今年もシグマの季節がやってきました

塾長
前回比の計算についての記事を書いたのだすが、やはりアクセス数が伸びませんでした。ちょっとイジけてしまったので、しばらく記事を更新しておりませんでした笑

以前からそうなんですが、模試の分析記事とか合格ラインとか倍率とか勉強法とか、そういう記事には結構アクセスがあります。しかし、肝心の数学の記事についてはアクセス数があまり伸びません。

結構突っ込んだ内容を書いていることもあるのですが、突っ込んで書けば書くほど、読む人は減っていくように思います。ああ、悲しい。

ま、ウェブ上で数式をたどりながら記事を読むって想像以上に面倒ですから、当たり前と言えば当たり前かも知れません。また、多くの人が知りたいのは、そうした数学的な内容よりも、入試に関する情報のアレコレなのかもしれません。

しかし、根拠のないテキトーな情報を垂れ流すよりも、ちゃんとした数学の話をしたいと常々思っている塾長です。今日も、懲りずにシグマ記号の話をしようと思います笑

シグマ記号の確認

数列の問題の大事なテーマの1つに、というものがあります。最初の方で、数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ と表すという約束が出てきます。

$$S_n=a_1+a_2+\cdots\cdots+a_n$$

というわけです。$n$ を具体的に与えてやれば

$$S_4=a_1+a_2+a_3+a_4$$

ということになります。ほとんどのケースではこれで十分なのですが、場合によっては初項からではなく第4項からの和を求めたい、なんてこともあるわけです。そうなると $S_n$ という表記では表せなくなります。

そこで、新たに和の記号として以下のようにシグマを定義します。

$a_1+a_2+\cdots\cdots+a_n=\displaystyle\sum_{k=1}^na_k$

言葉で表現すれば、数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和を $\displaystyle\sum_{k=1}^na_k$ で表す、ということです。

そして、シグマの場合はスタートの項も指定することができます。例えば、数列 $\{a_n\}$ の第4項から第7項の和というのは

$$\displaystyle\sum_{k= 4}^7a_k=a_4+a_5+a_6+a_7$$

のようになります。これで、幅広く数列の和を表現することができるようになります。とても便利ですね!

シグマ記号の公式

シグマ記号については、以下のような公式が教科書に載っています。

\begin{align*}
&\displaystyle\sum_{k=1}^nc=nc\\
&\displaystyle\sum_{k=1}^nk=\frac{1}{2}n(n+1)\\
&\displaystyle\sum_{k=1}^nk^2=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\\
&\displaystyle\sum_{k=1}^nk^3=\left\{\frac{1}{2}n(n+1)\right\}^2
\end{align*}

それぞれについての証明も載っているのですが、結果を丸暗記しているという人がかなり多くいます。

もちろん、公式の丸暗記でも大抵の問題は問題なく解けます。しかし、実はそこに落とし穴があるのです。

実際、1つ目や2つ目の公式は覚えてもあまり価値がないものです。

公式を覚えても・・・

今回はまず下のような問題から考えていきます。

$\displaystyle\sum_{k=5}^{n-1}(3k+2)$ を求めよ。

きちんと理解できている人はすぐに求められるのですが、中にはとんでもなく面倒なことをやる人が出てきます。

これは過去に実際に見た答案です。

\begin{align*}
\sum_{k=5}^{n-1}(3k+2)&=3\sum_{k=5}^{n-1}k+\sum_{k=5}^{n-1}2\\
&=3\cdot\frac{1}{2}n(n+1)+2n
\end{align*}

めちゃくちゃな答案ですね。そもそも、$\displaystyle\sum_{k=5}^{n-1}k=\frac{1}{2}n(n+1)$ なんて大嘘です。

もう少し勉強が進んでいる生徒だと

$$\sum_{k=5}^{n-1}k=\sum_{k=1}^{n-1}k-\sum_{k=1}^4k$$

といったことをやってくれますが、正直、これでも「間違ってはないんだけど、ちゃんと理解していないのでは?」と思ってしまいます。

塾長
最近は、$\displaystyle\sum_{k=5}^{n-1}k=\sum_{k=1}^{n-1}k-\sum_{k=1}^4k$ が分かっているだけでも、かなり理解してるなあと思うくらいには生徒の理解度がバグっています。

シグマ記号について理解できていれば、こんな面倒な計算はしません。

$$\displaystyle\sum_{k=5}^{n-1}(3k+2)=17+20+23+\cdots+(3n-1)$$

となるので、初項 $17$、公差 $3$、末項 $3n-1$、項数 $n-5$ の等差数列の和を考えて

$$\frac{1}{2}(n-5)(3n+16)$$

と計算するでしょう。シグマ記号の公式は必要ありません。

こんな感じで、問題は解けているけれど理解が非常に浅いという生徒がここ数年でかなり増えました。

証明を通して理解しておけば、こうした計算は当たり前に感じるはずなのですが、どうもそういう部分を敬遠する人が多いようです。

点数が取れてるから問題ないという人もいますが、それって数学を勉強する意味があるのかな?と思ってしまいます。

塾長
青春時代の貴重な時間を費やすのであれば、もっと何か残るような勉強をした方がいいのではないかと、青春時代をとうの昔に置いてきたオジサンは思うわけです笑
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