高校1年生は最初の定期テストということでいろいろと不安になっている人もいるかもしれませんね。
テストについては、ぜひ過去記事を参考にしてください!
塾長5月もいよいよ終わりが見えてきました。少しずつ初夏らしい気候になってきて、なんとなく気持ちもフワフワしてくる時期ですね〜。高校生は5月中旬くらいに定期テストが実施された学校が多かったようです。とくに高校1[…]
結構いいこと書いてますね(自画自賛スタイル)。
定期テスト前の質問から
さて、ここからが今日の本題です。定期テスト前になると、いろいろと質問を受ける機会が増えます。
テスト期間にテスト範囲の問題をやってみると「あれ?これはどうなんだろう?」と思うことがたくさん出てくると思います。
そういう場合に、「ま、なんかこんな感じなんだろう」といい加減に終わらせてしまう人もいれば、「気になって仕方がない」と質問をどっさり持ってくる人もいます。
まとめて持ってこられると時間がかかって大変ですが、質問しないでウヤムヤにするより遥かにマシなので、積極的に持ってきてほしいですね。
今回は、そんな質問の中で気になった「絶対値記号の扱い」に関するものを紹介しておきます。
毎年、この時期は絶対値についての質問が増えますが「ああ今年もか」という気持ちになってしまいます。
教科書には、絶対値について次のように書かれています。
そして、多くの高校生がこの式を覚えて使うということをやり始めます。
覚えること自体は否定しませんが、何も考えずにこれを暗記するのではまったく意味がありません。
そして、そうしたやり方によって理解が曖昧になってしまっている高校生をたくさん見かけます。
今回の質問は以下のような話でした。
$$|x|=\begin{cases}x&(x\geqq0)\\-x&(x\leqq0)\end{cases}$$
こうした質問が毎年のように出てくるのですが、このように書かれていても何ら問題はないです。
もっと言えば同じことを主張しているだけです。
しかし、そのことが理解できない高校生がとても多いことに驚きます。
これは、肝心な部分をすっ飛ばして結果のみを覚えて使うというところに原因があるように思います。
実際に、細かく検証をしてみると当たり前の話をしていることが分かります。
検証してみましょう!
まず最初に、$x>0$ の場合として $x=2$ の場合を考えてみます。
$$|x|=|2|=2$$
となりますね。絶対値記号を外すと $2$ となります。これは $x$ そのものです。
したがって、$x>0$ の場合は $|x|=x$ となることが分かります。
次に、$x<0$ の場合として $x=-2$ の場合を考えてみます。
$$|x|=|-2|=2$$
となりますね。今度は絶対値記号を外すと $2$ となり、$x\ (=-2)$ の符号が逆転したものになります。
したがって、$x<0$ の場合は $|x|=-x$ と符号が逆転するようにマイナスをつけて外すことになります。
問題は $x=0$ の場合です。この場合はどうなるでしょう。
$$|x|=|0|=0$$
となり、$x>0$ の場合と同様に $x$ そのものになることが分かります。これは $x>0$ の場合と同じ振る舞いになります。
そのため、$x=0$ のときは $x>0$ の場合に含めてしまって問題ないということになります。
しかし、これを
$$|x|=|0|=-0$$
のように扱うと何か問題があるでしょうか?
実は、このように扱っても何も問題はありません。$-0=0$ となるからです。
なので、$x=0$ のときは $x<0$ の場合に含めてしまっても問題ないということになります。
つまり、$x=0$ の場合の $|x|$ は、$x>0$ と $x<0$ のどちらの振る舞いでも表せるということです。
そこで
$$|x|=\begin{cases}x&(x\geqq0)\\-x&(x\leqq0)\end{cases}$$
と表してもよいということになります。どちらか一方に含めてもいいし、どちらにも含めてもいいし、さらには $x=0$ の場合を別に扱ってもいいということです。
$$|x|=\begin{cases}x&(x>0)\\0&(x=0)\\-x&(x<0)\end{cases}$$
とすると最も丁寧な場合分けになりますが、まあ、面倒なので基本的には含めて考えましょうということです。
当然ですが、モノによっては $x=0$ の場合をしっかりと区別しないといけない場合が出てくることも分かるでしょう。
要するに、振る舞い方によって場合を分けているので、同じ振る舞いで処理できる場合はわざわざ別にする必要はないということです。