2025年度第7回石川県総合模試の数学を解いてみた(ダイジェスト版)

この時期はとても慌ただしいので、今回の解説記事はダイジェスト版となります。
いよいよ公立高校入試まで50日ほどになりました。今回の模試の後で、「もうダメかもしれない」と落ち込んでいる人もいるかもしれませんが、下を向いている暇はありませんよ!
残り50日ほどで、偏差値を5以上も上げる生徒を私は何人も見てきました。彼らに共通しているのは、最後まで「自分はまだ伸びると信じて取り組んだ」、「分からない部分を徹底的に潰すことをやり続けた」ことです。
ここまでしっかりと準備をしてきた人は、今の成績がどうであれ、最後までやるべきことをやっていきましょう。
概観
出題数は石川県の入試傾向に合わせたスタンダードな構成でした。
難易度は「やや易」といったところでしょう。
全体的に解きやすい問題が多く、特に大問6の図形問題などは、気づけばあっという間に解ける「見掛け倒し」の問題でした。後半の図形で時間を使いすぎたり、難しく考えすぎて落としてしまった人は要注意です。ただし、前半は問題文が長いものが多く、そこで時間を取られて焦ってしまった人もいたかもしれません。
全部を解き切るにはある程度のスピードが必要ですが、60点〜70点、上位層なら80点以上を十分に狙えるセットでした。「解ける問題を確実に解く」ことはもちろん、「基本の組み合わせで最短ルートを見つける」力が試されていたといえます。
全体的な難易度 やや易
問題の解説
ここからは具体的な解説です。問題用紙と模範解答を手元に用意して読み進めてください。
大問1:小問集合
難易度易
基本的な計算力が問われるパートです。ここは満点を目指したいところです。
- 計算の正確性:符号、通分、平方根の扱いでミスをしない。
- 基本公式の定着:解の公式、変化の割合、資料の活用の定義を理解しているか。
(1)の計算はオーソドックスな問題ばかりでした。そろそろエの通分での符号ミスなどは追放したい時期です。オの根号を含む計算は、とにかくシンプルに計算してミスを減らすようにしましょう。
$$\dfrac{8\sqrt{3}}{\sqrt{2}}-\sqrt{24} = 4\sqrt{6} - 2\sqrt{6} = 2\sqrt{6}$$
くらいにサクッと計算できるようになりたいところです。
(2)は、$x^{2}-2x-5=0$ としてから解の公式を用いて
$$x = \dfrac{2 \pm \sqrt{24}}{2} = 1 \pm \sqrt{6}$$
とした人もいたかもしれませんが、平方完成して $(x-1)^2-1=5$ から $x-1=\pm\sqrt{6}$ として解く方がミスが少ないでしょう。
(3)の変化の割合は、公式 $a(p+q)$ を用いればすぐに解けますが、これは別に覚える必要はあまりありません。定義通り
$$\dfrac{9-1}{6-2}=2$$
と計算できればOKです。
(4)もワークなどに必ず登場する典型問題でした。$\sqrt{\dfrac{252}{n}}$ が整数となる最も小さい自然数 $n$ を求めるので、$\dfrac{252}{n}$ の分子が平方数となるように $n$ を定めるだけです。
$$252=2\times 2\times 3\times 3\times 7$$
となるので、$n=7$ とすれば分子が $2^2\times 3^2$ となり平方数となります。
(5)の資料の問題もデータを数えて計算するだけです。データ順は12, 16, 19, 21, 23, 25, 26, 28, 28, 30, 32, 36なので、第1四分位数が20、第3四分位数が29となります。したがって、四分位範囲は
$$29-20=9$$
今回は非常に易しい問題ばかりだったので全問正解を狙いたいですね!
大問2:確率
難易度標準
問題文が長いので、しっかりと設定を拾っていく必要があります。
- 表に1〜4の数字が書かれたカードが表向きに置いてある
- 袋に1〜4の数字が書かれた玉があり、これを2つ取り出す
- 最初の玉に書かれた数字を $a$、2つ目の玉に書かれた数字を $b$ とする
さらに続けて以下の操作をします。
(1)は $a=2$、$b=3$ のとき表になっているカードの枚数を考えます。操作を順に追うと、最終的に表なのは4のみなので、1枚となります。
(2)は表が2枚となる確率を求める問題です。まずは全部で何パターンあるか書き出してみましょう。

全部で12通りしかないので、下手に計算するより書き出してしまう方が簡単です。
- 条件を満たすのは、(1,4), (2,1), (2,4), (3,1), (4,1) の5通り。
というわけで、求める確率は $\dfrac{5}{12}$ となります。
確率の基本は具体的に書き出すことです。忘れないように!
大問3:1次関数
難易度易
大問3は1次関数をベースにした料金プランの問題でした。
Aプラン
・基本料金1000円
・$0〜20\mathrm{m}^2$ は $1\mathrm{m}^2$あたり190円
・$20\mathrm{m}^2〜$ は、$1\mathrm{m}^2$あたり160円
Bプラン
・基本料金3000円
・$1\mathrm{m}^2$あたり110円
(1)はAプランで使用量が $20\mathrm{m}^2$ のときの料金を求める問題でした。
上の表から、$1000+20\times 190=4800$ 円とすぐに求まります。
(2)はプランBのグラフを描く問題です。基本料金は3000円なので、$y$ 切片は3000です。また、$1\mathrm{m}^2$あたり110円なので、傾きは110となります。
したがって、グラフの方程式は $y = 110x + 3000$ であり、キリのいいところを考えると、$(50,\ 8500)$ を通るので、グラフは下図の赤色の線となります。

