2020第4回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
先日、第4回石川県総合模試が実施されました。このあと11月には第1回金沢市統一テストも控えているので、今回の模試はいつも以上にしっかりと分析をやって今後の勉強に活用していきましょう。

2020第4回石川県総合模試(数学)

例年であればこの時期から模試を受験する生徒が増えるのですが、今年は大会場での実施が難しく、塾単位での実施や自宅受験となっているため、受験者がどの程度になるのかちょっと読めません。が、ここからは統一テストも含めて進路の判断材料となるテストが増えていくので、しっかりと準備を進めていきましょう。模試の復習をしっかりやることが大切です。そして、気をつけたいのが、解答を見たり解説を聞いたりしただけで終わらせないことです。必ず自分の手と頭を使って復習をやること、これが大事です。

概観

今回もいつも通り時間的にはかなり厳しいセットであり、大問7、小問22というテンプレ構成でした。

最初の大問2、大問3の問題文がかなり長く、思った以上に時間を取られて焦ってしまったという人もいたかもしれません。実際、今回は後半の図形の問題の方が典型的な問題だったため、時間的なことを考えると先に図形を片付けてしまった方が余裕があったかもしれませんね。とはいえ、図形も得意不得意がはっきりとわかれる分野なので、一概にこの問題からやるべきということは言えませんが。

出題内容は、大問1の小問集合以外は、確率・関数・方程式・作図・平面図形・空間図形という内容でした。大問2が規則性の問題になったり確率の問題になったりと変動しますが、あとは変わりありませんね。その意味では準備がしやすいテストだと言えます。

そして、50分という試験時間を考えると、全問を考えながら解き切るのはかなり大変だと思います。しかし、数学が得意な生徒にとっては「先の見える」問題がほとんどあるため30〜40分で解いてしまう生徒もいると思います。時間的に厳しいからと言って、安直に答えを出す方法(解法)を暗記しようとする人が多いのですが、その方法でテストの点数が上がったとしても「数学の力」はほとんど身につかないので、そのことを分かった上でやってほしいと思います(それでもおススメしませんが)。

前回に比べると同程度の難易度だったのではないかと思います。近年は想定よりも平均点が低くなることが多くなりました。それだけ数学の力が落ちてきているように思います。

全体的な難易度 やや難

各問題の概要

ここからは大問ごとの内容を細かく紹介していきます。問題をお持ちの方は問題を見ながら、そして実際にあれこれ書いてみながら読んでいただければと思います。

大問1

内容 小問集合

難易度 

(1)の計算問題は全問きちんと正解したいですね。計算問題では、とくに「計算ミス」が話題になります。計算ミスと言っても、「計算規則が曖昧な状態」である人がほとんどです。ミスとして片付けるのではなく、もう一度計算の規則をきちんと理解しておきましょう。指導経験上から、とくに指数の扱い(ウのような問題)には注意しておいて欲しいところです。

(2)は2次方程式の問題ですが、係数を見て瞬間的に $8$ と $-3$ が思いつくくらいには練習をしておきたいところです。

(3)は変化の割合の問題ですが、定義に従って求めていけば問題はありません。$x=1$ のとき $y=12$ であり、$x=3$ のとき $y=4$ となるので

$$\frac{4-12}{3-1}=\frac{-8}{2}=-4$$

となります。何となく理解したつもりになっている人は、きちんと確認しておきましょう。

(4)は角度の問題ですが、正五角形と正方形というのが大きなヒントになります。角度から攻めるべきか長さから攻めるべきかをよく考えて欲しいところです。図形を見て、直感的に「二等辺三角形の匂いがする!」となれば最高です。そうすると、正五角形であることから、$\mathrm{CB=CD}$ であり、正方形であることから $\mathrm{CD=CG}$ となります。したがって、$\mathrm{CB=CG}$ となるので、$\triangle\mathrm{CBG}$ は二等辺三角形であることが分かります。あとは、$\angle\mathrm{BCG}$ は正五角形の1つの内角が $108^\circ$ であることに注意して、$\angle\mathrm{BCG}=108-90=18$ となります。したがって、$\displaystyle\frac{1}{2}\times (108-18)=81$ と計算できます。

(5)はただの割合の問題なので、表面的な用語に惑わされないようにしましょう。用語の定着が不十分な人は、きちんと教科書で復習をしておいてください。

大問2(復習オススメNo.1)

内容 確率

難易度 やや難

今回の大問2は確率の問題でしたが、単なる確率の問題ではなく規則性との融合問題であったため難しいと感じた受験生が多かったのではないかと思います。また、問題文が長いため見た瞬間に飛ばしたという受験生もいたのではないかと思います。

