【2023年度】第1回金沢市統一テストの数学を解いてみた【塾生必読】

塾長
11月7日(火)に2023年度第1回金沢市統一テストが実施されました。昨年度の第1回は少し残念なテストでしたが、今年度の第1回の問題は基礎を重視した良問が揃っていました。問題数が多いため、時間との勝負となりやすいのですが、基礎力がある生徒さんなら時間内に解ききれ、高得点も狙える問題だったと思います。

第1回金沢市統一テスト 2023(数学)

恒例の「解いてみた」シリーズの金沢市統一テスト版です。2023年度は良問揃いの統一テストが復活した感じですね。

時間が足りなかったという人が多かったようですが、問題の内容はどうだったのでしょうか。

私が実際に解いてみた率直な感想は、分量は多いが、基礎力があり、計算を回避することができるような人は満点も狙えるテストだなというところです。特別なテクニックは一切必要ありません。ただ、基礎を重視した勉強をしているかどうか、無駄な計算を回避する工夫を考えているか、そうした日々の学習態度が差をつける問題構成でした。2、3年前の統一テストにもそうした雰囲気がありましたが、今年度もその雰囲気が十分感じられました。

石川県総合模試をはじめとする入試対策用の模試を受験している人は、時間配分や問題の取捨選択などを考えつつ、比較的落ち着いて解けたのではないかと思います。一方で、そうした経験が少ない人は問題数の多さに焦ってしまった人もいたのではないかと思います。そして、焦りからミスを多発する負のループに陥ってしまったという人も少なからずいたのではないかと思います。入試形式の試験は、定期テストとは大きく異なるものなので、経験値が大事になります。

入試本番もそうですが、プレッシャーの中で冷静に問題を解いていくというのは簡単なことではありません。時間的に厳しい内容であることは分かりきっているので、普段の勉強では50分をいかに使うかを考えながら取り組んでいくことが大切です。

そして、スピードを上げるためには、雑な考え方を用いるのではなく圧倒的な基礎力で挑むことが不可欠です

塾長
今回の解説では基礎力というのが何かを意識できるような解説もちょっとだけ加えておきます。普段、塾でやっていることのチラ見せです。数学に自信がある人は見てくださいね。

例年、金沢市統一テストは進路決定において重要と言われていますが、過去の塾生たちの統一テストの得点と進学先を見てみると、第1回の結果はそこまで決定的なものではないということが言えます。今回、思ったようにできなかった人は、第2回統一テストに向けて、できなかった問題の復習今後の勉強の進め方の修正をやっていきましょう。本番まではまだ時間があるので、点数だけを見て志望校のことを考えるのはやめましょう。

概観

全体的に平易な問題が多かったので、試行錯誤するような場面は少なかったと思いますが、大問数が8問と多いために時間的な余裕がなかった人が大半だったと思われます。

全部解ききれなかったとしても悲観することはありません。そういう人は、時間制限なしでどのくらいできるのかをきちんと把握しておきましょう。時間を食ってしまっているのがどういうところなのか、本番までに知っておくことが大切です。また、時間を節約するには無駄な計算をしないことが大切なので「もっと簡単に処理することができないか」を考えてみましょう。

なお、金大附属や泉丘といった上位校を狙っている人は時間内に解き切って欲しいレベルの問題だったことも事実です。前述した通り、特別なテクニックは必要ありませんが、基礎力が充実している人はサクサクと解けたはずです。上位校狙いの人で、時間が足りなかったという人は、普段の勉強を見直す必要があると言えるでしょう。とくに問題集の周回のような勉強をしている人は注意が必要です。知らないうちに視野が狭まっていることもあるので、いろいろな問題に当たって柔軟な視点を発想を磨くことが大切です。

また、同時に基礎の確認もやっておきたいところです。近年は、上位校受験者の数学力がどんどん低下してきているので、ちゃんとした数学の勉強をするようにして欲しいなと思います。高校受験を突破するためだけの薄っぺらい勉強になっていないか、よく考えてみて下さいね!

