ちょっとプリントを作っていて怒りが湧いてきたので備忘的に放言します（笑）
ちなみに数学が苦手というのは、ちゃんと勉強しているのにイマイチ成績が良くないという人を指す。
勉強してないのにできないというのは当たり前の話なので除外する。
まあ、数学に限った話ではないと思うが。
世の中には進学校というものが存在する。明確な定義は知らないけど。
そこで起こる悲劇（俺も一応進学校で、悲劇の経験者である）について考えたい。
塾へ入ってくる塾生の多くは、数学を何とかしたいというのが動機である。
そこで、これまで面談してきた生徒たちから得られた実態を見てみたい。
普段の学習状況を聞くと、大体似たような状況にある。以下、生徒の学力と学校での状況を聞いて、問題に感じていること。
- 個人的な勉強時間の確保が難しいくらいに課題が多いこと。また、その課題も一律に課されるものであり、その生徒の現状に必ずしも見合っていないことが多い。
- 文武両道を掲げ、部活をしないという選択が悪のように扱われること。早朝や放課後、土曜日などに補習授業が行われ、ますます個人の時間が圧迫されていること。
- 「塾はいらない、学校の勉強だけで難関大に合格できる」という乱暴な理論が特に検証されることもなく印象論でまかり通っている。また、一部の成功例（多くは東大や京大、医学部などの合格者）を引き合いに出し、それがあたかも全体に当てはまるかのような話になっている。
- 教材のレベルが生徒の学力と乖離している。ネットの噂を信じているんじゃないか？というような教材採用もあるので笑えない。（実際に解いてみれば分かるだろうに）「青チャート○周すれば大丈夫」などという先生もいるようで。
- 教科書の内容はほどほどに、受験指導に重きが置かれている。これは教科書にも問題があると思っている。
- 成績が悪いのは「努力が足りない」でほとんど済んでしまう。
ぱっと思いついただけでも、これくらいは浮かんでしまう。
1.については、真面目で素直な生徒ほど悪循環にはまっていることが多い。また、多くの生徒が、終わらせることが目的となっている。本来は、理解を助けるための課題であるべきだが。また、定期テストで個人の学力が判断できているだろうに、それが課題にフィードバックされていないのは問題だろう。
2.については、文部両道という言葉を作るべきだね（そこじゃない）。よく「部活をやっている生徒は成績も良い」という話が持ち上がるが、絶対に信じてはいけない。現に部活をやっていて成績が悪い生徒もたくさんいる。「優秀な生徒は部活をやっていても影響はない」の方が真実味があるぞ。補習は知らん。大人の事情もあるんだろう。
3.は営業妨害です（笑）。もちろん、塾にも通わず授業を真面目に受けてトップレベルを維持できる生徒もいる。しかし、それはごく僅か。大多数の生徒はそれに当てはまらない状況にある。そもそも、学びの場を限定する意味が俺には分からないぞ。そして、そういうことを信じて真面目に頑張って、ダメだったという失敗例（失敗とは限らないぞ！）は触れてはいけない。
4.と5.は同系列の問題だ。これには、いろいろな意見がありそうだが、数学を教える身としては、もう少し基礎を大事にしてもらいたい。問題は解けるのに、ちょっと突っ込んだことを聞くと、実はまったく理解していなかったという生徒に何度遭遇したことか。あと、数学の教師が青チャートやっときゃ大丈夫とか言うなよ。自己の存在否定だぞ。んなこと言わずに教科書を深く掘り下げて教えてほしい。
6.がいちばんの問題点。ある程度の進学校になれば、努力してる生徒は多いと思うんだよね。高校に受かって満足して沈んでいく生徒も相当数はいるだろうが、そういうのは置いておこう。先に言ったように、真面目で素直な生徒ほど自分を追い詰めてしまうんだよ。自分には才能がないとか、俺は努力しても無駄なんだとか、そんな風になってしまうのがいたたまれない。もちろん、責任は本人にもあるが、上手くいっていないときに軌道修正するのは教える側の仕事だ。それを努力が足りないで片付けては元も子もあるまい。まあ、実際に努力が足りない生徒も多いんだけど。
とまあ、長々と書いているが、これだけ危機感を感じながら仕事をしている。「数学が嫌い」から「数学おもしろいね」と言ってもらえるように、あれこれ考えている。そのために、生徒の現状をきちんと理解するのが最優先なのだ。
さすがに眠い。寝よう。