しかし、問題自体はとても良い問題なので、できなかった人や飛ばしてやらなかった人は、時間をかけて再挑戦してほしい問題です。

というわけで、問題は2個のサイコロを投げて、出た目の数に応じて階段を上下する問題でした。

  • Aさんは床からスタート
  • 赤いサイコロの目を $a$ 、白いサイコロの目を $b$ とする
  • $a+b$ が奇数であればその数だけ階段を上がり、$a+b$ が偶数であればその数の半分だけ階段を上がる
  • 途中で⑥の段に到達したら、超えた分を下りる

以上が規則として与えられています。このときに、ちょっと「面倒だな」と感じるのはどの部分でしょうか? おそらく3つ目と4つ目の規則の部分ではないかと思います。奇数の場合と偶数の場合で規則が異なるので、ここは慎重に考える必要があります。また、⑥の段に到達すると下りるというのが少々厄介です。

こういう動きの方向が変わる場合は何かと面倒になることが多いのですが、ここでは思い切って「そのまま突き進む」設定に変えてしまいます。階段という設定を取り払って番号のみに着目すると

①②③④⑤⑥⑤④③②①

のように考えることが可能です。たとえば、問題で与えられた図を用いて考えると、$a+b=9$ のときは、⑥までいって超えた分の3だけ下りることになるので、③にいることになります。これを上のように番号にのみ着目すると、$a+b=9$ のときは9番目の数のところに到達すると考えればよりシンプルになるでしょう。

塾長
このように設定を崩さずに、より簡単に考える方法を考えてみることは非常に有効です。こうした能力が大切なのですが、型どおりにしか考えられない人が増えてきているのは残念です。

①②③④⑤⑥⑤④③②①のように考えることにしたら、次に、最高到達点がどこなのかを確認する必要があるでしょう。2つのサイコロの目の和は $6+6=12$ が最大ですが、規則によって、これは $6$ となります。そのため、$5+6$ の $11$ が最大となることがわかります。つまり、到達点の考察は①②③④⑤⑥⑤④③②①で十分であることが分かります。

ここまでが考察できればあとは解けたようなものです。

(1)は具体例ですが、$1+3=4$ となるので、半分の2の場所になります。したがって、②の段にいることになります。

(2)も上のような考え方ができれば、難しくないでしょう。③にいる場合は、到達点として3番目と9番目が考えられます。$a+b$ が奇数の場合はそのまま3と9が該当します。偶数の場合は6が該当します。

したがって、$(a,\ b)$ の組は、$a+b=3$ のときは

$$(1,\ 2),\ (2,\ 1)$$

$a+b=6$ のときは

$$(1,\ 5),\ (2,\ 4),\ (3,\ 3),\ (4,\ 2),\ (5,\ 1)$$

$a+b=9$ のときは

$$(3,\ 6),\ (4,\ 5),\ (5,\ 4),\ (6,\ 3)$$

となるので、全部で11通りとなります。2つのサイコロの目の出方は全部で36通りなので、求める確率は

$$\frac{11}{36}$$

となります。

大問3(復習オススメNo.2)

内容 関数

難易度 やや難

大問3は関数の問題でした。大問2に続いて、問題文が長いタイプだったので「読むのが面倒だな」と思った人もいたのではないかと思います。

塾長
正直に言うと「あ〜解説書くの面倒くさいな・・・」とテンションが下がっています(笑)

と愚痴をこぼしたところで、早速問題を見ていきましょう。

まず、小問に取り掛かる前に設定を把握しておきましょう。AとBの2つの水槽があるので、これを確認しておく必要があります。

水槽Aの方はグラフも与えられているので、これを参考にしながら考えましょう。

まず最初は給水管Pだけを開いてスタートです。このとき、グラフの黒い部分に着目しましょう。10分間で60L給水していることが読み取れるので、給水管Pは毎分6Lで水を出していることが分かります。

次に、10分後から給水管Qも開いて給水します。グラフの赤い部分です。このとき、10分後から13分後までの3分間に30L給水してることが読み取れます。つまり、この間は毎分10L給水しています。Pが毎分6L給水するので、Qは毎分4L吸水することが分かります。