塾長
基礎の確認と言っても、それは簡単な問題をやるということではありません。証明を自分の手でやってみたり、定理を組み合わせて得られる事実を確認したりといったことも含めての基礎です。基礎がいちばん難しいことは知っておきましょう。

全体的な難易度 やや易

大問1・小問集合

難易度 

大問1は計算問題を中心とする簡単な問題でした。本番でも大問1を落とさないことが重要です。

(1)の計算については、とにかく正確に計算することが最優先です。しかし、正確に計算することと丁寧に計算することは必ずしもイコールではありません。むしろ、丁寧にやり過ぎて失敗する人が多いので、可能な限り暗算で計算できるようになっておきましょう。とくにウ、エ、オは正答率が低くなりやすいので気をつけましょう。オの根号の計算は面倒な計算をできるだけ回避していきましょう。

\begin{align*}
&\sqrt{96}-6\sqrt{2}\div \sqrt{3}\\
=&\sqrt{16\times 6}-2\sqrt{3\times 3\times 2}\div \sqrt{3}\\
=&4\sqrt{6}-2\sqrt{6}
\end{align*}

これくらいの計算量が現実的でしょう。

(2)は $2x^2-x-5=0$ を解く問題でした。解の公式を用いて解くだけの問題です。

数学基礎力チェック
これが $2x^2-x-6=0$ だともう少し面白い問題になります。解の公式を使わずに30秒ほどで $x=2$ または $\displaystyle x=-\frac{3}{2}$ が求められる人は基礎力があると言えます。

(3)は「$y$ が $x$ に反比例し、$x=4$ のとき $y=5$ である」という問題ですが $\displaystyle y=\frac{a}{x}$ として $a$ を求めたという人が多かったかもしれません。悪くはありませんが、もう少しサッと解いてしまいたいですね。

数学基礎力チェック
本質的には同じことですが、$y$ が $x$ に反比例という時点で $xy=$(一定) のような関係が浮かんで欲しいところです。そうすれば、$x=4$ のとき $y=5$ であることから、$xy=20$ という式がすぐに得られます。反比例の式は、こちらの方が関係性が把握しやすいと個人的に思います。

(4)は角度の問題です。

よくある問題なので、ほとんどの人が解けたと思います。

このように平行線を引いてしまえば、錯角を利用してすぐに求まりますね。イメージがきちんとあれば、$42+38-28$ とこれもサクッと計算できます。

(5)は箱ひげ図の問題です。図を見たらすぐに分かる問題なので、とくに解説も不要でしょう。

大問2・関数

難易度 

第2問は関数と図形の融合問題でした。基本的な内容だったので、できた人が多かったのではないかと思います。(3)は少し差がつきそうな問題ですが、受験生であれば、このくらいはしっかりと解けるように準備しておきたいですね。

図のように、$y=x^2$ のグラフと直線 $l$ が $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ で交わっています。$\mathrm{A}$ の $x$ 座標が $4$、$\mathrm{B}$ の $x$ 座標が $-2$ となります。

(1)は直線 $l$ の式を求める問題です。こういう問題こそ基礎力の差が出やすいので、理解度がどのくらいなのかをよく確認しておきたいですね。

半分以上の受験生は、次のように求めると思います。

$\mathrm{A}$ の座標は $(4,\ 16)$、$\mathrm{B}$ の座標は $(-2,\ 4)$ なので、傾きが $2$ であり、$(4,\ 16)$ を通ることから

$$y=2x+8$$

最低でもこのくらいの感じで解けていれば、そこそこの理解度であると言えるでしょう。

たまに、$l$ の式を $y=mx+n$ などとおいて、座標を代入した2本の式 $\begin{cases}16=4m+n\\4=-2m+n\end{cases}$ を連立して解いている人がいますが、あまりにも無駄な計算が多過ぎます。こういう計算をしてしまっている人は、あまり考えずに勉強している可能性が高いので改善が必要です。

数学基礎力チェック
私は、$y=x^2$ と $y=mx+n$ の交点の $x$ 座標が $4$ と $-2$ であることから
$$x^2-mx-n=(x-4)(x+2)$$
を思い浮かべて、$n=8$、そして $m=2$ まで10秒ほどで解きます。
2曲線の交点、方程式の解などが十分に理解できていれば、こうした考え方ができるでしょう。

(2)は「$y=x^2$ において $x$ が $t$ から $t+2$ まで増加するときの変化の割合が8のときの $t$ の値を求めよ」という問題です。

素直に解くのであれば

$$\frac{(t+2)^2-t^2}{(t+2)-t}=8$$

として計算することになります。2次の項はキレイに消えて $t=3$ が簡単に求まります。これでも大した計算にはならないので、まずは素直に解くことができるようになっておきましょう。

