たまには英語の話でも

うちは数学メインの塾だけど一応英語も教えている。

英語については、次の大学入試改革で4技能評価(読む・書く・話す・聞く)が取り入れられることになっているけれど、まだまだ賛否両論あって具体的な形は見えて来ない。俺は英語について専門的に学んだ人間ではないから、4技能を指導する効果についてはよく分からない。よく分からないからこそ具体的な形を知りたいのだけど、学校でどのような指導が行われるのかについてもイマイチ見えてこない。だから、4技能評価については懐疑的な立場である。

懐疑的というか、中高生に実際に英語を指導する立場として、ごく基本的な文法も理解できていない生徒が多すぎるという実情を目にしている。「文法が英語教育を阻害する云々」という主張もあるのだけど、確かに重箱の隅をつつくような細々とした英文法は不要かもしれないが、言語のルールとして最低限必要な文法をマスターしなければ4技能もクソもないだろう。

現行の英語の教育は2技能(読む・書く)中心であるけれど、それでもこの惨状である。ここに+2技能を入れることでどれくらいの効果があるのか、ということをきちんと分かるように示して欲しいのである。ふつうに考えたら、やることが増えるわけだから、各能力が薄まってしまうんじゃないの?という気がしないでもないんだけど。

で、4技能についてはこういう人たちが推進している。

4skills

カリスマ英語講師として東進ハイスクール・東進ビジネスクール講師として教鞭をとりながら、文部科学省の審議会・連絡協議会を通…

安河内:日本で一番大きな影響力を持っているテストは大学入試ですね。TOEICよりも影響力があります。日本の若者の何人かに一人は大学受験をしますね。その中でもガッツリ勉強する25%くらいが、将来の日本の知的牽引者に育っていく可能性が非常に高いわけです。今は日本の知識人層でもガラパゴスな受験勉強のせいで英語が苦手な方が多いですが、大学受験が変わって将来の知的リーダーたちが4技能試験に向けた勉強をすれば、今よりもかなり改善するでしょう。スピーキングテストに向けて勉強すれば、世界でプレゼンをする最小限の能力は身につくし、ライティングテストに向けて勉強すれば、曲がりなりにもeメールが書けるようになる、リーディングに関しても、新聞の簡単な記事や教科書は読めるようになるでしょう。そうなれば、なんとか世界に出て行くための基礎作りができる。もちろん、それに合わせて現場の改革はもっと重要ですが。

と、こんな感じで言ってるわけだけど、はっきり言って何言ってるか分からない。何となくイメージでしか語っていないし、具体的なものが何一つない。「日本の知識人層でもガラパゴスな受験勉強のせいで英語が苦手な方が多い」という根拠も分からない。知識人層ってのは、どの層なんだろうか。俺の知ってる優秀な人たちはみんな英語できるし、普通に海外で仕事してたりするんだけど、そういう人はどうなんだ? それは特殊な例とか言わないでくれよ。みんな、普通に受験して大学行った連中だぞ。帰国子女とかじゃないからな。

安河内:ここで私が言いたいのは、4技能試験はどの試験も本質は似てますから、「個別の試験の対策」ということにこだわりすぎないようにすべきだということです。結局4技能試験に向けての最高の対策は、本質的な英語力を高めることです。傾向を分析して表面的なテクニックをどうこうしても、4技能試験のスコアが上がるわけではありません。まずは、テストから離れて、4技能の本質的な能力を育てていく指導が中心となるべきです。個別のテストや問題の尻ばっかり追っかけまわすような指導をしても、簡単に点数が上がるものではありません。一度受けてみれば、すぐにわかることですが、そこが、2技能試験との大きな違いです。

まず、「本質的な英語力」というのは何なのか。そこに言及してもらわないと話が全く見えない。仮に「本質的な英語力」があったとして、4技能の試験には「本質的な英語力」が必要で、2技能の試験には「本質的な英語力」が必要ないことの違いは何なんだろう。

この人、いろんなところで対談したり記事を書いたりしてるんだけど、どれもイメージばかりで話が薄っぺらい。4技能ありきで話をしているので、2技能評価の問題点や4技能評価の有効性が「具体的に」見えて来ないのである。

一方で、批判的なものとしては、以下のような主張がある。

nippon.com

政府主導の「グローバル人材育成」の一環として、東京五輪が開催される2020年に “使える英語力育成” に向けた動きが加速…

nippon.com

2020年度からの大学入試改革で英語が「4技能化」され、民間試験が導入される。特に「スピーキングテスト」が注目されるが、…

もちろん、外国語の4技能は大切だ。ただ、話すためには、英語を組み立てる文法も最低限は必要である。試合のルールを知らなければスポーツができないのと同じだ。さらに言えば、英語を使うために必要な文法や語彙は「読むこと」によって培われる。「読む力」が基礎となり、「聞くこと」や「書くこと」ができるようになり、その力を使って「話すこと」や「やり取り」が可能になる。買い物や食事など簡単な会話なら定型表現を暗記すればなんとかなるが、相手の主張を聞いて理解し、その上で自分の意見や考えを論理的に、説得力を持って話すには骨太の英語力が求められる。読めない、書けないでは内容のあるコミュニケーションはおぼつかない。

これは、ちゃんと英語を勉強した人であれば首肯ける内容だと思う。ちょっとした会話くらいであれば俺だってできるぞ。海外とのメールのやり取りだって普通にできる。ただ、本格的なコミュニケーションとなると、「もっと」きちんとした知識がないとできない。

英語はあくまでも外国語の一つであって、英語ができなくても、それで人生おしまい、ということではない。外国語を学ぶことは、「異文化への窓」を持つことであり、異なる言語や文化を知ることは人生を楽しく豊かにしてくれる。英語の場合は、事実上の国際共通語であるから、世界への窓だとも考えられる。

これからの世代が、もう少し余裕を持って日本語とは異質な言語に向き合い、他者理解という異文化コミュニケーションの神髄を学んでほしいと切に願う。

これも同様。外国語を学ぶということが、「実用」のみに傾きすぎているように思う。学校教育がやるべきことをもう少し考えていかないと、スッカスカの人間ばかりになりかねない。

求められるスキルは多様化しているわけで、それらをすべて「学校教育」の中に放り込んでしまえば、いずれパンクしてしまう。大事なのは、そうしたスキルを将来的に身につける上で、土台となるものをきちんと教えるということだと思う。プログラミング教育にしても同じで、プログラミング云々の前に数学ができなければ、まともなプログラムなんて書けないし。

この「即効性のありそうなもの」を追いかける姿勢って、目の前のテストの点数を上げることに躍起になる姿勢に通じるものがある。日本人の国民性なんだろうか。もう少し、将来的な観点とか全体を俯瞰する姿勢が必要なんじゃないの?と個人的には思うわけです。

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