さらに、青い部分に着目すると、13分後から22分後までの9分間で90Lの水を排水しているため排水管Rは毎分10Lの水を排水することが分かります。

これで、全ての給排水の量が求まりました。排水はマイナスで表すと、以下のようになります。まずは、これくらいのことを整理しておきましょう。

PQRST
毎分の給排水量6L4L-10L10L-10L

(1)は計算をしなくても、グラフから80Lであると読み取れます。模範解答では計算をしていますが、給水の状況を確認する過程で確認できるため、計算は必要ありません。

(2)もすでに求めたように毎分4Lであると分かります。

(3)がこの問題でもっとも重要な部分となります。最初に給水と排水のシステムを確認したときに、ある操作以降は繰り返しになることが分かったと思います。この「繰り返し」というのは周期性と呼ばれるもので数学では非常に重要な考え方になります。1周期がどうなるかを確認すると、(3)も簡単に解けてしまいます。

水槽の水が0Lに戻るところまでが1周期となるので、これをグラフにしてみましょう。

水槽Aはすでに分かっているので、水槽Bの給排水の状態を書き込んでみましょう。赤いグラフのようになります。したがって、水槽Aでは22分で1周期、水槽Bでは18分で1周期となります。これが一致するのは、22と18の最小公倍数を考えればいいということはすぐにイメージできて欲しいところです。

$18=2\times 3\times 3$ であり、$22=2\times 11$ なので、最小公倍数は $2\times 3\times 3\times 11=198$ となります。

この問題では、最初に必要なことを確認していく段階でほとんど解けてしまいます。解き方云々ではなく、必要なことを求めていくというシンプルな考え方で十分です。

大問4

内容 方程式

難易度 

大問4は方程式の問題でした。最近の傾向としては問題文が長文化するケースが多いため、簡単な問題であっても敬遠してしまう人が増えています。しかし、今回の問題はオーソドックスなタイプの問題だったので、取っつきやすかったのではないかと思います。

方程式に限った話ではありませんが、いきなり解き方どうこうではなく、まずは与えられた情報を整理することからスタートしましょう。

バレー部はP町からQ町まで、サッカー部はP町からR町まで行った。どちらの部も行きは電車、帰りはバスを利用した。

と問題に書かれているので、まずはこれを比較しやすい形式に書き出してみましょう。

移動行きの運賃(電車)帰りの運賃(バス)
バレー部P町からQ町180円200円
サッカー部P町からR町210円200円

まあ、こんな感じでしょうか(スマホだと横にスクロールしますよ〜)。どんな形式でも構わないので、まずは前半部分をきちんと押さえておきましょう。後半はどうでしょうか。

バレー部とサッカー部のバスのバスの運賃の合計は、電車賃の合計より60円高かった。また、大会に行ったサッカー部員の人数はバレー部員の人数より9人多かった。

まず、「サッカー部員の人数はバレー部員の人数より9人多かった」とあるので、バレー部の人数を $x$ とします。そうするとサッカー部の人数は $x+9$ と表せます。

塾長
もちろん、サッカー部を $x$ 人、バレー部を $y$ 人としてもいいですが、わざわざ文字を2つ使って表すほどの内容ではないので、できる限り文字数は少なくしておきたいところです。

次に、「バレー部とサッカー部のバスのバスの運賃の合計は、電車賃の合計より60円高かった」を考えます。先の表から、バレー部とサッカー部のバスの運賃の合計は

$$200x+200(x+9)$$

と表せます。また、電車賃の合計は

$$180x+210(x+9)$$

となります。バスの運賃の合計は電車賃の合計より60円高かったということなので

$$180x+210(x+9)+60=200x+200(x+9)$$

となります。あとはこれを解いて、$x=15$ となります。したがって、バレー部は15人、サッカー部は24人となります。

大問5

内容 作図

難易度 標準

作図の問題で重要になるのは、等しい距離です。当然、図形の知識が曖昧であれば作図の問題はできません。作図が苦手な人、あるいは図形に不安のある人は、中2あたりの図形の知識を整理しながら「等しい距離」に着目してみると良いのではないでしょうか。

今回は、点Pが $\angle\mathrm{XOY}$ の二等分線上にあるということと、2点A、Bを通る円の中心であるという2つの条件を満たすことから考える問題です。「$\angle\mathrm{XOY}$ の二等分線上にある」というのは角の二等分線という超基本的な作図なので大丈夫でしょう。

問題は、「2点A、Bを通る円の中心」という条件です。これは、言い換えれば「2点A、Bは中心をPとする円の周上の点である」ということです。円周上にある点なので、円の半径を考えれば $\mathrm{AP=BP}$ という関係がすぐに分かります(図を描いてみましょう)。$\mathrm{AP=BP}$ ということは、PはA、Bから等しい距離にある点であることが言えるので、ABの垂直二等分線を考えればいいということが分かります。

