解けない問題

授業中なり自習中なり、問題を解く生徒を見る機会が多い。

観察しているといろいろなことが分かる。

とくに、数学においてはその多様性が顕著に表れる。

解けない問題を目の前にした時に、いかなる行動をとるか。

これはどの教科の問題でもあり得ることだが、殊に数学においては顕著である。

いつも言っているが、大学入試までの問題において「解けない問題」は存在しない。

それは「解けない問題」ではなく、正しくは「多くの人が知らないであろう問題」である。

入試の問題に限らず、試験の問題というのは構成要素がはっきりしている。

全体として閉じているということなのだ。

つまり、知らない問題であっても、取りつく島がないような問題は絶対に出ない。

ただ、その手掛かりが巧妙な手段で隠されていたり、情報がわざと混乱していたりする。

(それを良問とみるか悪問とみるかは別の話になるけど)

いずれにせよ、一見したところ知らない問題を前にして、どう行動するか。

実は、大学入試ではこの部分が合否を分ける問題となっていることが多い。

「整数」という、難関と呼ばれる大学にはよく出題される単元がある。

実は旧課程の教科書では扱われていない。(新課程には入ったけど)

教科書にはないのに出題されるのである。

高校入試でこういうことをやったら、文句を言う人が多いだろうなあ。

と皮肉をこめて笑っておこう。

なぜ教科書にないのに出題されるのか。

ほとんどの受験生にとって「知らない問題」だからである。

もちろん、問題作成者が高校の教科書を知らないという可能性もあるけど。

おそらく、そんな無責任なことはないと信じている。

ただ、整数そのものについて知らない人はいない。

理論を正確に学んではいなくても、具体例は山ほど扱っている。

その具体的なものを、抽象化して考えることを求められているわけだ。

結局、知らない問題を前に「どうするか」を見られている。

俺が採点者なら、その問題だけを見て合否を決める。

だって楽だもん(笑)

さあ、ここで本題。

そうやって、知らない問題が出たときにどうするか。

まず、実際に目の前にした時。

手が止まって思考停止になる生徒。

あれこれ書いて、糸口を探そうとする生徒。

参考書を開いて同じ問題がないか探す生徒。

ヒントを待つ生徒。

実にさまざまである。

手が止まってしまう生徒は、残念ながら難関大学には合格できないだろう。

ヒントを待っている生徒も、あまりいい結果を期待しない方が良いだろう。

あれこれやってみる生徒や、調べる生徒には可能性がある。

こうやって見ていると、その生徒がどれくらい本気で志望校を目指しているか分かる。

その行動と、受験に対する本気度がほぼ比例している。

ただ何となく志望校の名前を出している人。

きちんと志望動機を持って大学を目指している人。

そして、ナンチャッテ難関志望者が恐ろしく多いことも。

頑張ったら受かる。なんて甘いものではない。

大学入試は頑張っても落ちるものである。

問題は、誰が何をどう頑張るのか、だ。

言葉の魔術にはまってはいけない。

さて、補足をしておこう。

こういう風な話をすると、じゃあ、知らない問題を極力減らせばよい。

という恐ろしく単純な思考に走る人がいる。

「青チャート」やら「フォーカスゴールド」やらの問題を全部暗記する、なんていう激しく悲しい事態に突き進む。

記憶できる分量には誰だって限界があることは自明であるのに。

暗記を否定するわけではないし、そういうやり方全般を否定するわけでもない。

ただ、記憶する量を減らすために、何をしたら良いのか。

賢い人は、そういう思考をするものだと思う。

(続く・・・かもw)

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