まずは、今回の結果から見てみましょう。(スクロールします)
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 5科目 |
60.4(14.17) | 56.7(18.48) | 43.6(17.90) | 57.8(19.31) | 49.1(19.41) | 267.5(79.30) |
括弧内の数字は標準偏差となります。数学の平均点は49.1点という結果となりました。他教科に比べると低めの平均点ですが、数学のみで考えると、やはりいつもより易しめの問題だったと思われます。
得点の分布を見ると比較的正規分布に近い形になっており70点以上の得点者もそれなりにいます。やはり、現在の中学生の数学力を考えるとこのくらいのレベルが妥当ということでしょう。
個人的にはもう少し歯応えのある問題があってもいいかなと思いますが、そうなると中位層から下位層の得点差がほぼなくなってしまうので、難しいところですね。いずれにしても、数学力の低下がどんどん進行しているのは確かです。
正答率が低かった問題について、以下で取り上げておきます。
再チェック 大問1 (3)、(5)
(5)の四分位範囲の問題はきちんと勉強していない人が多いのではないかと思います。統計の範囲は、穴になっている受験生が多いので、冬休みの間などにまとめてやっておくといいでしょう。また、(3)のような計算問題は、普段から計算の工夫を考えているかどうかが得点に反映されます。無味乾燥な計算問題を繰り返していても、こうした工夫を要する問題には対応できません。もう少し考えて勉強をするようにしましょう。
再チェック 大問2
大問2は(1)も(2)もあまり出来が良くありませんでした。確率の基本的な考え方が理解できていない人、「なんとなく」解いてしまっている人が多いようです。同様に確からしいとはどういうことか、そうしたことがきちんと説明できるようになっておくことが大切です。
再チェック 大問3(3)
大問3については、最近の中学生における数学の勉強のマズさが表れています。解説でも触れましたが、(2)も(3)も本質的には同じような問題です。しかし、(2)が正答率50%ほどある一方で、(3)はほぼ0%という極端な結果となっています。(2)のような問題は、問題集などにも必ず載っている頻出問題なので解けたという人が多かったと思います。ところが(3)になると、あまり見かけるタイプの問題ではないため、正答率が一気に落ちます。どちらも座標平面上での面積を考える問題なので、考えることは大きく変わりません。しかし、見たことがあるかどうかで、ここまで正答率が変わってしまうのは、結局、目の前の問題の解き方を覚えるという薄っぺらい学習に終始している結果ではないかと思います。その問題を通して何を理解すべきか、ということをもっとよく考えてほしいですね。
再チェック 大問6・7の(2)と(3)
幾何の問題は苦手としている人が多いのか毎年出来が悪いです。今回は総合模試の中でも難易度が抑えられていた方なのですが、それでも50%を切るような状況となっています。中学生の数学では初等幾何の重要性が高いので、こうした問題で手も足も出ないというのは困りものです。苦手だからと敬遠していては、いつまでたっても出来るようにはなりません。幾何の問題にアレルギーがある人は、冬休みなどの期間を使って集中的に取り組んでみてほしいなと思います。とくに自分の手で図を描く練習をしっかりとやってください。問題で与えられた図を使うという横着をしないことが大切です。
前回の第4回に引き続き、第5回も難しいと言える問題はありませんでした。しかし、上位層が確実にバラけてきています。標準偏差(データのばらつき)が大きくなっていることからもそれが分かります。難しい問題が多いと70点前後に高得点者が固まってしまうのですが、問題が易しくなると実力差が少しずつ浮き彫りになってきています。とくに、今回数学の成績が落ちたという人は、ふだんやっている内容について再検討してみてください。
先に述べたように、目の前の問題の解き方を覚えておしまい、あるいは、似たパターンの問題の解き方を覚えておしまいという感じになっていないか、よく確認してみてほしいと思います。
統一テストからしばらくテストが続くと思いますが、復習をしっかりとやって、実力をあっぷさせていきましょう。まだまだ伸ばせます!諦めずに取り組んでいきましょうね!