まずは、今回の結果から見てみましょう。(スクロールします)
国語 | 理科 | 英語 | 社会 | 数学 | 5科目 |
54.6(14.42) | 57.5(19.62) | 51.9(21.79) | 62.8(17.49) | 48.6(18.79) | 275.0(81.40) |
括弧内の数字は標準偏差となります。数学の平均点は48.6点と5科目の中でも最低でした。
昨年度も第4回の模試は数学の平均がいちばん低い結果でした。おそらく、第4回から模試の受験者が増えるため、こうした模試に慣れていない人の得点が影響しているということもあります(初めて受験する人は得点が低くなりがちです)。
それを考慮しても、少し低めの平均になっているなといった印象です。
ただし、得点の分布を見ると比較的正規分布に近い形になっているため、現在の中学生の学力的にはこのレベルの問題が模試としても妥当なのでしょう。
とくに正答率が低かった問題について、以下で取り上げておきます。
再チェック 大問1 (3)、(4)、(5)
いずれも正答率50%を切る惨状となっています。「単純な計算問題が解ける=基礎力がある」といったお気楽な考え方の人もいますが、それはともすると「答えを出す手続き」を覚えているだけで、実際には何も理解してない可能性が高いです。本当に正しく理解できているか、再度チェックしてみてください。その上で類題をやってみるといいでしょう。
再チェック 大問3 (2)、(3)
大問1の(3)とも関係しますが、関数についてまったく理解できていない中学生がかなりの割合でいるため注意が必要です。何と何の対応を考える問題なのか、そして、その対応関係をグラフで表すとどのようになるか、まずは簡単な問題を用いて基本的な内容を確認しておきましょう。また、今回は長めの問題文を用いた近年のトレンドの問題でした。必要な情報を素早く取り出せるように、日頃から情報を整理する癖をつけるようにしておきましょう。
難易度的には入試標準レベルの問題だったので、差がつく問題だったのですが、(2)でここまで正答率が下がっていたのは予想以上でしたね。頻出の問題なので、情報を整理してグラフをかくために必要なものを取り出せるようにしておきましょう。
再チェック 大問6 (2)、(3) 大問7 (2)、(3)
幾何の問題に対する弱さは以前からずっとあるのですが、その傾向はますます強まっています。この傾向はそのまま高校数学にも引き継がれており、個人的にも問題視している部分です。初等幾何的な視点を鍛えることができるのは中学数学までです。ここでいい加減な勉強をしてしまうと、幾何の問題に対する苦手意識をずっと持ち続けてしまうことになりかねません。合否のことを考えたら後回しなどという勉強からは脱却して欲しいと切に願います。
なお、それぞれの(3)は難しい問題だったと思うので、上位校を狙う人以外は解けなかったとしても悲観しなくて大丈夫でしょう。しかし、上位校狙いの人はしっかり解いて欲しいレベルの問題だったのも事実です。とくに泉丘や附属志望の人は、このくらい問題で詰まっているようでは先々厳しくなるだろうと思います。なお、(2)については正答率60%くらいは欲しいレベルですが、実際には50%に届かない感じになっています。時間が足りなかったという人も多かったでしょうから、復習の段階でしっかり解けるかどうかを確認しておきましょう。