なお、このパターンの問題は非常によく出てくるため「公式のようなもの」が存在しています。

放物線 $y=ax^2$ と直線 $y=mx+n$ が $x=p$ と $x=q$ で交わるとき、つまり2点 $(p,\ ap^2)$、$(q,\ aq^2)$ で交わるとき、直線 $y=mx+n$ の式は $y=a(p+q)x-apq$ で与えられる

というものです。近年、これを使う中学生がとても増えました。ただし、何も考えずに結果だけを覚えていても意味がありません。むしろ、この事実が成り立つことを自分で確認することに意味があります。その上で使うのであればOKです。(1)もこれを用いて解くことができます。

今回の問題も、実はこれを使って解くことが可能でした。

イメージとしてはこんな感じになるので、$2t+2=8$ として簡単に求められます。

塾長
ただし、丸暗記しているだけの人は謎公式が使えることにすら気づかなかったかもしれません。公式丸暗記に対するアンチテーゼを感じる問題と言えるかもしれません笑。個人的には、この公式を教えている指導者の数学力には疑問を感じてしまいます。もっと本質的な考え方で素早く解けるのになあといつも思います。

(3)もよくある面積を題材にした問題でした。

図の色付き部の面積が $40$ となるときの $a$ の値を求める問題です。これも、まずは素直に考えてみましょう。

$\mathrm{BD}$ と $\mathrm{AC}$ の長さが分かればOKです。これは各点の $y$ 座標から求められます。

$\mathrm{B}$ の $y$ 座標は $4$、$\mathrm{D}$ の $y$ 座標は $4a$、$\mathrm{A}$ の $y$ 座標は $16$、$\mathrm{C}$ の $y$ 座標は $16a$ となるので、$\mathrm{BD}=4-4a$、$\mathrm{AC}=16-16a$ となります。台形の高さは $x$ 座標の差として得られるので $6$ です。したがって

$$\{(4-4a)+(16-16a)\}\times 6=80$$

が成り立ちます。あとはこれをチマチマっと計算して、$\displaystyle a=\frac{1}{3}$ が得られます。

数学があまり得意ではないという人は、こういう地道な解き方をしっかり練習しておきましょう。でも、数学が得意だという人や上位校を狙う人は、もっと工夫して解いて欲しい問題です。

数学基礎力チェック
三角形や四角形の面積と比例定数についての理解が十分な人であれば台形の公式は使わずに解いたのではないかと思います。
私は図を確認したら、以下のようにサクッと計算して求めました。
$$6\times 10\times a=20$$
この計算の意味が分かる人は自信を持っていいと思います笑

図の斜線部分の面積を考えます。このままだと嫌な形をしているので均します。
この斜線の長方形も面積は同じものとなります。高さは $x=1$ を $y=2x+8$ に入れて $10$ となるため、斜線部の面積は $60$ です。
ということは、上図の四角形DMNCが $20$ ということになります。よって、$60\times a=20$ から $\displaystyle a=\frac{1}{3}$ となります。

 

大問3・確率

難易度 

大問3の確率も平易な問題でした。箱Aに1〜4の数字が書かれた玉、箱Bに5〜8の数字が書かれた玉が入っており、そこから1個ずつ玉を取り出すという試行についての問題です。箱Aから取り出した玉の数を $a$、箱Bから取り出した玉の数を $b$ とします。

全体では $4\times 4=16$ 通りの出方があり、同様に確からしいといえます。

(1)は $ab$ が3の倍数となる確率です。これは、$a$ で3を取り出したときの4パターンと、Bで$6$ を取り出すときの4パターンがすぐに思い浮かぶでしょう。$a=3$、$b=6$ が重複しているので、全部で $4\times 2-1=7$ 通りあります。よって、求める確率は $\displaystyle \frac{7}{16}$ となります。

数学基礎力チェック
不安があれば全部書き出して考えればOKです。全部で16通りしかないので、数えれば絶対にできます。
(1,5),(1,6),(1,7),(1,8)
(2,5),(2,6),(2,7),(2,8)
(3,5)(3,6)(3,7)(3,8)
(4,5),(4,6),(4,7),(4,8)
こういうのを面倒くさがってはいけません。

(2)は $\sqrt{ab}$ の値が $2\sqrt{5}$ より小さくなる確率です。このままだと比べにくいので、$2\sqrt{5}=\sqrt{20}$ とすると簡単です。要するに $ab<20$ となるような組がいくつかを数えればOKです。

$a=1$、$a=2$ のときは、$b$ は何でもいいので4通りずつあります。また、$a=3$ のときは、$b=5$、$b=6$ の2通りのみ、$a=4$ のときは $b$ が何であってもダメなので、結局全部で10通りとなります。よって、求める確率は $\displaystyle \frac{10}{16}=\frac{5}{8}$ となります。