(3)はAとBの料金が等しくなるガスの使用量を求める問題です。言い換えると上の2つのグラフの交点の $x$ 座標を求めよということです。
$x>20$ におけるAのグラフの方程式は傾きが160であり、$(20,\ 4800)$ を通ることから
$$y = 160x + 1600$$
Bのグラフの方程式は(2)より $y = 110x + 3000$ なので、これらを連立して解くと
$$50x = 1400\quad \therefore x = 28$$
大問4・連立方程式
難易度易
部活動のアンケート結果から人数を求める問題です。グラフの読み取りができれば問題なく解けたでしょう。
男子 $x$ 人、女子 $y$ 人とすると
- 「いいえ」の合計:$0.10x + 0.32y = 0.20(x+y)$
- 人数の差:$0.32y - 0.10x = 40$
これらを解いて $x=240$、$y=200$ となります。
大問5・作図
難易度易
作図の問題も非常に基本的な問題でした。
条件 $\mathrm{AP=BP}$ は線分 $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線と言い換えられます。
また、条件 $\angle \mathrm{APC} = \angle \mathrm{ACB}$ については $\triangle \mathrm{ABC}$ が二等辺三角形なので $\angle \mathrm{ACB} = \angle \mathrm{ABC}$ から $\angle \mathrm{APC} = \angle \mathrm{ABC}$ と言い換えられます。
よって、円周角の定理の逆より、点 $\mathrm{P}$ は $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$、$\mathrm{C}$ と同じ円周上にあることがわかります。つまり、 $\triangle \mathrm{ABC}$ の外接円と線分 $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線の交点が $\mathrm{P}$ となります。
なお、外接円の中心は、$\mathrm{BC}$ または $\mathrm{AC}$ の垂直二等分線と $\mathrm{AB}$ の垂直二等分線の交点として求められます。
大問6:平面図形
難易度易
この時期の問題としては、少し簡単すぎるように思います。
(1)は角度の問題でした。

弧BCに対する円周角は等しいので、$\angle \mathrm{BAC} = 29^\circ$、ACは直径なので $\angle \mathrm{ABC} = 90^\circ$ となるので、$\angle \mathrm{ACB} = 61^\circ$ となります。
(2)は相似の証明でした。

弧BEと弧CDが等しいことから
$$\angle\mathrm{BAF}=\angle\mathrm{DBC}$$
$\mathrm{AB//DC}$ より
$$\angle\mathrm{ABF}=\angle\mathrm{BDC}$$
よって、$\triangle\mathrm{ABF}\sim\triangle\mathrm{BDC}$ となります。
(3)の面積は難しく見えた人もいるかもしれませんが、非常に簡単な問題でした。

図を見ると分かると思いますが、円周角定理から $\angle\mathrm{DGA}=\angle\mathrm{DBA}$、$\mathrm{AB//DC}$ より $\angle\mathrm{ABD}=\angle\mathrm{IDH}$ となります。すなわち
$$\angle\mathrm{DGH}=\angle\mathrm{IDH}$$
また $\angle\mathrm{DHG}=\angle\mathrm{IHD}$ より、
$$\triangle\mathrm{DGH}\sim\triangle\mathrm{IDH}$$
このとき相似比は $\mathrm{GH:DH=11:5}$ より面積比は $121:25$ となります。
したがって、$\triangle\mathrm{DHI}$ と $\triangle\mathrm{DIG}$ の面積比は
$$25:(121-25)=25:96$$
となります。
(2)も(3)も同じようなことを考える問題だったので、もう少し出題に工夫が欲しかったです。
大問7:空間図形
難易度標準
空間図形は定番の正四面体の問題でした。各面が正三角形となることと対称性に気をつけておきたい問題です。

(1)は断面の形状に関する問題です。M、NはそれぞれBC、CDの中点であり、対称性を考えれば $\mathrm{AM=AN}$ となるので、イが正解です。
(2)は最短距離の問題です。

立体の表面を通る線分なので、平面に戻して(展開図を考えます)直線で結べばOKです。

図を描くと上図のようになることが分かります。$\triangle \mathrm{MCN}$ は頂角 $120^\circ$ の二等辺三角形になります。よって、底角は $(180-120)\div 2 =30^\circ$ となります。
(3)も定番の体積比なのですが今回は断面の三角形の比からすぐに求まる簡単な問題でした。

四面体FCMNの体積と正四面体ABCDの体積の比を求めます。
まずは底面の比から見ていきます。それぞれ底面を三角形CMN、三角形CDBとするとこれらは相似になります。

相似比は $1:2$ なので面積比は $1:4$ となります。次に高さの比を考えます。3点C、H、Aを通る平面で切断すると下図のようになります。

$\triangle\mathrm{CFI}\sim\triangle\mathrm{CAH}$ であり、$\mathrm{FI}:\mathrm{AH}=2:3$ となります。
つまり、底面積が4倍、高さが $\dfrac{3}{2}$ 倍なので、体積は6倍となります。よって、求める比は $1:6$ です。
まとめ
今回の問題はこの時期にしては易しすぎる感じがします。復習は間違えた問題だけで十分なので、それよりも金沢市統一テストの復習に時間を割いた方が良さそうです。とくに後半の図形問題は深みのない問題でした。
平均点がなかなか上がらないこともあって、実力差をきちんと測れる内容にしたのかもしれませんが、この内容だと上位層にとってはあまり意味のないテストだったかもしれません。
というわけで、入試までの残り50日ほどとなりました。
長いようで、あっという間です。
ここからは1日1日を無駄にしないことが大切です。だからと言って、焦りすぎる必要はありません。
できなかった問題を1つ1つ「できる問題」に変えていけば、着実に実力は上がっていきます。
「あと50日しかない」ではなく、「あと50日もあがける」と考えてください。
人間の脳は、入試の前日まで成長し続けます。最後の最後まで諦めずに頑張っていきましょう。応援しています!