というわけで、この問題は角の二等分線と垂直二等分線という超基本的な作図を用いる問題だったわけです。しかし、そんな風に最初から分かってしまうと誰でも解けてしまうので、「2点A、Bを通る円の中心」などという表現に変えられています。ここを繋ぐのは図形についての正しい知識です。

大問6

内容 平面図形

難易度 標準

今回の平面図形は二等辺三角形を題材としたもので、比較的取り組みやすい問題だったのではないかと思います。といっても、(3)などは図形が苦手な人にとっては「見たくもない」問題だったかもしれませんが(笑)

(1)は角度の問題です。条件をきちんと整理していきましょう。

まず、$\angle\mathrm{BAC}=46^\circ$ であることと $\triangle\mathrm{ABC}$ が $\mathrm{A}$ を頂角とする二等辺三角形であることから

$$\angle\mathrm{ACB}=\frac{180^\circ-46^\circ}{2}=67^\circ$$

となります。また、$\mathrm{AP=BP}$ より $\angle\mathrm{ABP}=46^\circ$ となります。このとき、三角形の外角を考えると

$$\angle\mathrm{BPC}=46^\circ\times 2=92^\circ$$

です。したがって、$\angle\mathrm{CBP}$ は

$$\angle\mathrm{CBP}=180^\circ-(92^\circ+67^\circ)=21^\circ$$

となります。この問題はしっかりと得点しておきたい問題です。

次に(2)の証明を考えていきましょう。証明問題では、何が仮定されているか、証明すべき事柄が何かをきちんと確認しましょう。そんなの当たり前のことと思うかもしれませんが、案外いい加減に済ませている人も多いのです。

ここでは、$\mathrm{BC}//\mathrm{QR}$ と $\mathrm{BP=RP}$ が仮定されています。そして、証明すべき事柄は、$\triangle\mathrm{BCP}\equiv \triangle\mathrm{RQP}$ です。

慣れている人はこの時点ですぐに証明の道筋が見えると思います。そうでない人は、$\triangle\mathrm{BCP}\equiv \triangle\mathrm{RQP}$ の1つ手前を考えてみましょう。2つの三角形の合同を述べるためには

  1. 3組の辺がそれぞれ等しい
  2. 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
  3. 1組の辺とその両端の角がぞれぞれ等しい

のいずれかです。このとき、辺について仮定されているのは $\mathrm{BP=RP}$ のみです。一方、$\mathrm{BC}//\mathrm{QR}$ からは角の情報が得られます。したがって、3つめの合同条件を考えてみるのが良いでしょう。

実際に、$\mathrm{BC}//\mathrm{QR}$ から $\angle\mathrm{PBC}=\angle\mathrm{PRQ}$ が分かります。また、もう一端の角については、対頂角を考えて $\angle\mathrm{BPC}=\angle\mathrm{RPQ}$ となります。

以上から、$\triangle\mathrm{BCP}\equiv \triangle\mathrm{RQP}$ が示せました。

(3)は少々意地悪な問題ですが、作図の問題とちょっと雰囲気が似ているところもあります。この問題では、$\mathrm{AC \perp BR}$ というのがポイントになります。(2)で $\mathrm{BP=RP}$ が分かっているので、これとあわせて「$\mathrm{AC}$ が $\mathrm{BR}$ の垂直二等分線である」ことに気づいてほしいところです。そうすると、$\mathrm{AB=AR}$ であることが分かり、与えられた $\mathrm{AQ:AR=3:7}$ が活用できます。$\mathrm{AR=AB}$ であり、$\mathrm{AB=AC}$ でもあることから

$$\mathrm{AR=AC}$$

となることが分かります。したがって、$\mathrm{AQ:AC=3:7}$ であり、これから $\mathrm{AQ:QC=3:4}$ も分かります。さらに、$\triangle\mathrm{BCP}\equiv \triangle\mathrm{RQP}$ なので、$\mathrm{QP=PC}$ です。よって

$$\mathrm{AQ:QP:PC=3:2:2}$$

となることが分かります。これが分かってしまえば簡単です。高さの等しい2つの三角形 $\triangle\mathrm{ARQ}$ と $\triangle\mathrm{RQP}$ に着目すると

$$\triangle\mathrm{ARQ}:\triangle\mathrm{RQP}=\mathrm{AQ:QP}=3:2$$

となります。$\triangle\mathrm{BCP}\equiv \triangle\mathrm{RQP}$ なので

$$\triangle\mathrm{ARQ}:\triangle\mathrm{BCP}=3:2$$

であることから、結局 $\triangle\mathrm{BCP}$ は $\triangle\mathrm{ARQ}$ の $\displaystyle \frac{2}{3}$ 倍になると分かりました。