 

大問4・方程式

難易度 

方程式の問題もよくあるタイプの問題でした。

最近の入試の問題はとにかく長文化してきているわけですが、「不要な情報」と「必要な情報」を分別することが大切になってきます。今回の方程式もまさにそんな感じでした。表にはタンパク質だの食塩相当量だのが書いてありますが、全く必要ありません。見るべきはエネルギーだけです。

牛乳とオレンジジュースをあわせて300mL飲んで、合計で180kcalのエネルギーを摂取したというだけの話です。

表には200mLあたりのエネルギー量が書いてあります。牛乳が140kcal、オレンジジュースが90kcalです。

牛乳を $x$ mL飲んだとすると、オレンジジュースは当然 $300-x$ mLとなります。したがって

$$\frac{14}{20}x+\frac{9}{20}(300-x)=180$$

あとはこれを計算して、$x=180$ となるので、牛乳180mL、オレンジジュース120mLが求められます。

大問5・作図

難易度 標準

大問5の作図ですが、これも作図の問題としては簡単でした。ただし、図形の知識を整理しておかないと、$35^\circ$ ってどうやって作図するんだろうと戸惑う人も出てきたのではないかと思います。

条件は、$\mathrm{PA=PB}$(これは $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線上に $\mathrm{P}$ があるということ)、$\angle\mathrm{PAB}=35^\circ$(こちらは $\angle\mathrm{BAC}=70^\circ$ より、$\angle\mathrm{BAC}$ の二等分線上に $\mathrm{P}$ があるということ)でした。

もう1つひし形 $\mathrm{ABCD}$ の内部にあるというのがありますが、これは上記の条件で作図すれば自動的に満たされます。不要な情報です。

というわけで、上の青線と赤線の交点が $\mathrm{P}$ ということになります。

 

大問6・規則性

難易度 

大問6は規則性の問題でした。規則性の問題はもっとも数学らしい問題なのですが、今回は少し簡単過ぎたきらいがあります。もう少し捻りがあってもいいかなと思いますが、現状はこのくらいが妥当なのかもしれません。

(1)は8行目の左から3番目を求める問題です。具体例は大切にしましょう!

奇数行と偶数行で少し規則が違うので、1ユニットで見ていくといいでしょう。偶数行の先頭は、$7$、$18$、$29$ と $+11$ ずつされていきます。ということは、8行目は、$29+11=40$ が先頭です。$40$ から $3$ つ目の数が答えなので $43$ となります。

(2)は21行目に並ぶ6個の数の和を求める問題です。これも具体例です。奇数行は、$1$、$12$、$23$ とこれも $+11$ ずつされていきます。21行目は、$1+11\times 10=111$ となります。

したがって、$111+112+113+114+115+116=681$ となります。

数学基礎力チェック
最初から計算に頼る人が出てきますが、書き出してみれば一目瞭然なのです。
1→3→5→7→9→11→13→15→17→19→21
→が $+11$ に相当するので、$1+11\times 10=111$ がすぐに見えます。
また、$111+112+113+114+115+116=681$ については
$$\frac{(111+116)\times 6}{2}=681$$
がよく知られた計算方法でしょう。

(3)も特段難しい話ではありません。文字が4つ登場しますが、規則を見たらすべて1つの文字で表せます。

$b=a+5$、$c=a+6$、$d=a+11$ となっていることを具体例から確認しましょう。

あとは、$bc-ad=(a+5)(a+6)-a(a+11)$ を計算するだけです。

$a^2+11a+30-a^2-11a=30$ となり、一定の値30となることが分かります。

大問7・空間図形

難易度 標準

大問7は空間図形の問題でした。(2)が少しアレでしたが、よくある問題なのでクリアできた人が多かったでしょう。

(1)は円柱の表面積の問題です。側面の長方形と、円2つの面積を合わせるだけですね。

底面と上面の円の面積は

$$20\times 20\pi \times 2=800pi$$

側面の長方形の面積は

$$30\times 40\pi=1200\pi$$

したがって、表面積は $2000\pi\ \mathrm{cm^2}$ となります。

(2)は図形を傾ける問題です。これについては以下のことを確認しておきましょう。

斜めになっている水面をもとの角度から見た図になります。このとき、水面によって切られる2つの図形は合同であり、体積も等しいことを確認してください。この2つの立体の体積は円柱の体積の半分なので、結局

