな問題を抱えている生徒が多そうな印象です。幾何分野の問題は、非常に多彩な問題を作れるため、パターンを覚えることで対応するのが難しい面があります。その場であれこれと作り上げるといった経験をもっていないと、簡単には対応できません。さらに、他分野でも、近年の入試問題は解法パターンに当てはめて解こうとしても簡単にはいかない問題が増えてきています。また、何通りかの考え方ができる問題が多いため、試行錯誤の経験値が大きくものを言うでしょう。
そうしたことから、前半の計算中心の問題で点数を稼いで後半は捨てる、といったような戦略を指示する指導者もいます。試験本番では有効な方法かもしれませんが、そんなものが数学の勉強の役に立つことは1ミリもありません。数学の力をつけたいのであれば、いろいろな問題にあたって、あれこれと試行錯誤することが大切です。
そのために、挑戦する価値のある問題をきちんと選ぶことも大切です。その上で、「解き方を知らないからできない」ではなく解き方を発見するような勉強をしていく必要があります。最初から最短距離で効率よくやろうというのも悪くはありませんが、あれこれと回り道をして、さまざまな角度から問題を眺めてみるということも必要となります。
いずれにしても、おかしな勉強にどっぷり嵌ってしまっている人を頻繁に見かけるようになりました。手遅れになる前に、まずは自分の勉強が、本当に理解を深める勉強になっているかをよく考えてみてください。そして、1つ1つ丁寧に取り組んでいきましょう!