覚えるのは構いませんがその前にちょっとだけ考えてみたいことがあったりするのです

塾長
そろそろ桜も開花しそうな感じです。今年はゆっくりとお花見でもしたいなあと思っている塾長ですが、外に出ると花粉の攻撃を食らうのでどうしたもんか、というのが最近の悩みですね〜(悩んでない)。

 

さて、新年度の授業が一足先にスタートしたわけですが、この時期は計算の単元が多いので計算地獄となります(笑)

新高校1年生も、展開やら因数分解やらの単元が課題として出されているため、ゴリゴリ計算をやっています。中学3年生も展開と因数分解の単元なので、これまたゴリゴリ計算をやっています。

が、「習うより慣れろ」方式で大量にやらせると、大抵の人は大事なことに気づかずにスルーしてしまうので困りものです。

というよりも、「習うより慣れろ」がスタンダードになりつつあることに危機感を覚えています。もう少し自分がやっていることに対して注意深くなってもらいたいなあと思っています。

展開の公式?

たとえば、展開なんかでは公式がたくさん出てくる(ように見えるだけ)のですが、それらを逐一覚えようとする人が出てきます。

巷の問題集などをみると

$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$
$(a-b)^2=a^2-2ab+b^2$
$(a+b)(a-b)=a^2-b^2$
$(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab$
$(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd$

なんていう感じで公式がグループに分けられていて、それぞれに演習問題が付いていたりします。真面目な生徒は、こういうのをコツコツやって覚えていくわけです。結果的に覚えてしまうことについては問題がないのですが、最初からこの公式を覚えて当てはめようとする人が出てきます。ちょっとした違いなのですが、その違いが後々に大きな影響を与えかねないのです。

で、中には「このくらいの公式を覚えられないようではダメだ」という人もいます。まあ、確かにそうなんですが、だからと言って「とにかく覚えろ」では思考停止する生徒を量産しかねないわけです。現実にはそうした生徒が大量生産されているんですが・・・。

 

これらの公式は、別に覚えなくたって分配法則で1つ1つ計算すれば正しい結果が得られるわけです。

そして、その分配法則による計算をやってみると「あれ?」と何かに気付く生徒も出てきます。

この気付く能力(と呼べるかは別として)は結構大切なものです。一方で気付かない生徒もいるのですが、そういう生徒は先ほど述べたような思考停止訓練を大量にやらされてきた生徒が多いことも指摘しておきます。

いずれにしても、分配法則でちまちま計算してみると「結局同じことをやってるだけ」ということが見えてくるはずです。実際には毎回分配法則で計算するのは面倒なので、ショートカットとしてこの公式を利用することになりますが、最初から結果のみを覚えてしまった人と、そうでない人では、このショートカットの回路の構造が異なってきます(出てくる結果は同じですが)。

この話をし出すと終わらない可能性が高いのでやめておきますが、一見、同じ結果が出ているようでも、頭の中で辿っている道順が異なるというケースが往々にしてあるわけです。それが別の機会に「危険な兆候」として露見するようなこともよくある話です。

こうしたことが起こらないように、単なる計算であっても、なるべく丁寧に(いろいろ遊んでみながら)進んでいきたいなと考えています。

というわけで、現在、入学前の課題をやっている新高1生には「たすきがけなくてもいいぞ」という悪魔の囁きを伝えておこうかなと思います(笑)

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