この円柱の体積と同じになります。$20\times 20\times 5\pi=2000\pi\ \mathrm{cm^3}$ がこぼれた水の体積です。

もともとは $20\times 20\times 30\pi=12000\pi\ \mathrm{cm^3}$ あったので、求める体積は

$$12000\pi-2000\pi=10000\pi\ \ \mathrm{cm^3}$$

(3)は半球をいれて水を満水になるように調節する問題です。半球の体積と満水になるまでの体積が等しくなればOKです。

満水になるまでには、$20\times 20\times 20\pi=8000\pi$ の体積が必要となります。

半球では面倒なので、2つ合わせて球にしておきます。この球の体積は

$$\frac{4}{3}\times 10^3\pi$$

となります。よって、

$$8000=\frac{4}{3}\times 1000\times x$$

とすると、$x=6$ であり、半球は $12$ 個必要となることがわかります。

大問8・平面図形

難易度 標準

最後は平面図形の問題でした。(3)の面積の問題で苦戦した人もいるかもしれません。が、それ以外は簡単な問題でした。

図のように正方形を回転させた問題でした。回転する図形の面積の問題は、以前、石川県の公立高校入試でも出題されたことがありますが、解けない人がかなり多く、穴になっている部分かもしれません。

(1)は、上図において $\angle\mathrm{CDF}$ を求める問題です。$\angle\mathrm{DCF}=40^\circ$ であり、$\triangle\mathrm{CDF}$ が二等辺三角形であることから、$\angle\mathrm{CDF}=70^\circ$ がすぐに分かるでしょう。

(2)の合同の証明も簡単です。回転移動の場合は同じ長さの辺がたくさん出てくるので楽です。

上図において $\triangle\mathrm{CBF}\equiv\triangle\mathrm{CDG}$ の証明です。これは、$CB=CF=CD=CG$ であり、

$$\angle\mathrm{BCD}=\angle\mathrm{DCG}=90^\circ-\angle\mathrm{FCD}$$

となるので、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいことが言え、$\triangle\mathrm{CBF}\equiv\triangle\mathrm{CDG}$ となります。

(3)はヘンテコな図形の面積を求める問題でした。1つ1つ苦労しながら分割して求めた人もいたかもしれませんが、やはり、ここは工夫して求める問題だと思うことが大切です。

図の色付き部分の面積を求める問題ですが、一筋縄ではいかない感じですね。

CA、CEを結ぶと、何となく平和な気持ちになってきます。ここで、対称性を利用して次のように面積を移動します。

これで、外側のおうぎ形の面積から内側の白抜きのおうぎ形の面積を引けば簡単に面積が求められますね。

ちなみに、ACやCEの長さが与えられていますが、これも三平方の定理を利用すれば自分で求められます(まだ学習してない人がほとんどでしょうが)。

外側のおうぎ形の面積は

$$(6\sqrt{2})^2\pi\times \frac{120}{360}$$

内側のおうぎ形の面積は

$$6^2\pi\times \frac{120}{360}$$

したがって、求める面積は $12\pi\ \mathrm{cm^2}$ となります。

解いてみての感想

易しめの問題が多かったので、純粋に解くだけなら私はトータル20分ちょっとで解き切れました。解説用に図などをあれこれ作った時間も入れると30分くらいでした。

簡単ではあるものの、素直に解いていくとそれなりの計算量になるものが多く、ミスをしたり時間が足りなくなったりするようなこともあったと思います。とくに、前半の部分では計算をいかに少なくするかで大きな差がつきます。オーソドックスな解法も大事ですが、それと同じくらい計算を少なくする方法も大事です。

色々な人が「今回は簡単だった」と評すると思いますが、受験生にとっても簡単だとは限りません。あまり、そうした声に惑わされずにまずは自分の理解度をよく確認しておくことが大切です。解けているから大丈夫、合格ラインを超えているから大丈夫などと考えないでください。数学については、高得点者であっても改善の余地が大いにあるはずです。普段の学習で、ほんとうに考えて解けているのかどうかを確認してくださいね。

また、このテストの結果だけであれこれ判断するのも危険です。まだ入試本番までの期間で逆転は十分に起こり得ます。今回、あまり思ったように得点できなかった人は、いったん自分の学習内容を見直して、今後にむけて改善していきましょう。そういうヒントになるようなことも少し盛り込んでおきました。ぜひ参考にしてください。

というわけで、まだまだ時間はあります。頑張ろう!

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