公式の丸暗記がもたらすアレコレ

塾長
梅雨が明けたと思ったら、今度は猛烈な暑さがやってきました。暑いのは平気ですが、さすがに気温が30℃を超えると「ウキウキだね!」とはなりません。おかげでブログを更新する気力も湧いてこず・・・(言い訳)

暑さで頭が沸騰しそうな塾長ですが、そんな中でもキッチリ質問には応対しております。仕事だから当たり前ですが(笑)

夏期講習前ということで新しく塾に入ってくる生徒も増えるため、この時期は必然的に質問も増えますね。

質問が増えてくると生徒の抱えているマズい部分もいろいろと見えてきます。その分、授業にもフィードバックしやすくなるのでとてもありがたいです。

塾長
質問はどんどん持ってきて欲しいですね。なんてったって無料ですから!

 

と、この記事を書きながら、以前、生徒が持ってきた質問を思い出しました。ベクトルによる内分点の話です。

テキストなどには

三角形 $\mathrm{OAB}$ の辺 $\mathrm{AB}$ を $m:n$ に内分する点を $\mathrm{P}$ とおくと
$$\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{n\overrightarrow{\mathrm{OA}}+m\overrightarrow{\mathrm{OB}}}{m+n}$$

みたいなことが書いてあります。この具体例として、三角形OABの辺ABを $3:2$ に内分する点をPとすると

$$\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{3\overrightarrow{\mathrm{OA}}+2\overrightarrow{\mathrm{OB}}}{5}$$

なわけですが、これを

$$\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{3}{5}\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\frac{2}{5}\overrightarrow{\mathrm{OB}}$$

としただけで、「これは何ですか?」と聞いてくる生徒がいます。

ちょっと表記の仕方が変わっているだけで、表していることはまったく同じです

しかし、この公式を形のまま丸暗記してしまっている生徒の場合、その形が少し変わっただけでも「違うもの」に見えてしまうようなのです。

そんな生徒は稀だろうと思っていたのですが、案外、こういう質問を受けることが多いので、思った以上に公式を丸暗記している人は多いように思います。

ちゃんと証明を追っていれば、係数部分は線分比を表しているだけだとわかりますし、その表記が $\displaystyle \frac{2+3}{5}$ だろうと $\displaystyle \frac{2}{5}+\frac{3}{5}$ だろうと同じだと分かります。

しかし、そんなことをすべてすっ飛ばして、

悩める生徒
内分点の公式は $\displaystyle\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\frac{n\overrightarrow{\mathrm{OA}}+m\overrightarrow{\mathrm{OB}}}{m+n}$ なんだな!

という感じで「理解した」と思いこんでいる人もいます。そうすると、上記のような質問が出てくることになります。

でも、質問でこういうことが明らかになれば、まだ良い方です。おかしなことになっているのに気付きもせず、そのまま進んでいって八方塞がりになってしまう人もいます。

「とりあえずこうしておけば解ける」というのは、その場その場では有効かもしれませんが、結局、最後はそのツケを払わされることになるというのは肝に銘じておきたいものです。

というよりも、そんなインチキな方法に頼らずに正攻法で数学を学んでいけばいいだけの話なんですけどね!

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