スタート時の差とはどんなもの?

塾長
春らしい暖かい日が続く中、準備講座も順調に進んでいます。今日で最終日となりますが、4日間で少しでも数学に対する意識が変わってくれたらいいなあと思っています。

新高1生の準備講座では、方程式・無理数・絶対値・関数の4つの内容を扱っています。内容は「高校数学の先取り」ではなく中学生でやった内容を中心にしています。これには、ちゃんとした理由があるのですが、今日はそのあたりのことを書いていこうかなと思います。

以前は、うちの塾も高校数学の内容を先取りでやっていた時期があったのですが、スパッとやめました!(笑)

なぜかというと、その時はできていても、ある程度時間が経ってしまうと忘れてしまうという人がほとんどで(つまりきちんと理解できていないわけです)、結局やり直すことになるということが分かったからです。そうなると先取りのメリットは正直ほとんどないわけで、だったら他のことをやった方がいいなと思ったのです。

スタートの何が大切か

この時期、いろいろな塾が煽り文句のように「高校生はスタートが大切!!」といったことを言っています。確かにスタートは大切ですが、何が大切なのでしょうか。スタート時の成績でしょうか? 生活リズムでしょうか? 勉強量でしょうか?

何となく雰囲気で「大事だ大事だ!」と言っているだけで、具体的に何が大切なのかいまいち分かっていない人も多いように思います。

まず、最初に断っておきたいことは入学時から初期の成績は高校3年間の成績に確実に影響を及ぼすということです。しかし、それはおそらく皆さんが抱いているイメージとは少し異なるかもしれません。

まず、最初に指摘しておきたいのは、高校入試時点での成績は入学後の学力とあまり関係がないということです(ゼロではありません)。石川県では、点数開示があるため入試での得点を知ることができます。Web上で生徒の成績を公開している塾もあるので、自分がどのくらいの成績だったのか気になる人は、そうした情報を調べていたりするかもしれません。しかし、そうした高校入試の成績はほとんどアテにならないと思っておきましょう。

というのも、高校入試で必要とされる能力と、高校の勉強で必要となる能力、そして大学入試で必要とされる能力にはかなりの隔たりがあるからです。高校入試の数学では、正直なところ、数学がまったく分かっていなかったとしても得点を取ることに特化してしまえば点数を取ることができます(こういう生徒の事例はブログでも度々指摘してきました)。石川県の高校入試の数学は難しいと言われますが、それでも大学入試の問題などに比べると論理的に考える部分はほとんどありません。つまり、数学の能力はほぼ試されていないわけです。

しかし、高校入学後から初期の段階(夏休みくらいまで)では、そうした数学の能力が必要とされることが増えていき、高校入試時点では見えていなかった数学の能力の差が現れてきます。

上位校へ進学する人は、中学生の頃には学年でもトップクラスの成績をとっていたという人がほとんどでしょう。しかし、そうしたトップ層の中でさらに成績をつけると、中学生の頃は学年でも一桁順位だったのに、 50番や100番、もっと悪い場合は200番や300番といった成績をとってしまうこともあり得る話です。

そうした生徒が陥りがちな思考は「高校に入ってちょっと勉強をサボってしまった!」といったようなことです。もちろん、手を抜いて成績が下がってしまう生徒もいます。しかし、そうした生徒は放っておいても危機感を持った時点で自分で勉強をするようになり成績が向上していきます。そのため、あまり問題にはならないのです。

気をつけて欲しいのは、数学の基本的な能力がまったくついていないのに、それを努力不足だとして量でカバーしようとする人です。高校入試での成功体験からなかなか抜け出せずに、ずっと間違った方法でやり続けてしまう生徒が非常に多いのです。そういう人は、3年間ずっと同じような成績で過ごすことになってしまいます。

高校での数学で大切なことは、論理的に考える力であって、たくさんやることではありません。そのため、意識を変えていくこと、論理的に考えるためにどのような勉強をすべきかを「最初に」知ることが大切なのです。

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