センター数学の授業は微積分に入った。
数IIの授業でも、2学期には微積分に入る予定である。
数IIの微積分では、基本的な2次関数、3次関数、4次関数を扱うが、とくに重要なのは2次関数である。
つまり、放物線の問題である。
放物線は中学3年からお付き合いしている人が多いだろうけど、案外見落としていることが多い。
積分のときに毎年説明をするのだけど、\(y=x^2\) の簡単な積分が示している事実を知らないという人が多い。
\[\int_0^\alpha x^2\,dx=\frac{1}{3}\alpha^3\]
になることは、積分を習った人なら誰でもすぐに分かる話である。
ただ、この式が意味することをしっかり考えられている人があまりいないのが悲しい。
式の意味としては、上の図の \(S_2\) の面積を表しているのだけど、これで終わってしまっている。
このとき、ちゃんと考えてほしいのは図の長方形の面積との関連である。もう一度式をよく見てほしい。
\[\int_0^\alpha x^2\,dx=\frac{1}{3}\alpha^3\]
この右辺 \(\frac{1}{3}\alpha^3\) における \(\alpha^3\) は上図の長方形の面積を表している。
長方形の横の長さは \(\alpha\) であり、高さは \(y=x^2\) に \(x=\alpha\) を代入して得られる \(\alpha^2\) だ。
したがって、長方形の面積は \(\alpha^3\) であり、この面積の \(\frac{1}{3}\) が \(S_2\) の面積である。
ということは、図の \(S_1\) は長方形の面積の \(\frac{2}{3}\) であり、\(S_1:S_2=2:1\) という関係が見えてくる。
だからどうしたの?っていう人もいるかもしれないけど、このことを知っていると、わざわざ積分をして面積を求める必要がなくなる。
参考書や問題集を見れば、こうした放物線の特徴を取り上げている問題は少なくない。
けれども、解説を見ると、こうした面白い部分には一切触れていないものが多い。
面積が求まれば、はいオッケー!という感じである。
この話を聞いたことがないという生徒も多い。
まあ、知ってるから点数が上がるという代物ではないだろうけど。
なんだか、いろいろともったいないなぁと俺は思っている。