大問7(復習オススメNo.3)

内容 空間図形

難易度 標準

大問7は空間図形でした。空間図形は苦手と感じる人が多い分野であり、なおかつ最後の問題なので、時間をかけてきちんと考えられたという人はあまりいないのではないかと思います。(3)はなかなか歯応えのある問題なので、しっかりと復習しておきたいところです。
(1)は簡単だったと思います。MNと平行な辺はABとDEですね。
(2)はとても面倒な雰囲気が漂いますが、雰囲気だけです。きちんと考えると、そこまで難しくありません。とりあえず、細かい計算はあとでやることにしてそれぞれの立体の表面積はどうなるか考えてみましょう。
塾長
いきなり細部を見ていくのではなく、大まかに全体を捉える能力はとっても大事なんです! ざっくり万歳!!
頂点Aを含む方の立体は
$$\mathrm{ABNM+ABED+DEF+BEFN+ADFM+MNF}$$
頂点Cを含む方の立体は
$$\mathrm{CMN+CNF+CMF+MNF}$$
となります。これらの差をとると $\mathrm{MNF}$ が消えてくれます。$\mathrm{MNF}$ を実際に計算して面積を求めるのはとても面倒なのですが、計算する必要がないことが分かりました。あとは、単純な図形の計算のみです。
\begin{align*}
\mathrm{ABNM}&=\frac{1}{2}\times (3+6)\times 4=18\\
\mathrm{ABED}&=6\times 8=48\\
\mathrm{DEF}&=\frac{1}{2}\times 6\times 8=24\\
\mathrm{BEFN}&=\frac{1}{2}\times (5+10)\times 8=60\\
\mathrm{ADFM}&=\frac{1}{2}\times (4+8)\times 8=48\\
\mathrm{CMN}&=\frac{1}{2}\times 3\times 4=6\\
\mathrm{CNF}&=\frac{1}{2}\times 5\times 8=20\\
\mathrm{CMF}&=\frac{1}{2}\times 4\times 8=16\\
\end{align*}
となるので、求める値は
$$18+48+24+60+48-6-20-16=156$$
となります。
塾長
単純な図形のみになるとはいえ、ちょっとこの計算は嫌ですね・・・
(3)はいろいろな考え方があるので、模範解答と異なる方法で考えてみましょう。なお、$\triangle\mathrm{AMG}\equiv \triangle\mathrm{CMF}$ は分かっているものとします。
というわけで、まずは、でっかい三角柱を考えます。
図の $\mathrm{GHI-DEF}$ を半分にした $\mathrm{GHI-ABC}$ の体積を求めて、そこから $\mathrm{GHI-MNC}$ の体積を引くことで求める立体の体積が得られます。このとき、$\mathrm{GHI-MNC}$ の体積は、三角錐 $\mathrm{F-GHI}$ から三角錐 $\mathrm{F-MNC}$ を引くことで求められます。このとき、(2)で求めたものをできるだけ利用して計算の重複を避けてください。
三角錐 $\mathrm{F-GHI}$ の体積は
$$\frac{1}{3}\times 24\times  16=128$$
三角錐 $\mathrm{F-MNC}$ の体積は
$$\frac{1}{3}\times 6\times  8=16$$
したがって、$\mathrm{GHI-MNC}$ の体積は $128-16=112$ となります。
また、$\mathrm{GHI-ABC}$ の体積は
$$24\times 8=192$$
となるため、$192-112=80$ と求められます。
塾長
模範解答のように2つの立体に分割するのも良いですが、この解答のように、見えない部分を補って考えていく方法も有効なので参考にしてみて下さい。

総評

何だかんだ言いつつ、全部の問題を解いてしまいました。やってみた感想としては「ああ、面倒臭い」という感じです・・・。全体的に計算量が多いので、普段から計算の工夫を意識して、できる限り計算をしないで済むように頭を使っていきたいところです。

前回までの成績を考えると、今回も前回とあまり変わらない平均点になるかもしれません。もちろん、受験生全体の学力も上がってきているので、多少のアップは見込めるとは思いますが、時間的な厳しさは変わらないのでどうかなあという感じですね。

まあ、平均点や偏差値がどうこうの前に、まずはきちんと数学的に考えるという姿勢を忘れないように勉強をやっていって欲しいなと思います。とくに後半の平面図形と空間図形は、見た目がゴツく見えてもやってみると案外簡単という問題も少なくないので、しっかりと考えて復習をして欲しいと思います。

そして、もうすぐ統一テストが実施されるので、そこに向けて自分の課題をきちんと分析し、日々の勉強の中で改善していきましょう!

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